無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)/講談社
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人ならぬ妖、「ヒトデナシ」が存在するパラレルワールド日本を舞台としたミステリー。
シリーズ2作目です。

人の顔を奪い、周囲の人の存在認識も奪うヒトデナシ、「無貌」に顔を奪われた探偵、秋津と
その助手、古村望。

無貌がとらえられたという知らせを受け、夏原ホテル通称「夢境ホテル」へとやってくる。
このホテルには建物自体にヒトデナシがついており、
1年に1週間のみ、建物から招待された客が、現実とは違う夢の世界での1週間を過ごす。
そこには秋津を含め「三探偵」と呼ばれる御堂八雲、と近松独善、
手術をミスした医師、やくざに追われる詐欺師、認知症の老女、殺し屋、殺人関係の者を集める蒐集者などおかしな人間が集まる。
秋津はもう会うことのできない妻、その友人も同伴させる。

しかし夢の世界に入ると殺人事件が勃発する…。

夢の世界を生かした内容で、設定頼りといえばそうですが面白かった!
数十年前の事件との関連が徐々に明らかになり、
「これ」は「誰」だ?と自然に予想させられます。
互いの思いが理解できず、また伝わらずに起こってしまった悲劇。
どうしようもない嫌悪も紛れ込み、複雑な感情が交差します。


新登場のキャラクターもまた濃くて楽しいです。
特に御堂八雲さん。戯言シリーズの人類最強に見えてしかたなかった;;
強くてかっこいい女性です!
今回のキーパーソン、殺人鬼探偵近松独善は今後も登場してほしいです

そして秋津さんww
この人最終的に一番いいとことって、一番(切なくも)いい時間を過ごせてたので
最後の方まで読んで笑っちゃいました。

その点無貌はなんか今回あまり面白くなかったですね。
横から煽ろうとしてただけなんで、なんか小物臭がしました。

また夢境ホテルのヒトデナシ「明海」が見せる夢の世界の描写。
殺人事件のことがあるのでちょっと流してる感じもありましたが、
ここの水曜日は体験したいかも。息のできる水中でふらふら泳いでみたいですw

いろいろと今後も気になっていく人間関係が提示されていて、
次巻も楽しみです。

【無貌伝シリーズ 過去感想】
無貌伝~双児の子ら~

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