2006-06-29

サイクル

テーマ:大切なモノ


チリン

チリン


恥ずかしそうな

ベルの音が聞こえた。


赤い自転車の

荷台にまたがって

あなたの背中に

しがみつけば


あなたはわざと

ハンドルを

ぐらぐら

左右に切って


わたしに

明るい悲鳴をあげさせる。


コロッケの匂いのする

古い商店街を抜け


大きな木陰をつくる公園の

こどもたちを眺め


リズミカルに

ペダルをこぐ

手さえ

つないだことのないあなた


の鼓動を

ふれあう体を通して

すぐ近くに聞いている。


ね、大丈夫?

あ、ちゃんと前を見て。


きらきら

笑い声がいくつも

二人の後ろへ流れていく。


ありがとう。


何も知らない振りをして

こんなふうに

笑わせてくれて。


あのとき


勇気がないと

あなたをなじって

自分を壊すために

あなたを使おうとしたわたしに


あなたは

とても

やさしい。


やがて

景色は川原へと続く。


ごめんなさい。


あなたの耳元へ

届くように

叫ぶ。


さっきから


何も聞こえないふりを

していたあなたが

ちいさく

うなずくのが見えた。





自転車が好きです。

乗るのも

乗せてもらうのも大好き。



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2006-06-22

日光浴

テーマ:約束

海空


じっとりと汗ばんで

肌が焼けていく。


さえぎるもののない

強い日差し。


自虐的な気分で

ただ

暑さに耐える。


自分の何かを

罰するように

目を閉じて。


屋上のデッキチェアは

どろりと溶けた

わたしをいれる

あいまいな器。


ショーツだけの体を

横たえれば

人には言えない夢のなかに

沈んでいく。


あなたを

誘惑した爪先の

赤いネイルが

ゆるく溶けて


あなたが

口づけた足の甲を

べたべたときたなく

汚していく。


ああ

瞼までが熱い。


強く焼かれながら

あなたを思えば


汗ではない雫が

頬を流れて


わたしは


もう

戻らないと言うあなたを

絶対に

後悔させると心に誓う。




夏。

早く海で泳ぎたい。


紫外線は怖いけれど。



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2006-06-15

同情

テーマ:オ・ネ・ガ・イ

あじさいブルー



あなたが

わたしに

かわいそう、というとき


わたしは

わたしを

かわいそう、だと思う。


甘く香る。


切り替わるチャンネル。


同情なんか要らない。


ドラマの登場人物は

いつも

誰かの期待通りに

同じようなタンカを切る。


勇ましくて

かっこよくて


だから

かわいそうで。


たぶん

わたしほど

苦しくはないのだろう。


淡く濁る。


それが欲しくて


わたしは

何もかも脱ぎ捨て

こうして

震えている。


あなたの目の前に

わたしをさらす。


かすかに、ぶれる。


あなたに

笑われることに

おびえながら


ただ

必死で。






毎年、夏休みに行く宮古島。

今年は

なかなか思う宿がとれません。


久しぶりに

ダイビングをたのしみたいな、と

思っているのですが…。

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2006-06-08

秘密

テーマ:オ・ネ・ガ・イ

harappa


久しぶりに会うあなたは

いつもの優しい笑顔で


写真を撮るのに

良い場所があるからと

私を案内してくれる。


どうか

思いが。


そこは

あなたの住む町が見下ろせる場所。


雑草だらけの

ゆるい斜面を

こども達が

駆け回っている。


遠くに山々。


青空に

くっきりとした稜線。


初夏の強すぎる日差しを避けて

わたしたちは

大きな樹の木陰に入り


わたしは

あなたのするように

直接

草の上に腰をおろす。


あなたと

少しだけ距離を置いて。


思いが

あふれませんように。


いつからかはじまった

こどもの時の話をやめて


あなたは

服が汚れるのも

気にせずに

体を仰向けに横たえた。


思い切って


寛ぐその表情を

いくらみつめても

あなたは

けして目をあわせてはくれない。


 気づかれませんように。

 絶対に

 好きになっては

 いけない人だから。


いつのまにか


木漏れ日に

細めていた目を閉じて

あなたは


静かな寝息をたてている。


もう結ばれない視線を

はずして

あなたの見ていた

空をみあげれば


木漏れ日と

重なり合う葉の

美しいリズムで


わたしも

うっとりと

眠りに誘われる。


同じように

体を

横たえる。


あなたの隣に

少しだけ距離をおいて。


夏草の青い強い匂い。


Tシャツからのびた

はだかの腕を

そっと風がなでていく。


 せめて

 あなたと同じ夢を。


それなのに


ドキドキして

本当の

眠りに落ちることができない。


あなたの手が私の手に

軽く触れている。


 息をころして。

 目は閉じたままで。


ゆっくりと

あなたの手が私の手に重ねられ


ゆっくりと

指を絡ませるのを


わたしは

目をとじたまま

ただじっと

感じていた。


仰向けに

草のにおいをかいで


ことばにならないくらい

苦しいほど

しあわせで。





思いが伝わっているなら

そっと

教えて欲しいな、と思います。




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2006-06-01

やまい

テーマ:開かれたマド

gaitou



あんな人が好きなんて

正気じゃないよ。


久しぶりに会った

友だちとの夕食。


サヨナラと手を振って

回れ右をしたとたん

こんなふうに

陰口を想像するなんて


たしかに

私は

おかしいのかもしれない。


見上げれば

三日月が冷たく光っている。


あんなことも、されて。

また

繰り返されて。


それでも

ひかれつづける。

それでも

あの人を選ぶ。


信じられない、とだけ

友達は言ったのに


正気じゃない、と

そんな言葉で

私は私自身を

なぐさめている。


静かな路地の

家々の庭の花の匂い。

夜の。


だれもが選ぶ幸せを

私は選ばない。


どんな幸せさえ

選ばないという幸せを選ぶ。


記憶に残る遠い日から

なぜか

ずっと

そうだった。


暗い空に

月だけが明るい。

たった一つの

答えみたいに。


向かい風が

髪をなびかせる。


流れていく雲を

目で追いながら歩けば

携帯の着信音。

あの人から。


どうしようもなく

甘い気持ちが

こみ上げる。


あの人が

あの人だけが


私を

知っているから


どんな言葉も

どんな仕打ちも


どうしようもなく

心に。



人の性質って

なかなか変わりませんよね。


それがどんなに

他人に受け入れられないものでも。


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