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2013-01-09 00:00:00

iPS細胞から移植用シート、臨床研究本格化 東京女子医大の岡野光夫教授

テーマ:再生医療
 事故や病気で傷ついた臓器や組織を補う再生医療のひとつとして注目を集める細胞シート。患者本人の細胞を培養してシート状に加工して作るもので、東京女子医科大学は今年、iPS細胞から作った心臓の細胞シートを使った治療の開発に向け大阪大学などと共同研究を本格化させる。細胞シートの大量供給のための準備も進める。細胞シートの考案者で臨床研究をけん引する同大の岡野光夫教授に、細胞シートを使った再生医療の展望を聞いた。
■阪大と共同で動物治療研究
 ――今年の具体的な動きは。
 「ひとつは、大阪大学の澤芳樹教授のグループと、iPS細胞から作った心筋細胞を細胞シートにして、動物の治療を試みる。効果や安全性などを検討する。すでにヒトのiPS細胞から心筋細胞を作ることには成功しており、2年後をメドに計画している重症な心臓病患者への治療に向けて弾みをつける。」
 ――細胞シートの強みは。
 「細胞シートは再生医療を実現するためにはなくてはならない技術だと考えている。多くの細胞はあるていどまとまって機能するので、細胞をひとつひとつ移植してもうまく働かないものが多い。細胞同士がくっついた細胞シートは特殊な高分子を敷いた培養皿の上で細胞を増やし、さらにシート状に加工して取り出す。培地からはがすときに薬品などを使わずに温度変化ではがれる。薬品や物理的な衝撃で細胞の表面の膜たんぱく質などを壊さずに細胞を一定の塊のまま移植できるので、細胞の機能を温存できるのが強みだ。患部に貼ると、新しい細胞を補ったり治癒を促したりする効果があると考えている」
 ――ほかの臨床研究の計画や進捗状況は。
 「肺に穴が開いて空気が漏れ出る気胸と、真珠腫という病気について、臨床研究を始めたいと考えている。肺気胸では、患者の皮膚から取った細胞でシートを作って穴に貼る。女子医大の外科グループと組む。難聴などを引き起こす真珠腫性中耳炎では、東京慈恵会医科大学の耳鼻咽喉科と共同で、患部を手術で取り出した後に細胞シートを移植し、聴覚を温存できるようにする治療を試みる。シートは患者の鼻の粘膜の細胞から作る」
 「すでに、私たちと共同研究をしている企業の中には、実用化を見据えた動きも出ている。例えば、バイオベンチャーのセルシード(東京・新宿)は目の角膜の病気に細胞シートを使った治療を開発、フランスで臨床試験(治験)を終え、欧州での製造・販売の承認の取得を目指している。テルモも昨年2月から心臓病患者を対象に国内3つの病院で治験を始めた」
 ――昨年、日立製作所などと組んで細胞シートの全自動培養装置を開発した。その後の進展は。
 「細胞シートを使った再生医療を実現するためにシートの供給技術の整備も進んでいる。細胞シートの全自動培養装置は、国の最先端研究開発支援プログラム(FIRST)で日立や日本光電などと開発を進めてきており、技術的にはほぼ完成した。患者の口の粘膜や足の筋肉組織などから細胞を取り出し、必要な細胞を培養して増やし、シートにするなどの工程をすべて人手に頼らずにできる。各工程を担う装置を組み合わせることで、さまざまな組織を培養もできる。手作業でシートを作るときに必要な専用の部屋や技術者が不要になり、製造コストなどを大幅に下げられる。今年中に、動物での治療実験を進め、最終的な性能を確認する予定。そのあと人間の細胞で試験につなげる」
■日本から世界の病院に供給
――全自動装置を使うことで、どんな再生医療の姿を描いているのか。
 「新しい装置を設置した細胞工場に病院が患者から取りだした細胞を送ると、手術日までに細胞シートが作られて郵送で送り返される。日本の細胞工場で作ったシートを世界中の病院に供給する。日本発の技術で世界の患者を治したい。並行して細胞シートを使った治療ができる医師の養成も進めている。現在、欧米をはじめ、韓国・中国などから興味を持っている医師を受け入れて技術を教えている」
 「医療技術は医師と研究者が両輪で動いていかないと進歩しない。日本の有力大学や研究所は基礎研究が中心で論文を書くことが目標になっている。その結果、医療現場で使う医薬品や診断機器などの多くを輸入することになり、患者は世界標準の治療を受けようとすると高額の医療費がかかるようになってしまった。この状況を変えたい」
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG0701O_X00C13A1000000/?nbm=DGXNASGG06008_X00C13A1000000
PR
2012-10-27 00:00:00

