蹴球中毒な男の独り言日記-バルサ偏愛的バルサ備忘録

フットボールに魅了され、フットボール中毒に侵され、フットボールなしでは生きていけない男のフットボール的な日常についての独り言と備忘録です。愛するFCバルセロナの応援を中心に書いています。バルサのソシオなので、かなりのバルサ偏愛者です。

$蹴球中毒な男の独り言日記  -バルサ偏愛的バルサ備忘録--FCB Escudo.jpg

          UEFA "5 Stars" Stadium
          UEFA "4 Stars" Stadium
          Barça "El Dream Team"
          Fútbol Club Barcelona
          EURO 2008 ¡Campeones!
          ¡Felicita al Barça por el Triplete!
          Copa Mundial 2010 ¡Campeones!
          EL CLÁSICO (2014年03月25日更新)
          La 4ª Champions (Wembley 2011)
          CENS2012(ソシオの国勢調査更新)という書類への対応


テーマ:
Liga Española 2013-14  1a División (Liga BBVA)

Jornada 34 (20/04/2014, Domingo - 21:00)

Estadio: Camp Nou. (Barcelona)  57,090 espectadores.

Jornada 34

Futbol Club Barcelona 2-1 Athletic Club

FC Barcelona: 4-3-3.
 Entrenador: Gerardo "Tata" Martino. (Argentina)
 13 Pinto;
 22 Dani Alves, 15 Bartra, 14 Mascerano, 21 Adriano;
 6 Xavi [C] (4 Fàbregas, m.70), 17 A.Song, 8 A.Iniesta;
 9 Alexis (20 Tello, m.87), 10 Messi y 7 Pedro.

Athletic Club: 4-2-3-1.
 Entrenador: Ernesto Valverde.
 1 Iraizoz [C];
 10 De Marcos, 6 San José, 4 Laporte, 24 Balenziaga;
 8 Iturraspe (7 Beñat, m.83), 5 Erik Morán (17 Mikel Rico, m.64);
 14 Susaeta (2 Toquero, m.86), 21 Ander Herrera, 19 Muniain;
 20 Aduriz.

Goles:
 0-1, m.50: Aduriz
 1-1, m.72: Pedro.
 2-1, m.74: Messi.

Árbitro:
 Juan Martínez Munuera. (Comité Valenciano)

Tarjeta Amarilla:
 FC Barcelona: Bartra (m.21) y Pedro (m.79).
 Athletic Club: Iturraspe (m.07), Ander Herrera (m.71) y De Marcos (m.74).

Incidencias:
 57.090 espectadores en el Camp Nou.





 我らがバルサはヘラルド・“タタ”・マルティーノに率いられ、今シーズンのリーガでは第33節を終了し、最終節の第38節まで5試合(15pts.)を残して25勝3分5敗の78pts.で、首位のアトレティコ・マドリーとは━━第34節を18日(金)に開催、グラナダに勝利している━━暫定7pts.差、2位のレアル・マドリーとは1pts.差で3位となっている。


 チャンピオンズリーグでは、7シーズン連続でのセミファイナル進出に向けて戦ったアトレティコとの1/4Finalではカンプ・ノウで勝ち切れず、ビセンテ・カルデロンで敗れたために180分を勝ち抜くとこが出来ず、7シーズンぶりにベスト8でチャンピオンズにアディオスとなった。2シーズンぶりに勝ち進んだコパ・デル・レイのFinalでは、3シーズンぶり7度目となるFinalでのコパ・クラシコで27度目のコパ獲得を目論んだが、マドリーに1-2で敗れて9日(水)から16日(水)の僅か8日間で偉大な大成功のトリプレッテ、大成功のドブレッテを失った。成功となるリーガが残されているものの、自力優勝がない現状を考えれば、久方ぶりの無冠となる可能性が高い。


 残り5試合のカレンダーを見ると、1位のアトレティコはバレンシア(第35節)、レバンテ(第36節)、そして最終節はバルサ戦とフエラでのゲームを3つ残している。同様に2位のマドリーはバジャドリー(第34節(5月に延期開催))、セルタ(第37節)との2つのフエラ戦を残している。そして3位のバルサはビジャレアル(第35節)、エルチェ(第37節)と2度のバレンシア州への遠征を残している。


