2005-05-31

脱皮

テーマ:シアワセのかたち

毛布


柔らかなブランケットのような

ほどよい ゆるさで

心地よく あなたに包まれてきたけど


私の幸せは

私にしか決められない。


愛情にしても

奉仕にしても

自己犠牲にしても


与えることが

あなたの

幸せだと言うのなら


私も


与えられ続けるだけでは

満足なんか

できない。


 あなたが

思っているような

いい子じゃないんだよ。


あなたの目を盗んで

こっそりと研いだ爪で

今 あなたを切り裂かないと


いつまでたっても

私は

産まれ出ることが

できないから


私の産声と

あなたの苦痛の声が

醜く重なることになっても


視覚じゃなくて

体中の触覚で


生きる ということを

感じてみたい。


あなたが

思っているような

弱い子じゃないんだよ。


あんなふうに

愛してくれた あなたを


こんなふうに

捨てることも できるんだよ。






最近

グレープフルーツ・ゼリーが

マイブーム(しご?)。


毎日

ついコンビニによって

買ってしまいます。


イロイロな会社から出ているけど

今のところ

一番好きなのは

「今日のくだもの」かな。

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2005-05-26

夜のみずうみ

テーマ:喪失

月夜船


夏ごとに訪れた高原の家は

小さな湖のそばにあった。

大きな観光地からはずれた静かな場所で

大人たちの酒宴にも

いとこたちの幼い遊びにも入れない僕は

夕ご飯の後で

母だけに散歩に行く、と告げると

ぺたぺたサンダルを鳴らしながら

暗い山道を湖へと向かった。


濃い緑の匂いをくぐり

時々まとわりつく蚊を手で叩き潰しながら

湖畔につくと

昼間、いとこたちが嬌声をあげて乗っていたボートが

月の光を受けて

ゆらゆらと揺らいでいる。


僕は固く結ばれたもやい綱を

指を少し傷つけながらほどき

サンダルを先にボートに放り込むと

膝まで水に濡らしながら

ボートを湖へと押し出した。


さっとすばやくボートに乗り込む。

一瞬ぐらりと傾く船底に

今ここで溺れても

明日まで誰にも見つかりはしない、などという思いが

怖さより美しさに縁取られて

急に胸の底から浮かび上がってくる。


オールを両手で強く握って

大きく前後に漕ぐと

船はさざなみの音をたてながら

ぐいぐい暗い湖のうえを進んでいった。


星に埋め尽くされた空の端に

山並みとまばらな家の明かりだけが見える。

十分に岸から離れた夜の、湖の中心に

僕はゆっくりとボートを止める。


仰向けに寝て

少しだけ乱れた呼吸を整えると

遠くから暖かい風に乗って

鳥の泣く声が聞こえてくる。


星と月だけに照らされた「そこ」が

その夏、僕に行ける1番遠い場所だった。


まだ大人じゃない僕が

生きて行くことのできる1番遠い。


暗い水と空の間の夜に浮かんで

本当に1人のはずの僕は

何か大きなものに抱かれながら

もういないヒトを思い出して

長いこと

こらえていた涙を

流すことを自分に許した。






誰にでも

泣き場所は要るのだと思います。


この前のトビタカさんのコメントを読んで

これを書きました。

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2005-05-21

年下のSへ

テーマ:カナシイトキ

「年下のSへ」


傷つけよう、と思って

言ったんだよ。


あなたの


あなた自身の若さ、が

私を傷つけるから。


理不尽なシカエシ。


ほら

今だって

そんなふうに


私から

少しも視線をそらさずに


あなたの目に

涙が

あふれて

流れて


でも

まだ

ぬぐおうともしない。


その

なりふりかまわない

若さ、というものが

私の胸を突く。


サトラレタク、ナイ。


動揺の隠し方なら

私の方が大人だから

あなたより

ずっと上手い。


だけど


見つめあう

この瞬間も


手際よく隠した嫉妬のせいで

私の奥は

こんなにも苦しい。





いきなりですが


泣かないオトコのヒトは信じられないような気がします。


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2005-05-18

その朝

テーマ:開かれたマド

「その朝」

 