臍帯血移植推進へ拠点病院 厚労省、iPS研究期待も

テーマ:再生医療
骨髄や赤ちゃんのへその緒の血液(臍帯血〈さいたいけつ〉)に含まれる造血幹細胞の移植治療を進めるため、厚生労働省は来年度から医療体制の整備を促す。実績を積んだ病院を拠点病院に指定し、人材を育て研究を支援する。臍帯血は質の高いiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作りやすく研究への利用も期待されており、管理する施設の技術向上を後押しする。
造血幹細胞は白血球や赤血球を作りだし、白血病や悪性リンパ腫の治療に使われる。ただ、移植には患者と提供者の型を合わせる必要があり、血縁関係ではない人同士で一致する確率は数百分の1から数万分の1とされる。一方、移植件数は2011年度で10年前の2.5倍の2378件に増え、環境整備が課題となっている。
厚労省は来年度予算の概算要求で今年度の3割増の24億円を要求。骨髄提供者の登録や臍帯血の保管を担うバンクの財政を支援するほか、現在、骨髄の採取や移植を実施している全国約170施設の中から拠点病院を10施設ほど指定。研究や教育を担うスタッフの人件費を補助する。
さらに、病状に適した移植を速やかに受けられるよう情報提供体制の整備も進める。骨髄、臍帯血、薬剤を使って血液中の細胞を増やすなど、採取方法によって回復の具合や治療法は異なる。過去の治療内容や提供者の情報の一元化を目指し、患者に合った治療法を選びやすくする。
臍帯血からは質のよいiPS細胞を作りやすく、バンクの臍帯血からiPS細胞をつくって再生医療に活用する構想がある。細胞数が少ないなど移植に用いられないものを使い、様々な型の細胞をそろえて多くの人に使えるようにする。バンクの体制整備は、こうした研究の下支えにもつながる。
(朝日新聞)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201210250230.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201210250230




今後さらに重要になってくると思われます。
2012-10-02 00:00:00

細胞バンクの計画相次ぐ 京大など、再生医療に備え

テーマ:再生医療
再生医療の治療に使う細胞をあらかじめ備蓄しておく「細胞バンク」の整備計画が相次いでいる。体のどんな組織にも育つiPS細胞や、様々な組織のもとになる細胞のうち、多くの人で拒絶反応を起こしにくい種類を取りそろえる。事故や病気の患者が来院してから、治療用の細胞を作り始めていては間に合わない場合がある。治療までの時間を短縮し、再生医療の普及を後押しする。
京都大学の山中伸弥教授は日本赤十字社と連携し、iPS細胞バンク作りに乗り出した。日赤がへその緒から採った臍帯血(さいたいけつ)をバンクとして保管している。この細胞を使ってiPS細胞を作る。
登録済みの臍帯血は白血球の型が分かっている。京大では白血球の型が異なるiPS細胞を数十種類用意すれば、日本人の約8割で使えるとみている。
従来、臍帯血は白血病患者への移植にのみ使う取り決めだったが、このほど厚生労働省の委員会でも再生医療への利用を容認した。
民間の歯髄細胞バンクを運営する再生医療推進機構(東京・中央)と板橋中央総合病院グループで臍帯血バンクを運営するアイル(東京・板橋)はこのほど事業提携した。
治療などから抜いた歯の根元にある歯髄や、臍帯血の細胞約1万細胞を3年以内に集め、日本人の約半数で問題なく利用できる細胞を備蓄。安全な細胞や組織に育て、難病治療に応用したい考え。
5年後には板橋中央総合病院内に細胞治療センターを設立する計画だ。再生医療推進機構は鶴見大学歯学部や岐阜大学との共同研究を続けている。iPS細胞を使った再生医療は2013年度にも人での臨床研究が始まる。
病気や事故で失った体の機能を取り戻せるとして期待を集めている。
再生医療では患者の細胞からiPS細胞を作り、目や神経の細胞などに育てて移植する想定だが、目的の組織などに育てるには半年程度かかる。適切な時期に治療を始めるためにも、あらかじめ安全な細胞を用意しておくバンクが求められる。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO46780220R01C12A0TJM000/