 順位表の数字の上では、アトレティコが第37節までの3試合(9pts.)でひとつのエンパテを挟めば85pts.が92pts.になって最終節を迎える。そして78pts.のバルサが4連勝で90pts.で最終節を迎えることが出来れば直接対決で93pts.に引っ繰り返して逆転は可能だ。ただし、これはバルサがアトレティコを上回る算段であり、79pts.のマドリーが5連勝すれば彼らが94pts.となり、バルサとアトレティコをかわしてタイトルを持ち去ることになる。しかし、マドリーもひとつでもエンパテで2pts.を取り溢せば92pts.でシーズンを終え、バルサが上回ることが可能だ。何よりアトレティコが第37節まで3連勝ならば数字上の論理も意味はない。


 ただ、アトレティコもマドリーもチャンピオンズリーグ1/2Finalがある。アトレティコはチェルシーFCとの初戦の4日前にエルチェ戦(カサ)、ビセンテ・カルデロンでのチェルシー戦の5日後にバレンシア戦(フエラ)、バレンシア戦の3日後にロンドンでのチェルシーとの折り返し戦、ロンドン遠征の4日後にレバンテ戦(フエラ)だ。マドリーはFCバイエルン・ミュンヘンとの初戦の7日前にバルサとのコパFinal(中立地)、サンティアゴ・ベルナベウでのバイエルン戦の3日後にオサスナ戦(カサ)、オサスナ戦の3日後にミュンヘンでのバイエルンとの折り返し戦、ミュンヘン遠征の5日後にバレンシア戦(カサ)と過密日程だ。


 順位表上の論理では、バルサは自力優勝を失って━━更にサイクルの終焉を迎えてチームを取り巻く環境は劣悪の部類となったものの━━リーガだけだが、アトレティコはリーガとチャンピオンズを、マドリーは既に獲得したコパを含めた3つを追う。バルサはカレンダーに余裕が生まれた分を目の前の一戦に集中して注ぎ込まなければならないが、それは今シーズンのタイトルのためというより今シーズンを少しでも悪くない形で終えるためのものだ。冷たく言い放てば悪足掻きだが、ファンが諦めようとプロフェッショナルである以上は意地を見せてほしいものだ。


 激動の2013-14シーズンも残り5試合だ。78pts.をどこまで伸ばせるか、78pts.のままでも━━現在4位のアスレティックが62pts.のため━━3位は維持出来、2014-15シーズンのチャンピオンズリーグ出場権は確保可能だ。ただ、クラブ以上の存在として、その低い目標はあまりに情けない。可能性は低いとはいえ逆転優勝という結果が今のチームを肯定するとしても、もはや今のままでいられるほどの説得力はない。チームの変革を免れない以上、今のチームのサイクルの終焉を少しでも素敵な形で迎えるべきだし、エピローグは劇的なものであるべきだ。それが逆転優勝でない、としても。


 先発メンバー


 ヘラルド・“タタ”・マルティーノはポルテーロにピント、デフェンサは右ラテラルにダニ・アウベス、右セントラルにバルトラ、左セントラルにマスチェラーノ、左ラテラルにアドリアーノの4人を配し、セントロカンピスタは右インテリオールにチャビ、ピボーテにアレックス・ソング、左インテリオールにアンドレス・イニエスタのトリアングロ、トリデンテは右エストレーモにアレクシス、偽の9番にメッシ、左エストレーモにペドロの11人を送り出した。


 ベンチにはポルテーロのオイエル、デフェンサのモントーヤ、セルジ・ゴメス(バルサBのセントラル)、セントロカンピスタのセスク・ファブレガス、アフェライ、セルジ・ロベルト、デランテーロのテージョの7人が控えた。『SPORT』は"Con Messi, Alexis y Pedro, a por los 'leones' "とメッシ、アレクシス、ペドロのオーソドックスなトリデンテ起用を報じた。


 なお、苦しい台所事情だが、その内訳はセルヒオ・ブスケツ(累積警告による出場停止)、ビクトル・バルデス(右膝前十字靭帯断絶)、ジェラール・ピケ(右臀部骨盤亀裂)、ジョルディ・アルバ(右大腿二頭筋肉離れ)、ネイマール・ジュニア(左足第4中足骨の浮腫)、ジョナタン・ドス・サントス(右膝前十字靭帯断絶)、イサアク・クエンカ(左大腿二頭筋肉離れ)となっている。


