2007-02-23

ひなん

テーマ:開かれたマド

おとなは眉をひそめ

けして近づかない森の中で

はじめて

わたしたちは出会った。


そこは湿っていて薄暗く

死にまつわる噂があり

だから静かでかえって

生命に溢れていた。


折り重なる落ち葉の下に

足跡の残るやわらかい土。


わたしたちはここへ

逃げてきて会った。


見覚えのある互いの姿を見て笑う。


そして


もう一度一緒に

声に出して笑った。

自分が笑えることがただ嬉しくて


折り重なる3つの声。


樹の間をすり抜ける

風、みたいに自由。


それから


何度も樹に登り

何度も花を摘み


大きな樹の幹を

3人で手をつないでかこみ

意味のない合言葉を考えたりした。


ここ。森の中で。


いつまで、遊んでいてもよかった。

いつまで、子どもでいてもよかった。


心から信じられる友達が

2人もいる。


それは

わたしたちにとって

すばらしい幸運


だったのに。


どうして隠れたりしたんだろう。

彼らの1人とキスしたときに。


どうして話さなかったんだろう。

彼らのもう1人とキスしたことを。


気がついた。


わたしだけが選んでいない。


高いところ

木々の間から

明るい太陽の光が

線になって降りてくる。


人生が

こんな選択の連続なら

うんざり。


何も選ばない木々の

澄んだ空気をすって


むこうから手を振って

近づいてくる彼らに

告げたい。


どちらも選ばない

だから

どちらも選ぶ。


ただ受け入れる。

森のように。


光あふれ

震えるまぶたから

こぼれおちるままに。




なぜか森、です。


最近忙しいので

静かな森に行きたいと思って書きました。

でも本当は花粉症なので無理ですね。


今日は雨だったのに

目がかゆくて

くしゃみがでました。


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2007-02-16

まもるもの

テーマ:あなたが教えてくれたこと

両手のひらを

あなたの胸にあて

耳をすます。


慣れない

男の人の腕のナカに

包まれて。


あなたの

鼓動がさえぎるソト。


そのソトの世界で


ずっと閉じていた耳が

ため息をつく。


いつも

みんなと一緒にいたのに


どうしてあなたは


わたしがひとりだって

わかったのだろう。


笑顔と明るさだけが許される

その世界で


鋭さと怜悧さをうとまれながら


どんどん自分の上に自分を重ね

体温さえ感じない肌を刻み

その下にいるはずの

わたしを傷つける。


気づかぬうちに

わたし以外の

何かになることにおびえて。


かすかな痛み。

時々思う。


こんなに必死になって

守ろうとしたものは

何だったんだろう。


震えだす肩を

なだめるように

あなたは腕にチカラを入れる。


ブーツを履いた

わたしのかかとが

ほんの少しもち上がる。


あたたかい匂い。


長い間つぶっていた

目をあけて

あなたを見よう。


あなたと見つめあって

微笑もう。


それから

しっかり

ソトの世界を見る。


さっきまで

ソトだったあなたと一緒に。





氷を溶かすように

かたくなな心を溶かす

抱擁は、ある、と思います。

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2007-02-09

まちぶせ

テーマ:告白

学校から駅への道


くだり坂に続く

高い塀


蝋梅の咲く家の

その曲がり角


あなたの学校の

知らない生徒たちが

笑いながら通り過ぎていくのを


死角になるように

塀に身を寄せてやりすごした。


ただ楽しかった

いくどかの偶然を

意図的に作ろうとして。


早まる鼓動。


大きくため息をついて

セーラー服の

リボンを何度も直せば


偶然には思えない日の

さりげなく思えないプレゼントが

水色の小さな紙袋の中で

コトンと鳴る。


何度も

並んで帰りながら思ってた。


幼馴染だったあなたは

会わないうちに

おどろくほど背が伸びて


冗談を言い合って

わらいころげるときも

やさしく私を見下ろした。


大きな笑顔。


あたたかくなる気持ち。


このままでも

しあわせ、なんだとおもうけど


何かを壊してしまわなければ

ずっと

あなたに触れることができない。


並んでいる影を

重ねるために

足の震えを懸命に抑えていると


あ、あなたが遠くに見えた。


夢の中では

自然に向き合えたのに


苦しい。


足が動かない。


風がふいて

彼女の髪を乱す。


あなたと手をつないだコは

うつむいて微笑んでいる。


彼女の顔を見たくなくて

あなたの顔を見たくなくて

しゃがみこむと


手の中でゆらゆら揺れていた

紙袋の中から

涙を誘う

チョコレートの甘い香りがのぼる。





誰かの願いがかなうころ。


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2007-02-02

渋谷

テーマ:カナシイトキ

澄んでいるぶん

風は強い。

雲ははやく流れていく。

聞きなれた音楽。

歩きなれた街の喧騒。

いつもの

他愛のない話で盛り上がりながら

前に買った

おそろいのマフラーをして

人ごみのなかを

ようやく歩く。

はじめて

ふれ合わずに並んで

はじめて

ぎこちなく距離をとって

会話や

笑顔は

いつものまま

これが最後じゃないみたいに。

大丈夫。

あなたがいなくても

わたしは幸せに

生きてたんだよ。

心配しないで。

ただ

ひとりだった

あのころに

戻るだけだから。

あ、風船。

ほら、あそこ。

小さな子の手を離れて

涙の形の青が

ビルの隙間の

空へ流れていく。

そのとき

立ち止まって

見上げる私の背中に

しらない

誰かがぶつかって

つながってないあなたの

振り返ったあなたの

胸に

思わずしがみつく。

あなたの匂い、だ。

「ごめん。」

ぶつかった

わたしじゃなくて

あなたの声。

人ごみの中で

わらって

見上げて

さっきまで

あなたも

同じように

それ、なのに

このひとは

どうして

急に

泣きはじめるのだろう。

わすれないといいながら

抱きしめようとする

身勝手な手を振り切って

はなれる。

そして

走り出す。

あなたが

そばにいないなら

わたしのことを

忘れないことに

どんな意味があるのか

わからないまま。

両手を

ポケットに入れ

人の流れを注意深くかきわけて。





別れを切り出したほうが

泣くなんてズルイ。


とりみだして欲しい、のかな。

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