きちんとした基準を作り、それをクリアしたものだけを使うことが重要ですね。
2012-09-30 00:00:00

再生医療の全症例蓄積 iPS細胞など実用化後押し

テーマ:再生医療
厚生労働省は万能細胞であるiPS細胞などの技術を使った再生医療の実用化を後押しするため、患者の情報を蓄積するデータベースをつくる。再生医療で治療を受けたすべての患者を登録し、新しい治療法の研究や副作用の把握につなげる。国が主導して安全管理の体制を整えることで、医療機器メーカーなどの企業や大学が研究や開発をしやすくする。
再生医療は事故や病気で損なわれた組織や臓器の働きを回復させる技術として実用化が期待されている。国が薬事法に基づいて承認した再生医療の製品は人工軟骨と培養皮膚の2つ。重い心臓病や目の難病の治療など、臨床研究の段階に入っている技術も増えており、今後、医療現場で普及が進むとみられている。
再生医療は難病治療などで効果を見込める一方で、安全面では未知の部分も多い。厚労省は再生医療の実用化を加速させるには、早期に安全管理の体制を整備する必要があると判断した。
データベースは2013年度から構築し始め、15年度から患者情報を蓄積する。再生医療製品を開発した企業や、患者の治療にあたった病院がデータを日本再生医療学会に報告し、再生医療で治療を受けた国内すべての患者の症例を集める。
患者の年齢や性別、製品の使用量などの基本情報のほか、治療後の経過なども継続して蓄積する。個人を特定できないようにデータは匿名にする。集めた情報は独立行政法人、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が分析し、患者に副作用が発生していないかどうかや、副作用の発生確率も分かるようにする。
ベンチャー企業などは製品の開発後に治療の効果などの情報を把握し、管理するのは人員や費用の制約があり難しい。データベースがあれば、企業や研究者が安心して製品を開発しやすくなる。厚労省は副作用の少ない技術の開発に役立てることも期待している。
再生医療の臨床研究に関する新たな審査基準もつくる。実用化が見込める技術を研究する大学などを13年度から公募。PMDAの審査員を大学に派遣し、臨床研究の段階から知識を共有しながら基準をつくる。がんの発生率をどこまで抑えられれば実用化できるかといった数値や臨床試験(治験)に必要な人員数など、技術の承認に必要な基準を想定している。
再生医療は革新的な技術を扱うため、明確な承認基準がなければ、ほかの大学や企業の研究・開発が続かない恐れがあった。審査員と共同で基準をつくれば審査や承認の期間を短くできる。欧米の基準も参考にし、技術を開発した後に海外展開できるようにする。
▼再生医療 体のどんな細胞にも育つ万能細胞などをもとに、組織や臓器を補う新しい医療技術。生きた細胞を神経や臓器などの細胞に育て、機能を再生させる治療が可能になる。いまの臓器移植で課題となる提供者不足や拒絶反応などの解決が見込まれる。万能細胞の一つには、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作ったiPS細胞がある。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2602G_Z20C12A9MM0000/




今後の検証のために非常に重要だと思います。
2012-09-27 00:00:00

再生医療の実態把握推進 厚労省の専門家会議

テーマ:再生医療
厚生労働省は26日、損なわれた臓器や組織の機能を細胞などを使い補う再生医療の安全確保に関する専門家会議を開き、再生医療とうたって民間クリニックなどが実施している医療の実態把握を進めることで一致した。規制のあり方については来年夏をめどに報告書をまとめる。
会議は医学、薬学、法学、生命倫理の専門家と患者団体代表らが参加した。再生医療は、あらゆる細胞に変化するiPS細胞の活用などが見込まれている次世代の医療。難病治療などに期待が高まる一方で、研究途上の分野も多い。このため厚労省は再生医療を実施する病院を当面限定する方針で、薬事法の改正の必要性なども検討する。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2603V_W2A920C1CR8000/