 日曜日の21時キックオフという事情があったとはいえカンプ・ノウは空席が目立った。開始日時によるものというよりは、9日(水)からの魔の1週間でチャンピオンズとコパを失ったことによるものだろう。それでもクレーは━━全てがチームを後押しするためではなく、何かあればパニョラーダを行なうことが目的もいて当然か━━57,090人が詰め掛けている。気温16℃湿度72%の気象環境の中、スリリングな4月を自力優勝の可能性が絶たれたリーガだけを追って戦うのが些か寂しくもあるが、それが今シーズンのバルサだ。ひとつのサイクルを終えて、新しいサイクルを始めるためにも意地を見せてもらいたいものだ。


 北側エンドのバルサのキックオフで開始された前半、バルサはいつもの(1-)4-3-3だ。バルサのビルドアップに対してアスレティックは(1-)4-2-3-1の布陣のメディアプンタのアンデル・エレーラがプンタのアドゥリスと横関係になった(1-)4-4-2に布陣をセットして前からプレスを仕掛けてきた。エルネスト・バルベルデ率いるバスクのライオンは立ち上がりからアグレッシブであり、セントラルのサン・ホセとラポルテがラインを高く押し上げて中盤を前へ押し出し、ドブレ・ピボーテのイトゥラスペとエリク・モランがチャビとイニエスタから離れず、マッチアップしていないソングにボールを持つことを誘発させてきた。




 バルトラとマスチェラーノはアドゥリスとアンデル・エレーラに数的同位を作られるとピントを含めた3対2でどうにかボールを運ぼうとするも、アウベスにはムニアイン、アドリアーノにはスサエタがピタリと張り付いてボールを受けることを拒ませ、チャビにはエリク・モラン、イニエスタにはイトゥラスペが張り付き、更にはアレクシスにはバレンシアガ、ペドロにはデ・マルコスが張り付いてボールの受け手を抑えられた。この状況でソングがセントラルに間に下りてどうにか起点となろうするも、それぞれのパスコースが抑えられているためにソングは出し所に困ってドリブルでボールを運ぶ場面を強いられた。




 プレー方法は違ってきているとはいえ、2011-12シーズンからマルセロ・ビエルサの下で培ったバスクスタイルからの脱却は活きていて、担当するゾーンに張り付いてエリアを固めるのではなく、担当するマークの選手についていって積極的なアプローチでボールを奪い取ろうとする姿勢はビエルサ時代とあまり変わらない。ただ無理にゾーンから離れてチームのバランスを崩すことは避けているのがバルベルデのやり方で、4-2-3-1でも4-4-2でもコンパクトな布陣を維持しつつのボール狩りだ。


 ボールフォルダーへの寄せは速く、ボールを持った選手の背中にピタリと張り付いてボールを狙ってくるのは激しくプレー・インテンシティが高い。個人の局地戦で負けてもそれを組織的に補完してピッチ全体へ拡げないために前の6人は非常にコンパクトであり、4-4-2でボールを奪えなかった時は敵陣でのボール狩りに固執せずに自陣へ戻ってコンパクトな4-5-1の守備ブロックを敷いてバルサにスペースを与えないようにしてきた。チャビとイニエスタ周辺にはドブレ・ピボーテにメディアプンタが下りて3枚で密集地帯を作って前方へのパスコースを遮断、ボールを失わないように後方に戻してやり直しを図るも、この日はやり直ししてもボールが巧く循環しなかった。


 ピッチの選手たちは否定するだろうが、バルサは3連敗とそれによりチャンピオンズとコパを失って傷ついて自信を喪失している。それでいて本来のメンバーでない状態でのビルドアップは厳しく、アスレティックに狙われてしまった。ピントへバックパスでボールを戻した時には顕著で、フィールドプレーヤー並みの足元の技術を持つバルデスとは差があるピントに対してプレッシャーを掛けて両セントラルへのパスコースを消去することでタッチライン際へ長いボールを蹴らせられた。このミドルレンジのキックにバルデス程の精度がないピントから放たれたボールは繋がらず、前を向いて空中戦を挑むアスレティックに悉く奪われた。


 そして守備面で最初の守備者としてプレスやパスコースの限定、更にはプレスバックで貢献するアドゥリスが厭らしく、バルサ陣内にせよアスレティック陣内にせよ奪われたボールはアドゥリス目掛けて送り込まれ、空中戦とポストプレーに秀でたサン・セバスティアン出身のデランテーロはバルサ陣内で厭らしくボールを受け、後方からの攻撃参加の時間を作り出したり、自らサイドへ流れて持ち出したりしてバルサの守備を揺さぶってきた。


