2005-04-26

境界

テーマ:喪失

「境界」

 

うつぶせの背中を

見られるのがつらい。

 

片頬を枕におしつけたままで

顔をおおう髪の隙間から

そっとあなたを見上げると

あなたはいつものように微笑んではいない。

 

あと何回謝れば

許してくれるのだろう。

 

激昂もせず

涙もうかべず

ただ冷たい静かな目で

じっと私を見下ろしている。

 

むきだしの背中の産毛が

触れられたわけでもないのに

ゆっくりと逆立ってくるのがわかる。       

 

こんな時でも

あなたを愛している、とは

どうしても言えなくて

あなたが好きなの、と

できるだけこびないように

コトバに出して言ってみる。けれど。

 

あなたは

知ってるよ、とひとことだけ言って

その冷たい表情を崩そうとはしない。

 

私が盗み見るからと

一つも時計が置かれていない部屋の中で

時間を測ることもできずに

 

私はただ見られ

あなたはそんな私を見ながら

見えるはずのない何かを

さっきから見続けている。

 

ああ

このまま

眠りに落ちてしまいたい。

 

目覚めた時にあなたがいなければ

私もまだ少しは泣くのだろうか。

 

記憶の中の

私たちの屈託のない笑い声に誘われる。

 

夢なのか現実なのか分からない

手のひらのぬくもりを背中に感じながら

都合よく訪れた

深く気持ちの良い眠りの奥へと

弧をえがき滑り込んでいく。

 

 

 

 

アルバイトをはじめました。

晴れた日は自転車で通っています。

直線で往復8キロ強。

東京の中でも坂の多い道だけど

混んだ通勤電車よりずっと快適です。

 

なにしろ風をきる感覚が

とても好きなので。

AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2005-04-18

猫舌

テーマ:シアワセのかたち

「猫舌」

早口で読み上げられるニュースのかわりに

鳥の声が届く静かな。

野球の練習に急ぐ男の子たちだろう。

自転車のベル音と

声変わり前の笑い声が

開け放った窓の下を通過する明るい。

風が大きくカーテンをあおる。

優しくかきまぜられる朝。の空気。の。なか。

皺のよったパジャマの生地に

たぶん二人とも

おなじくらい汗ばんだ素肌を

なでるように

こすられている。

あるのは見慣れた

休日のダイニングテーブル。

向かいあわせに座るあなたと私の

食器の音が重ならないのは

特別でもなんでもない。

二人を隔てる

サイテキな温度。

目玉焼き。トースト。

野菜スープにコーヒー。

時間のゆるい休日の朝。

だから私は

おあづけに従う動物みたいに

あなたのソシャク

その旺盛なショクヨクを

言葉にかえる作業もせずに

ただこちらから眺めている。

どこか遠くで

クラクションが鳴る。

一瞬だけビクっとさせるほど

するどく。

目を合わせて微笑みながら

ゴチソウサマ、

ホラ、モウイイヨと

あなたが言うから

熱いコーヒーのおかわりを

あなたのカップにもう一度注いでから

ようやく私は私にサイテキな

ショクジのソシャクへと取り掛かる。

用心深く。

とがった舌の先端でさぐる

ショクモツの温度。

刺激には程遠い

いつものぬるさ。

私が日常を心地よく味わうには

このくらいの温度が必要なのだ。

あなたは

二人の空間を仕切るように

大きく新聞を広げはじめる。

あなたのココロのおくにも

私の敏感な舌先を差し込んで

このありふれた暮らしの中で

保たれるキモチの

キモチの良さを測ってみたい。

めがねを掛けて文字を追う

顔だけがヨソイキに見えて

その視線を

少しだけ私に向けさせるために

テーブルの下の

あなたのかたい裸のくるぶしを

つま先を伸ばして

ゆっくりとなでてみる。

お決まりの挑発に

お決まりの反応。

あなたは今日もしばらくの無表情をきめこんでいる。

もうすぐ

笑いながらでも

怒りながらでも

こちらに視線が向けられることで

私は私がここに存在していることを

確認して満足するだろう。

おそろいの食器は片方が空っぽで

片方が手付かずで。

2人の朝はこんな調子で

一体これからいつまで

くりかえし

くりかえし

続いていくのだろう。

熱すぎず

冷たすぎず

テキオンに

注意深くさまされながら。

最近読みたい本がありすぎて

更新がなかなかできませんでした。

更新はしていなくても

読者の方のブログは読みにいっています。

先日、友人からメールがあり

職場の人が私のブログを読んでいるのを発見した、と

教えてくれました。

そういうの何だかとても嬉しかったです。

AD
いいね!した人  |  コメント(10)  |  リブログ(0)
2005-04-09

儀式というほどでもない。

テーマ:告白

雨桜

 

 

俺をいくらでも愛していいよ。と

あなたが言うから愛した。

 

 

いなくなったヒトのかわりに。

 

 

あいつは俺の友達だからさ。

と言うときの

あなたの幸せそうな顔が

見たかった。

 

 

あのヒトを

幸せな顔で

思い出し続けたかったから。

 

 

抱き合った後の

クールダウン。

 

 

俺をあいつの名前で呼んでくれ。と

静かに言われ

なにもそこまで。

と思ったけれど

 

 

いなくなったヒトの名前で

あなたを呼ぶと

私たちは泣きそうに

悲しくなって

流れていかない涙を

舐めあうみたいに

お互いのカラダを舐めた。

 

 

私たちにふさわしく

すこしだけ

美しく。

 

 

あのヒトはいなくて

あなたと私はここにいて

こんなにも

愛しあっている。

 

 

 

 

 

 

 

TBステーションの今週のテーマ「愛とはなんぞや?」について

書いてみました。

愛とは、なんて言われると

普通の恋愛じゃない形を書いてしまう私って一体…。

 

 

こんなのも愛ですか?

 

 

 

AD
いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)
2005-04-03

蕾(つぼみ)

テーマ:あなたが教えてくれたこと

蕾「蕾(つぼみ)」

 

 

まだ咲かない

桜並木を君と歩いた。

 

 

蕾よりもかたく

手を結んで。

 

 

まだだよ。

まだ、だめだよ。

 

 

そのビミョーなもどかしさが

蕾よりもかたく

心を結ぶ。

 

 

逃げるための約束だった。

 

 

幼すぎる君の

あまりにも一途な

想いがこわくて。

 

 

―初めてのキスは

桜の花の下で。

 

 

どんなに君がねだっても

約束の桜は

まだ咲かない。

 

 

それでももうすぐ

ちゃんと時がくれば

かたい蕾は開かれる。

 

 

それはぬれた僕の舌で

ゆっくりと

ほどかれていくだろう。

 

 

青空とあたたかな日差しの中。

新しく咲いた桜を見ながら

こんどは僕から

次の約束をするだろう。

 

 

君を抱くための。

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は

ずいぶん前からお花見の予定が入っていました。

でも桜が咲いていないので中止かもしれません。

  

近くの公園をのぞいてみましたが

蕾はまだ、かたそうです。

<追記>

変だなと思っていたら

4月からのメールが全く受信できていませんでした。

メールをくださった方がいらしたら、ごめんなさい。

今、調べています。

<おわび>

メール直りました。私のミスでした。ガーン!

この蕾の写真は「夢の島公園」でとったものです。

いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。