科学的根拠のないへんてこりんなものに騙されて患者さんに被害が出る前になんとかして欲しいですね。
これのせいでちゃんとしてものが遅れてしまったら大変です。
2012-08-30 00:00:00

心筋梗塞で壊れた細胞、遺伝子注入し再生 慶大がマウス実験

テーマ:再生医療
慶応大学の福田恵一教授や家田真樹特任講師らの研究グループは、心筋梗塞を起こしたマウスの心臓に3つの遺伝子を入れて、心筋細胞を再生させる実験に成功した。iPS細胞から作った心筋細胞を移植するよりも、患者の体への負担が少なく安全性も高いとして、新しい再生医療技術としての応用を目指す。論文が29日、米科学誌「サーキュレーション・リサーチ(電子版)」に掲載される。
心筋梗塞を発症すると、血が流れなくなった心筋細胞は壊れてしまい、線維芽細胞という動かない細胞に置き換わってしまう。そのために、心臓のポンプとしての働きが悪くなる。
実験では、人工的に心筋梗塞を起こしたマウスの線維芽細胞に「Gata4」など心筋細胞を作り出す遺伝子3つを1つにつなげて導入。約2週間で一部の細胞が心筋細胞に変化した。従来の3つの遺伝子を別々に入れる方法より2倍効率よく成熟した心筋細胞に育った。
今回はマウスの胸を切り開いて注射器で遺伝子を入れた。将来、治療応用する場合は、心臓まで細い管(カテーテル)を使って遺伝子を届ける手法を想定している。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2803U_Y2A820C1CR8000/

移植せず心筋再生へ 慶大チーム、マウスの心臓で成功
慶応大の研究チームは、心筋梗塞(こうそく)を起こしたマウスの心臓で、心筋細胞でない細胞を心筋細胞に変えることに成功した。細胞を移植せずに、失われた心筋を補う新たな再生医療の開発につながる可能性がある。29日、米専門誌に発表する。
心臓は3割が心筋細胞で、心筋以外の細胞が7割ある。チームの家田真樹特任講師らは、人工的に合成した三つの遺伝子のセットを心筋ではない細胞に入れて、心筋細胞を作る方法を開発。その方法を使い、生きているマウスの心臓の中で心筋以外の細胞を心筋細胞にすることができた。
海外でも報告例があるが、慶応大のチームは、三つの遺伝子を同時に細胞に入れる工夫をし、心筋に変える効率を高めた。心筋に変わる効率は1%以下で、症状の改善まではいかなかったが、研究を進めて失われた心筋を取り戻す方法を開発したいとしている。
皮膚の細胞などからiPS(人工多能性幹)細胞を作り、それをさらに心筋細胞にして移植する研究が進められている。だが、移植した細胞の一部しか働かず、がん化の恐れがあるなどの課題がある。そうした課題を克服するために、チームはiPS細胞を介さずに直接、目的の細胞に変える方法を開発した。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/science/update/0829/TKY201208280796.html




おもしろいですね~

論文はこちら。

Circulation Research Published online before print August 28, 20
Induction of Cardiomyocyte-like Cells in Infarct Hearts by Gene Transfer of Gata4, Mef2c, and Tbx5
Kohei Inagawa, Kazutaka Miyamoto, Hiroyuki Yamakawa, Naoto Muraoka, Taketaro Sadahiro, Tomohiko Umei, Rie Wada, Yoshinori Katsumata, Ruri Kaneda, Koji Nakade, Chitose Kurihara, Yuichi Obata, Koichi Miyake, Keiichi Fukuda and Masaki Ieda
http://circres.ahajournals.org/content/early/2012/08/28/CIRCRESAHA.112.271148.abstract