 実際に8分過ぎには、自陣をショートパスで持ち運んでハーフウェイラインが近づいて前掛かりになった途端のソングにボールが入ったところをアンデル・エレーラに引っ掛けられて奪われると一気に逆境となり、エレーラから右方向へ流れてマスチェラーノの横のスペースへ走り込むアドゥリスへスルーパスを送り込まれてしまった。ペナルティエリア内でボールを受けたアドゥリスはそのまま右足シュートを放ってピントを強襲した。ソングはセントラルの間へ下りて起点となるのは良かったが、自身が囮になって周囲にプレーする場所や時間を作ることは少なかった。それでいて窮屈な状態ではボール離れが悪く狙われてしまった。


 アスレティックはアグレッシブな立ち上がりを見せる一方で、バルサも防戦一方ではなかった。確かに自陣をショートパスで繋いで抜け出すことは難しく長いボールを使ってしばしば空中戦でボールを失う場面もあったが、自陣で無理に繋いでボールを奪われて失点を喫することの回避方法としては長めのボールもやむを得ない。ただ、もうすこしピッチの横幅を使ったプレーがあればよかった。チャビとイニエスタが中央でイトゥラスペ、アンデル・エレーラ、エリク・モランを寄せているためにスサエタとムニアインも中央寄りで絞らざるを得ず、アウベスとアドリアーノにはビルドアップでピッチを横方向へ広く拡げる動きがあってもよかった。






 しかし、12分過ぎには中盤へ下りたメッシがボールを受けると左斜め方向へドリブル、ラインを下げずにエリアを狭めて対処する守備ブロックに対して左エストレーモのペドロがプルアウェイからデフェンサの背後へ潜り込んでメッシからのスルーパスを引き出した。ディアゴナルに進入したペドロはスピードに乗ったままダイレクトの右足シュートで逆サイドを狙うが、イライソスにキャッチされてしまった。ペドロであれば、ロスカではなくバセリーナの選択も出来たことを考えると残念な場面だった。




 13分過ぎにはソング、イニエスタ、ペドロと素早く繋いだところでメッシがデフェンサの背後へと抜け出してイライソスと1対1を迎えるも左足シュートは精度を欠き、横方向へのセーブでコーナーキックへと逃れられてしまった。1分前のペドロ同様にバセリーナの選択肢があっただけに残念ではあった。


 シーズン終盤とはいえ、久しぶりのチャンピオンズリーグ出場という目標は高いモチベーションを保つのかアスレティックのコンディショニングは頗る好く、球際で態勢を崩す場面でもバルサの選手ほどにブレなかった。確かに体型的にバスク人は頑丈さが武器だが、バルサは躰をぶつけないマークを剥がして動きながらパスを受ける場面でも、パスがピタリと足元につかないこともあって態勢が崩れることが多かった。別に肉体の頑丈さを武器にプレーするわけではないが、マイボールを速く動かすためにインテンシティは高くあるべきだ。




 とはいえ、相対的にボールを持っているのはバルサであり、18分過ぎには左サイドのイニエスタから逆サイドでペナルティエリア内へディアゴナルの進入を試みたメッシへ正確なクロスボールが送り込まれ、メッシが右足で合わせてゴールネットを揺らすもオフサイドの判定で先制点には至らなかった。20分過ぎにも左サイドから内への切り返しでペナルティエリアに入ったアドリアーノが右足シュートを放つもバレンシアガのブロックでコーナーキックへと逃れられてしまった。






 バルサが幾つかのゴールチャンスを作るもアスレティックは引くことはなく、中盤に5枚のブロックを作ってゲームを動かすチャビとイニエスタを徹底的に消しに来た。チャビとイニエスタからのボールを防がれることで逆にメッシへのボールは入ることが多く、メディオセントロとセントラルの間でボールを受けたメッシはパサドールとして左右のアレクシスやペドロへ前方のスペースを狙うプレーへのボールを配給出来た。アスレティックが自陣に張り付くことがないため、こういったスペースは生じることが多かった。






