虎と月 (ミステリーYA!)/柳 広司
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中島敦先生の「山月記」の続編として書かれた小説です。

自らの才能に苦悩し、虎となった李徴。

彼の息子は、なぜ父が虎になったのか、

そして自分も虎になるのではないかという不安にとらわれ

虎になったという父を探し旅に出る…。

「虎になる」という意味をこう解釈するとは…。

驚きの展開が待っています。

李徴の残した詩に隠されていた謎。

「山月記」に似た幻想的な空気を残しながら、

独特の解釈が光ります。

あと漢詩の奥深さにびっくり。

たった一つの文字にここまで意味をもたらすカギを隠せるものなんですね。

また山月記を読み返す時、まったく違う目で読みそうです。

こまりましたね。関係ないのに。

でもそうであってほしいと思うほどに、素晴らしい「続編」でした。

泣けます。