Rationale: After myocardial infarction (MI), massive cell death in the myocardium initiates fibrosis and scar formation, leading to heart failure. We recently found that a combination of three cardiac transcription factors, Gata4, Mef2c, and Tbx5 (GMT), reprograms fibroblasts directly into functional cardiomyocytes in vitro.
Objective: To investigate whether viral gene transfer of GMT into infarcted hearts induces cardiomyocyte generation.
Methods and Results: Coronary artery ligation was employed to generate MI in mouse. In vitro transduction of GMT retrovirus converted cardiac fibroblasts from the infarct region into cardiomyocyte-like cells with cardiac-specific gene expression and sarcomeric structures. Injection of the green fluorescent protein (GFP) retrovirus into mouse hearts, immediately after MI, infected only proliferating non-cardiomyocytes, mainly fibroblasts, in the infarct region. The GFP expression diminished after 2 weeks in immunocompetent mice, but remained stable for 3 months in immunosuppressed mice in which cardiac induction did not happen. In contrast, injection of GMT retrovirus into α-myosin heavy chain (αMHC)-GFP transgenic mouse hearts induced the expression of αMHC-GFP, a marker of cardiomyocytes, in 3% of virus-infected cells after 1 week. A pooled GMT injection into the immunosuppressed mouse hearts induced cardiac marker expression in retrovirus-infected cells within 2 weeks, although few cells showed striated muscle structures. To transduce GMT efficiently in vivo, we generated a polycistronic retrovirus expressing GMT separated by 2A "self-cleaving" peptides (3F2A). The 3F2A-induced cardiomyocyte-like cells in fibrotic tissue expressed sarcomeric α-actinin and cardiac troponin T, and had clear cross striations. Quantitative RT-PCR also demonstrated that FACS-sorted 3F2A-transduced cells expressed cardiac-specific genes.
Conclusions: GMT gene transfer induced cardiomyocyte-like cells in infarcted hearts.
2012-08-10 00:00:00

慶大、線維芽細胞から血小板-iPS使わず短期間で

テーマ:再生医療
慶応義塾大学医学部臨床検査医学の松原由美子特任講師らの研究グループは9日、皮膚にある線維芽細胞に三つの遺伝子を導入して、ヒトの血小板を作製することに成功したと発表した。
iPS細胞(万能細胞)を利用しないため、腫瘍化のリスクを抑え短期間で作製できるという。現在、血小板の輸血は献血に頼っているが、より安定した血小板の供給体制の実現につながる可能性があるという。
研究グループは、線維芽細胞が、採取時の負担が少ない上、試験管内で短期間に増やすことができるという利点があることから、血小板作製の細胞源として利用できないか検討した。線維芽細胞を血小板へと転換するための遺伝子を探索したところ、三つの特定の遺伝子を組み合わせて、線維芽細胞に導入すると、血小板を作製できることが分かった。
(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120810eaad.html

皮膚の細胞から血小板 輸血への利用に期待
慶応大医学部などのチームは10日までに、人間やマウスの皮膚に含まれる線維芽細胞に3つの遺伝子を組み込み、血液の成分である血小板をつくることに成功した。
米血液学会誌「ブラッド」の速報版に掲載された。さまざまな細胞に成長できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を皮膚の細胞からつくり、血小板に成長させると50日以上かかるが、今回の方法ではiPS細胞を経由せず、17日でできるという。
輸血用血小板は献血に頼り、保存期間も4日と短いため、安定供給が課題となっている。今回の方法は増殖力の高い線維芽細胞から効率よく血小板をつくるもので、遺伝子を入れた細胞の凍結保存も可能。安全性が確かめられれば、血小板の新しい供給源になると期待される。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120810/scn12081014570001-n1.htm




ダイレクトリプログラミングの成果が次々と出ています。

論文はこちら。

Blood blood-2012-02-413617; published ahead of print July 31, 2012, doi:10.1182/blood-2012-02-413617
Induction of functional platelets from mouse and human fibroblasts by p45NF-E2/Maf
Yukako Ono, Yuhuan Wang, Hidenori Suzuki, Shinichiro Okamoto, Yasuo Ikeda, Mitsuru Murata, Mortimer Poncz, and Yumiko Matsubara
http://bloodjournal.hematologylibrary.org/content/early/2012/07/31/blood-2012-02-413617.abstract