 逆にバルサの守備は機能しない。ビエルサ時代の2シーズンでイライソスの足元の技術も格段に上がり、サン・ホセとラポルタとの3枚でビルドアップの起点となり、バルサとしては両セントラルへプレッシャーを掛けて精度の高いロングボールを蹴らせたくなかったが、これが出来ない。メッシが寄せないことで逆にアスレティックはメッシのサイドではないセントラルへボールを廻し、チャビかイニエスタのどちからを前へ引っ張り出すプレーを見せた。両ラテラルも高い位置を取ってアレクシスとペドロを引き連れていくため、ドブレ・ピボーテの一角が余ることが多く、彼らがソング周辺に上がって長いボールを受けることでバルサは自陣に穴を開けられた。


 インテリオールの片方が引っ張り出されたならば、そのサイドのエストレーモがマークするラテラルを離してでも縦方向のパスコースを消してゴールに近いエリアへボールを入れさせることを防ぎたかったが、今シーズンはこの辺りの守備の規律が曖昧であり、インテリオールは縦方向に長めに走らされ、エストレーモも長い距離の帰陣をさせられ、ピボーテの前でフィルターの掛からない状態からゴールへ迫られることが多い。守備面での約束事が整備されて統率されればボールを奪い返す頻度が高くなり、ボールポゼッションは有効的なもので高くなるのだが。




 そういった守備面でのルーズさが改善出来ていないことでバルサ陣内へ進入されることは避けられず、29分過ぎには右サイドを攻撃参加したデ・マルコスからの正確なクロスボールをゴール前でアドゥリスにチレーナで狙われ、ピントは見送るしかなかったもののボールはポストを直撃、跳ね返ったボールをスサエタに左足で狙われるもピントが左手で止めて失点を回避した。


 若干オープンな展開となって31分過ぎには、メッシのチャンスメークから左サイドでデ・マルコスの外側からディアゴナルな動きでデフェンサの背後へと抜け出したペドロがメッシからのボールを受けてバイタルエリアへ進入、折り返したボールを押し込むだけとなったアレクシスが右足で合わせるも至近距離から浮いたシュートはクロスバーを直撃、絶好機を逃してしまった。フットボールはロー・スコアのスポーツで基本的に得点力不足だが、この場面は決めなければならない場面だった。


 アグレッシブなプレーで戦ってくるアスレティックは━━負けたからではないが━━アトレティコ程に激しくもなければ狡猾さもない。中盤に5枚の壁を並べているが、ここをショートパスにせよ浮き球にせよ突破してしまえば丸裸の4バックと対峙することが可能であり、アレクシス、メッシ、ペドロのトリデンテは幾つかのチャンスを迎えることが出来た。しかしながら仕上げの部分で精度を欠いてゴールには至らなかった。




 38分過ぎには、アスレティック陣内のペナルティエリアへと押し込み、アレクシスがエリア内から強烈な右足シュートで狙うもイライソスにブロックされ、連続攻撃から左サイドのアドリアーノからのクロスボールをメッシの背後で受けたペドロが右足で狙うもイライソスに右足一本で防がれてしまった。多くのチャンスを作り出したもののゴールを奪うことが出来ず、この悪夢の1週間の嫌な雰囲気を変えることが出来ないままハーフタイムを迎えた。ボールポゼッションは63%-37%、ゴールチャンス数は6-3、シュート数は10(枠内6)本-6(枠内3)本となった。


 ハーフタイムを挟んでアスレティックのキックオフで再開された後半、両チーム共に前半と同じメンバーによる同じフットボールが展開された。ハーフタイムでリフレッシュしたアスレティックのプレー強度は高く、激しさは劣っていなかった。48分過ぎにファールで得たフリーキックをメッシが左足のインステップでストレート系のシュートで狙うも枠を捕えることはなくスタンドへと消えた。


 その直後の49分過ぎ、イライソスからのロングボールがバルサ陣内へと届き、アドゥリスとソングが空中戦で競り合った。互いに自由に競り勝てなかったボールはバルサのゴール方向へと零れ、バルトラとムニアインがセカンドボールを争うもバルトラは競り合わずにムニアインに拾われてしまった。ムニアインからアドゥリスに繋がれるとアウベスが往なされて右足で逆サイドへと転がされてゴールネットを揺らされてしまった。3連敗を喫し、チャンピオンズとコパを失った直後の意地を見せたいアスレティック戦でも先制点を奪われる悪い流れにカンプ・ノウからは白いハンカチが降られるパニョラーダが久しぶりに見られることになった。