カーテン越しの

やさしい光が

閉じたまぶたをくすぐっている。

 

気持ちのいい朝だけど起きない。

 

君がいれた珈琲の香りに

どんなに強く誘われたとしても。

 

羊が1匹。

羊が2匹。

朝露にぬれる

羊が3匹。

 

ベッドで布団にもぐったままで

リビングの気配に耳をすませば

ボリュームを絞ったテレビのニュースに

かさなる君の足音。

 

しなやかな

しのび足で。

僕を起さないように。

 

ああ本当に深い眠りに落ちたい。

 

君の気持ちに先回りして

別れを切り出したのは

君のしぐさの中の

「退屈」に気がついたから。

 

出て行け、と叫んだ僕を

泣きそうな顔で黙って見ていた君の。

 

君の気遣いに視界がにじむ。

 

胸が苦しい。

息をするのがツライ。

どうしても瞼をあけることができない。

 

寝返りのふりをして

枕に顔をおしつける。

 

まだぬれていない方の耳に

遠くで閉まるドアの音が届く。

 

ぱたん。

 

君の安堵のため息のように

空気をゆらして。

 

 

 

 

この頃

 

春だから

眠いのでしょうか。

 

緑の濃い水面にボートを浮かべて

やさしく揺られながら

お昼寝がしたいです。

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2005-05-10

月のひかり

テーマ:約束

「月のひかり」


自動販売機のかげで

ストッキングを脱ぐと

夜の潮風にさらされる両脚が

無防備でたよりない。


通勤スーツのままで

あなたも私も裸足になって

静かな夜の砂浜を歩く。


暗い海では

波の音が近い。

足指の間の

濡れた砂の感触。


月明かりに光る

波打ち際の手前で

両手から靴も鞄も

砂の上に落として


立ち止まる私を

後ろから

あなたが強く抱きしめてくれる。


乱れた髪。

その体ごと。


南に見える

あれはスピカ。

あの日こぼれた

真珠のひとつ。


耳元であなたが

何かを囁いている。

聞こえないけど私は

うなづいている。


さっきから


あなたの人差し指が

そっと私の背中をすべって


服の下の

今は見えるはずのない日焼けの跡を

正確になぞっている。から。


聞こえなくても

恥ずかしくて

聞き返すことができない。


ごめんなさい。







のんびりするはずが

忙しかったゴールデンウィーク。

海にも行き、山にも行きました。

有楽町でベートーヴェンも聞いたし

新しいカメラも念願叶って買ったし。


ようやく普通の生活に戻れると思ったら

何だかほっとしてしまいました。

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2005-05-03

周期

テーマ:大切なモノ

  親子

 

世界は

まるく繋がっていて

いつだって

振り出しに戻ってくる。

 

カウンターをカチリと

1コマだけ送り出して。

 

やぶられる約束をした春が

もう一度

イヤオウナク

私をぬらしていく。

 

あなたが欲しければ

あなたをつくればいい。

 

注意深く

捨ててきた卵たちの替わりに

あなたを

体の奥にはらんで

 

ゆっくりと回転していく

カウンターを読み上げる。

哀しい子守唄のふしまわしで。

 

カチリ

カチリ

 

あなたの目に浮かぶオビエさえ

もう私の幸せをおびやかさない。

 

あたらしいあなたとの

蜜月を夢見ながら

もういらないあなたに渡す

別れのコトバを

イケナイ悦びとともに

ココロにえがく。

 

春の。

命の。

むせかえる匂い。

 

あなたへの秘密が

ふくれあがってくる。

 

私の中。

そのずっと奥で。

 

 

 

 

もうすぐ子供の日。

今日はこれから海に行ってきます。

 

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