Determinant factors leading from stem cells to megakaryocytes (MKs) and subsequently platelets have yet to be identified. We now report that a combination of p45NF-E2, Maf G, and Maf K can convert mouse fibroblast 3T3 cells and adult human dermal fibroblasts (HDFs) into MKs. To screen MK-inducing factors, gene expressions were compared between 3T3 cells that do not differentiate into MKs and 3T3-L1 cells known to differentiate into MKs. 3T3 cells transfected with candidate factors were cultured in a defined MK lineage induction (MKLI) medium. Among the tested factors, transfection with p45NF-E2/MafG/MafK lead to the highest frequency of CD41-positive cells. Adult HDFs transfected with these genes were cultured in MKLI medium. Cultured cells had megakaryocytic features, including surface markers, ploidy, and morphology. More than 90% of MK-sized cells expressed CD41, designated induced MK (iMK). Infusion of these iMK cells into immunodeficient mice led to a time-dependent appearance of CD41-positive, platelet-sized particles. Blood samples from iMK-infused into thrombocytopenic immunodeficient mice were perfused on collagen-coated chip, and human CD41-positive platelets were incorporated into thrombi on the chip demonstrating their functionality. These findings demonstrate that a combination of p45NF-E2, Maf G, and Maf K is a key determinant of both megakaryopoiesis and thrombopoiesis.
2012-04-20 00:00:00

心筋細胞へ直接転換で治療=急性心筋梗塞マウスで初成功-患者で実現期待・米研究所

テーマ:再生医療
急性心筋梗塞を起こした状態のマウスの心臓に3種類の遺伝子を注入し、心臓組織の7割を占める線維芽細胞をポンプ機能を担う心筋細胞に転換することで症状を改善したと、米グラッドストーン研究所のディーパック・スリバスタバ博士らが18日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。ヒトでこの方法を実現できれば、心筋梗塞や拡張型心筋症の治療に役立つと期待される。
線維芽細胞を万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)に変えることなく、3遺伝子導入で直接心筋細胞に転換する方法は、2010年に同博士の研究チームに所属していた家田真樹慶応大医学部特任講師らが開発し、「誘導心筋(iCM)細胞」と名付けた。当時は試験管内の実験だったが、今回は生きたマウスの心臓内で直接転換に初めて成功した。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012041900043




こちらです。

Nature (2012) doi:10.1038/nature11044
Received 22 March 2011 Accepted 14 March 2012 Published online 18 April 2012
In vivo reprogramming of murine cardiac fibroblasts into induced cardiomyocytes
Li Qian, Yu Huang, C. Ian Spencer, Amy Foley, Vasanth Vedantham, Lei Liu, Simon J. Conway, Ji-dong Fu & Deepak Srivastava
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11044.html

The reprogramming of adult cells into pluripotent cells or directly into alternative adult cell types holds great promise for regenerative medicine. We reported previously that cardiac fibroblasts, which represent 50% of the cells in the mammalian heart, can be directly reprogrammed to adult cardiomyocyte-like cells in vitro by the addition of Gata4, Mef2c and Tbx5 (GMT). Here we use genetic lineage tracing to show that resident non-myocytes in the murine heart can be reprogrammed into cardiomyocyte-like cells in vivo by local delivery of GMT after coronary ligation. Induced cardiomyocytes became binucleate, assembled sarcomeres and had cardiomyocyte-like gene expression. Analysis of single cells revealed ventricular cardiomyocyte-like action potentials, beating upon electrical stimulation, and evidence of electrical coupling. In vivo delivery of GMT decreased infarct size and modestly attenuated cardiac dysfunction up to 3 months after coronary ligation. Delivery of the pro-angiogenic and fibroblast-activating peptide, thymosin β4, along with GMT, resulted in further improvements in scar area and cardiac function. These findings demonstrate that cardiac fibroblasts can be reprogrammed into cardiomyocyte-like cells in their native environment for potential regenerative purposes.

ダイレクトリプログラミングもどんどん進みますねぇ~
2012-03-29 00:00:00

2週間余で神経幹細胞=皮膚細胞から直接作製-脊髄損傷治療へ前進・慶大

テーマ:再生医療
マウスやヒトの皮膚細胞を2~3週間弱で神経のもとの幹細胞に直接変えたと、慶応大医学部の赤松和土講師や岡野栄之教授らが28日付の米科学誌ステム・セルズ電子版に発表した。
ヒトの皮膚細胞を人工多能性幹細胞(iPS細胞)に変えてから神経幹細胞にする場合は2~6カ月かかる。マウスでは従来の直接作製法に比べ、より有効で安全性が高いことが確認され、脊髄損傷や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の再生医療実現に前進した。
赤松講師らは、大人や成体マウスの皮膚細胞に、iPS細胞を作る時と同様に4遺伝子を導入して培養。その後、培養液に「EGF」というたんぱく質を加えつつ、iPS細胞作製に必要なたんぱく質を抜くことで、神経幹細胞に直接変えた。
マウスでできた神経幹細胞は、神経細胞のほか、神経細胞の周囲で支援するグリア細胞を多く生み出すことが判明。脳に移植して2カ月間観察した結果、腫瘍ができることなく生着していた。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201203/2012032900016