 先制点がもたらす効果は大きく、アスレティックのアグレッシブさは増していき、バルサのボールフォルダーは囲い込まれる場面が増えた。自陣でもボールを失うことが増え、ボールを繋げられないし、運べない時間帯が続いた。その間、ペナルティエリア内でのマスチェラーノが浮き球処理をエラーすると背後に忍び寄られたスサエタに押し込まれてしまうも、ここはスサエタがオフサイドポジションであり、どうにか救われた。


 ゲームを決められたかもしれないエラーを犯したが、その直後には意気消沈することなく形振り構わないプレーで同点を目指した。57分過ぎにはメッシ、チャビ、ペドロとアスレティック陣内のバイタルエリアを斜めに進むパスを素早く繋ぎ、ペドロが左足で叩き込むだけの場面を迎えるもペドロのシュートはコースが甘く、イライソスの左足一本に弾かれてコーナーキックへと逃れられてしまった。59分過ぎにもイニエスタ、アレクシス、メッシと繋いで黄金の左足で叩き込むだけの場面を迎えるも、ここも狙い過ぎたのかシュートは枠の右側へと逸れてカンプ・ノウは不満の声と静寂に包まれた。


 チャンスを作り出すもののボール循環に限って言えば非常に悪く、アタッカーたちへのパスが入る前に引っ掛けられてボールを失うことも多く、失ったボールを奪い返せずに自陣深くに帰陣して待ち構える守備はチーム全体を疲弊させた。どちらのチームにとってもゲームが悪い方向へ動いたと見たのか、残り30分を切った63分過ぎ、まずバルベルデがエリク・モランに代えてミゲル・リコを投入してイトゥラスペのプレーエリアを前目へ移動させた。そしてタタ・マルティーノは69分過ぎにチャビに代えてセスクを投入してアタッカーたちへの直接的なラストパスを狙わせた。


 そして71分過ぎ、右サイドを単騎決戦で仕掛けたアウベスが執拗に粘り、タッチライン際でムニアインとバレンシアガと1対2の劣勢になるも執念で強引にボールを持ち出して突破、ペナルティエリア内へ入ってミケル・リコをかわして折り返した。このグラウンダーの折り返しをアレクシスがダイレクトの右足で狙うもシュートは弱く駄目かと思われた瞬間、逆サイドから絞り込んでいたペドロがダイレクトの右足で方向を変えてゴールへと流し込んでようやくスコアを1-1に戻した。流れの中からのゴールは1日のアトレティコ戦以来5試合ぶりであり、決めたペドロは今シーズンのリーガで15ゴール目だ。










 人間の感情は浮気なもので20分前からは鬱憤を溜めていたカンプ・ノウは、選手たちの形振り構わない気持ちが前面に出たプレーの連続による同点ゴールに喜びの感情を爆発させて一気にヒートアップした。そして、カンプ・ノウに後押しされるように73分過ぎ、メッシのドリブル突破を後方からデ・マルコスがスライディングで止めたファールで得たフリーキックをメッシが、これまた気持ちを籠めたキックで決めてくれた。




 ペナルティアーク内で20mもない位置からであり、壁を越えて巻いて落とすには距離が足りない。実際にアスレティックは大柄な選手を並べて7枚の壁でボールサイドを防御してきた。




 バルサはペドロとアレクシスが壁の隣りに立ってポルテーロのサイドに死角を作る動きを見せた。更にアドリアーノが壁の前を動くことによってイライソスのポジショニングを牽制、シュートコースを定めたメッシは左足を強烈に振り抜いてチームメートがどうにか空けた僅かなスペースへとストレート系のシュートを放ち、魂を乗せたシュートはゴール左隅へと突き刺さって2-1と逆転に成功した。フリーキックとはいえ、仲間たちの協力でゴールへ捻じ込んだメッシの逆転ゴールは今シーズンのリーガで26ゴール目だ。傷ついた自尊心を取り戻すかのような怒りが込められた強烈なシュートだった。








