アドリア海をボスニアとクロアチアの国境にある崖から眺める。

数日振りに見る空を、夕日が紫色に変えようとしていた。

目下に広がる光景は、しばらく山地を走ってきた僕らを
一瞬にしてその場所に釘付けにした。

ダイナミックに急降下する崖に張り付く自然の景色と、
久しぶりに見る海と青空の対比があまりにも美しく、
クロアチア国境の1km手前で僕らはしばらく足を止めた。

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周囲には数え切れないほどの『地雷地帯危険マーク』があるのだが、
目の前の光景からは、そんな物騒なイメージを持つことは出来ない。

ここから『ドブロブニク』までは8km程度なので、
国境越えをした後、一気に街を目指した。

『ドブロブニク』手前にある崖沿いの展望台に着いた頃、
夕日は最高のポジションに位置し、更に僕らを足止めさせる。

アドリア海に沈もうとする夕日に、『ドブロブニク』の旧市街は
オレンジを背後にシルエットとして浮かび上がっていた。

『ドブロブニク』へ来る予定は当初なかったのだが、
ここに立ち、本当に来て良かったと心底実感する。

あんなに美しい夕日はそう滅多に見ることは出来ない。

数日続いた雨が、大気の不純物を洗い流したかのように、
澄んだ空気の中に浮かぶオレンジは静かに海へと沈んだ。

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街へと入りフラフラ自転車を走らせると、
一人のおばちゃんに声をかけられた。

この辺りではホテルに泊まるというよりは、
「SOBE」と呼ばれる民泊が主流なのだが、
その中でも2人で一泊25ユーロはかなり安い。

感じも良く親切で、設備も立地条件も良い。
「本当に運が良かった。」と、僕らは喜び、
結局そこのお宅に4泊することにした。

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『ドブロブニク』は15世紀にはラグーサ共和国として、
アドリア海の交易都市として栄え、大きく発展した。
中世の街並みが残る旧市街は世界遺産にも登録されており、
世界中から多くの観光客がひっきりなしに押し寄せる。

物価はボスニアと比べると倍近く高く、
待ち行く人の服装を見ても裕福そうな人が多い。

「アドリア海の真珠」とも称される街は素晴らしく、
コバルトブルーの海はどこまでも深く青い。
1979年に一度世界遺産に登録された『ドブロブニク』は、
1991年のクロアチア独立戦争の際には、独立を阻止する
旧ユーゴスラビア軍からの攻撃を受け、多大な被害を受けた。

情勢不安から住民人口も一時期は激減し、
「危機にさらされている世界遺産リスト」に挙げられたのだが、
独立後に復興が進み、1994年に再び世界遺産に登録された。

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「コンパクト」というよりは、城壁内に詰込まれた様な旧市街は
目抜き通りのプラツァ通りを中心に、中世の姿を今に残している。

複雑に絡む細い路地に入ると、方向感覚を完全に失い迷うのだが、
決して不安になる事はなく、余計に好奇心を刺激しながら、
更に旧市街の中を楽しみながら迷い歩かせるのだった。

そんな中世ヨーロッパの雰囲気に完全に呑まれた僕は、
奮発してビストロでシーフードリゾットとワインを注文した。

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街を囲む城壁に上り、一周4kmの城壁を歩いて周る事が出来る。

そして、この街に来たならば城壁を歩かなくてはいけない。

目に映る景色に対して言葉などは何も必要ないだろう。

感嘆のため息や驚きしか出てこない。

城壁の最も高い塔から街を見下ろすと、
旧市街はぎっしりと敷かれた朱い屋根のペーブメントに変わる。

その先にはどこまでも深く青いアドリア海に島々が浮かぶ。

全方向から刺激を与え続ける強力なインスピレーションからは、
ガード不可能な程、決して逃れられなく打ち続けられる。

感動に疲れた僕は、日が暮れるまで旧市街で時間を過ごしたのだった。

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↑「クロアチア」と、聞いてピンと来ない人も多いとは思いますが、
是非一度はここを訪れることを強くオススメします。
沢山の写真があるのですが、それは後程まとめて紹介します。
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コメント(2)