神経幹細胞:皮膚から直接作成…iPSより早く 慶応大
ヒトの皮膚細胞から直接、神経のもとになる細胞(幹細胞)を作ることに、慶応大の赤松和土講師と岡野栄之教授が成功した。さまざまな組織になる能力を持った人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作って神経幹細胞に分化させる方法では半年かかるが、約2週間に短縮でき、安全性も高い。脊髄(せきずい)損傷患者への治療に応用できる可能性が広がるという。28日付の米誌「ステム・セルズ」(電子版)に論文が掲載された。
岡野教授らはiPS細胞作成に必要な4種類の遺伝子を皮膚細胞に入れ、培養に使う物質を7日後から3日間だけ別の物質に切り替えることで神経幹細胞を作った。
これまでに、iPS細胞から作った神経幹細胞を、人為的に脊髄を傷つけて歩けなくしたマウスなどに一定期間後に移植し、歩けるようになることを確認している。効果が見込める移植時期はマウスの場合7~10日後、ヒトは2~4週間後とみられる。従来は神経幹細胞作成に半年かかったため、あらかじめ他人の細胞で作ったiPS細胞や神経幹細胞を用意しておく「細胞バンク」が不可欠とされた。今回の手法ならバンクは不要で、拒絶反応のない自分の細胞を使える利点もある。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/health/medical/news/20120329k0000e040155000c.html




こちらです。

Stem Cells Accepted manuscript online: 29 MAR 2012
Neural Stem Cells Directly Differentiated from Partially Reprogrammed Fibroblasts Rapidly Acquire Gliogenic Competency
Takeshi Matsui, Morito Takano, Kenji Yoshida, Soichiro Ono, Chikako Fujisaki, Yumi Matsuzaki, Yoshiaki Toyama, Masaya Nakamura, Hideyuki Okano and Wado Akamatsu
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/stem.1091/abstract

Neural stem cells (NSCs) were directly induced from mouse fibroblasts using four reprogramming factors (Oct4, Sox2, Klf4, and cMyc) without the clonal isolation of iPSCs. These NSCs gave rise to both neurons and glial cells even at early passages, while early NSCs derived from clonal ESCs/iPSCs differentiated mainly into neurons. EGF-dependent neurosphere cultivation efficiently propagated these gliogenic NSCs and eliminated residual pluripotent cells that could form teratomas in vivo. We concluded that these directly induced NSCs were derived from partially reprogrammed cells, because dissociated ESCs/iPSCs did not form neurospheres in this culture condition. These NSCs differentiated into both neurons and glial cells in vivo after being transplanted intracranially into mouse striatum. NSCs could also be directly induced from adult human fibroblasts. The direct differentiation of partially reprogrammed cells may be useful for rapidly preparing NSCs with a strongly reduced propensity for tumorigenesis.

Cell Stem Cellでも同様な報告が複数報告されましたね。
2012-01-05 00:00:00

耳・目・歯、さらば老化 細胞移植や半導体技術で再生  高齢化に克つ

テーマ:再生医療
技術で創る未来
 年をとれば体の衰えは免れない。生活の質を保つのに重要な視力、聴力、かむ力などは40~50歳代から低下し始める例も少なくない。従来は眼鏡や入れ歯などで機能を代替してきたが、「再生医療」の登場で老化で損なわれた臓器や組織を根本から回復させることも夢物語ではなくなりつつある。新型万能細胞(iPS細胞)を使った目の難病治療が2年後にも始まる。再生医療で日本が世界をリードする期待も高まっている。

