CML患者の視点(一部修正)
【慢性骨髄性白血病進行抑制の抗がん剤、厚労省が公的助成を検討へ】
(産経ニュース:2010/2/4)
※上記の記事について、残念ながら(一部)誤報との情報がありました。
いずれにしましても、今後 実現させる事が大事だと思います。
■この件に関する詳細は chuさんのサイト をご覧ください。
以下について、内容を変更せず一部の修正をさせていただきます。
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昨年の春過ぎから行われた、
『慢性骨髄性白血病を特定疾病にしようという署名運動』
わずか3ヶ月ほどで8万筆を超える署名を集めました。
7月に舛添元大臣に署名が手渡されたのは、記憶に新しいところです。
当初、舛添元大臣の任期中に実現する事を目標としていましたが、
結局は財政難を理由に実現に至りませんでした。
その後、政権が民主党へと変わり、昨年行われた署名活動が
一端 暗礁に乗り上げた形になりました。
一方で民主党は選挙前のマニフェストで、
「高額療養費制度に関し、白血病など長期継続治療を要する患者の
自己負担軽減について検討を進める」
と記したのですが、
それが今回やっと“実態調査”に乗り出すという事に繋がったようです。
この背景には、先般行われた東京大学医科学研究所の
実態調査 の結果が反映されたものと理解し、Pt Support 様には
感謝したいところです。
実態調査という事でも一つの前進ではありますが、
患者は待ったなしの状況です。
1日も早い『グリベックの無料化』を切に願います。
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先日、第2次補正予算が成立しました。
主に景気対策の方向を見ている内容ですが、
不況にある住宅業界にとって、大きな追い風となるものがあります。
おそらく、今年の住宅業界は活況になる事が予想されますが、
この業界で働く私でも、この状況に違和感を感じます。
話題の住宅版エコポイント。
これには予算が1,000億円付けられています。
住宅金融支援機構が盛んにPRしている、住宅ローン『フラット35S』
こちらには2兆円を超える予算が付けられています。
需要の先食いであり、来年以降の反動が気になります。
また、高速道路の一部無料化。
これは当初予算を大幅に削られましたが、それでも1,000億円。
薬の話に戻しますと、
グリベックが患者にとって高額負担となっている先進国は、
アメリカと日本のみ。
イギリス・フランス・イタリアでは無料化。
お隣の韓国でも患者の活動により無料となっています。
ここからは私の概略計算です。参考まで
国内の慢性骨髄性白血病患者数は約8,000人。
年間発症者数は約1,200人。
患者の自己負担となる治療費が仮に1人当たり20万円/年として
8,000人×200,000円=1,600,000,000円(16億円)
年間、患者が1,200人づつ増加し、5年生存率が90%程度ですから
毎年2%ほど患者が減少するものの、増加傾向になるとは言えます。
上記を元に仮の計算をしてみると、10年後に45億円を超えることになります。
これを国が負担するとして、患者の増加を危惧しているならば、
全く違う理解という事になります。
これはグリベックが現在の約3,000円/錠だったらの話で、
少しづつですが薬価自体下がっていますし、2015年には特許が切れ
大幅に薬価が下がることが推測できます。
景気対策も大事です。
しかし、一端CMLになった患者は生命保険にも入れず、
安定していない患者ほど、薬のまとめ処方が出来ないケースも多く
負担増となっている現実があります。
チャレンジ25の影響があるのも理解していますが、
1年で消化してしまうかもしれないところに、兆のつくほどの予算を使うのなら、
今、困窮する患者を守る方へもっともっと力を注いでいただきたいものです。
長いついでに、数年前に掲示板に書いた
高額医療費の自己負担上限額の変遷をおまけに。
【70歳未満一般】
80,100円(平成18年10月~) ※年4回以上44,400円
72,300円(平成15年4月~平成18年9月まで)
63,600円(~平成15年3月まで)