 京都大学病院の臨床研究棟の一室。耳鼻咽喉科・頭頸(けい)部外科学の医師らが昼夜を分かたず顕微鏡をのぞき込んでいる。見ているのは、山中伸弥教授が世界に先駆けて作ったiPS細胞から育てた耳の細胞だ。同科を率いる伊藤寿一教授は「iPS細胞は医療を大きく変える可能性を秘めている」と強調する。

 高齢者の多くが発症する老人性難聴は、音を電気信号に変えて脳に伝える内耳の有毛細胞や神経細胞などが傷つく。同教授と中川隆之講師らは、いったん難聴になったら諦めざるを得なかった聴覚回復に向け、動物実験を重ねている。すでにiPS細胞から神経のもととなる細胞を作ってモルモットに移植し、耳で働く聴神経細胞に成長させることに成功。iPS細胞とほぼ同等とされる胚性幹細胞(ES細胞)から作った聴神経をサルに移植し、難聴を改善することもできた。

■患者の細胞使い免疫拒絶クリア
 「難聴患者自身の細胞からiPS細胞を作れば免疫拒絶の問題もない。生活の質を格段に上げる治療法として数年内に人に応用したい」と伊藤教授は意気込む。

 iPS細胞の臨床応用では、理化学研究所(神戸市)の高橋政代チームリーダーらが日本の先頭を走る。対象としているのは目の難病である加齢黄斑変性。目の血管が異常に増えて網膜の細胞などを傷つける。失明にもつながる病気で、高齢者で増えている。

 治療法はこうだ。まず患者の皮膚細胞からiPS細胞を作製。次に目の「網膜色素上皮細胞」を作り、数ミリメートル四方のシートにする。これを患者の傷んだ細胞と置き換える移植手術をする。2012年度に厚生労働省に臨床研究の申請をし、13年度にも実施する。

 入れ歯などに頼っていた歯の治療も変貌しそうだ。「歯が抜けても平気な時代がやってくる」と話すのは東京理科大学の辻孝教授。大塚ホールディングスグループと組み、歯そのものの再生に取り組む。マウス段階だが、体内で歯を作り歯茎に移植して定着させた。

 この方法なら比較的短い時間でかむ力に耐える強い歯が再生できる。人に応用すれば、歯科医師らが推奨する「80歳で自分の歯を20本以上保つ」どころか、すべて自分の歯で硬いものも毎日食べられる生活が送れるかもしれない。

■読書できる視力の回復目指す
 一方、目の機能回復には日本が磨いてきた半導体技術が生かされている。奈良先端科学技術大学院大学の太田淳教授と大阪大学のチームは、半導体を組み込んだ小型チップの人工視覚装置を試作、ウサギなどに移植し効果を確認している。

 この装置は数ミリメートル四方の曲がる基板上に0.5ミリメートル四方の電極を9個載せた構造。電極が光を受けると電気信号で網膜を刺激し、視覚を再現する。「読書ができるまでに視力を回復させたい」と話す太田教授は、広い視野実現につながる電極1000個の基板作製を次の目標に掲げている。

 エレクトロニクス企業も力を注ぐ。パナソニックは難聴者の聴覚特性に合わせ、補聴器の音量や周波数を調節できる技術を開発した。補聴器の音量を正確に調整するには、難聴者の許容できる音量の上限値を測定する必要がある。これは難聴者に不快な大きな音を出して測定していたため、ストレスが大きかった。

 新技術では、電車内の騒音程度の音量で測定可能だ。同社は臨床試験を重ね15年に音量自動調整システムとして実用化を目指す。

 11年度の介護サービスの利用者数は、在宅介護が1日当たり304万人、施設介護が同123万人。団塊の世代全員が75歳以上になる25年度にはともに約1.5倍に跳ね上がると国は予想している。再生医療技術で健康な体を保つことができれば、働く高齢者が増え、要介護者数や費用負担も減る。社会全体が活性化する期待も膨らむ。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A90889DE1E5E5E7EBEAE5E2E2E6E2E3E0E2E3E0EBE2E781E2E2;p=9694E0E7E3E3E0E2E3E3E7E1E5EB
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A90889DE1E5E5E7EBEAE5E2E2E6E2E3E0E2E3E0EBE2E781E2E2;df=2;p=9694E0E7E3E3E0E2E3E3E7E1E5EB




若干題名が派手ですが、夢が膨らみますね(笑)

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