 形振り構わないプレーはバルサ本来のそれからは遠いものの気持ちが乗せられているのは訴えるものがある。しかし、76分過ぎにはセスクとソングの軽いプレーから自陣でボールを奪われてムニアインにあわやの場面を作り出されてしまうも、ここはピントがキャッチしてゴールを死守した。気持ちが前に出るプレーとなってもゴールを守るのではなくゴールを奪うプレーであることは変わりない。しかし、前線への浮き球を多用したプレーはゲームをよりオープンなものとし、ヒヤヒヤする展開となった。


 82分過ぎにはイトゥラスペに代えてベニャが投入され、アスレティックも後方から前掛かりにした前線へボールを放り込んでゴールを狙ってきた。84分過ぎにはマスチェラーノがインターセプトしたボールをそのままドリブルでアスレティック陣内へと持ち上がり、ペナルティアーク内まで運んでそのまま右足シュートを放った。シュートはクロスバーの上へと逸れてバルサでの初ゴールとはならなかったが、規律立った組織的なプレーが不足した状況ではあったが、ゴールへボールを捻じ込む気持ちが感じられたのは、このチームが生きている証拠だ。


 アスレティックは85分過ぎにスサエタに代えてトケーロを投入してパワープレーに切り替え、バルサは86分過ぎにアレクシスに代えてテージョを投入して前掛かりになったアスレティックから更にゴールを奪うことを狙った。88分過ぎには1本のパスでアスレティック陣内にテージョが抜け出し、快足を飛ばしてペナルティエリア内へと進入した。ここはフランス・バスク生まれのレサマ育ちのラポルテによって阻まれてしまうも、出場機会が激減したテージョもどうにかしたい気持ちは伝わってきた。


 3分のアディショナルタイムへと入った90分過ぎ、アスレティックの左サイドからのクロスボールを上げられ、ゴール前に進入したミケル・リコにシュートを放たれるが、ここはピントの前で躰を投げ打ったマスチェラーノが胸に当てて防いでくれた。ボールキープで時計を廻す狡猾さはなかったが、どうにか気持ちの強さでアスレティックに対抗して得点差を攻めることで守り切って逆転勝利することに成功した。ボールポゼッションは63%-37%、ゴールチャンス数は11-5、シュート数は18(枠内9)本-10(枠内5)本、ファール数は16-17という数字が形振り構わず戦った証だろう。




 3連敗を止める3pts.を獲得したバルサは4試合(12pts.)を残して81pts.とし、1位のアトレティコとは4pts.差で2位に浮上した。残り4勝で最大93pts.まで伸ばすことが可能だ。2位に浮上したものの、コパFinalとチャンピオンズ1/2Finalの関係でマドリーの第34節が5月7日に順延されていて1試合少なく3位になっている。そのマドリーとは暫定で2pts.差だ。


 次節リーガ第35節は27日(日)(21時キックオフ)、エル・マドリガルでのビジャレアルCF戦だ。ヨーロッパリーグ出場圏内を目指して少しでもポイントを積み重ねたいビジャレアルは難敵であるが、チャンピオンズリーグ出場権を狙っているアスレティックを撃破したようにフエラであっても同じことをするまでだ。








 自力優勝はないもののチャンピオンズと並行して戦っているマドリー勢にプレッシャーを掛け続けるためにもバルサは4連勝が必要だ。アトレティコが3勝(9pts.)すれば94pts.となってリーガは決まるが、それでも第35節バレンシア戦(フエラ)、第36節レバンテ戦(フエラ)、第37節マラガ戦(カサ)の3試合(9pts.)で2pts.を失うことで、最終節のカンプ・ノウでチャンピオンズの仕返しを行ない、レモンターダは可能だ。


 ただし、暫定3位のマドリーが第35節オサスナ戦(カサ)、第36節バレンシア戦(カサ)、第34節バジャドリー戦(フエラ)、第37節セルタ戦(フエラ)、第38節エスパニョール戦(カサ)の5試合(15pts.)を全勝すると94pts.となり、バルサが93pts.となってアトレティコを逆転しても、優勝はマドリーへと移動することになってしまう。もどかしいが、チャンピオンズでバイエルンと戦うマドリーが15pts.を獲得するのも難しいはずだ。5試合(15pts.)のどこかで2pts.を失えば92pts.であり、バルサは上回ることが可能だ。


 飽くまで数字上の論理であることは忘れてはならない。しかし、可能性は低いとはいえ逆転優勝を目指して最後まで誇りを持って戦うべきだ。いつかのテネリフェのように、どこかで奇跡が重なって逆転優勝出来たとしても、それが今のチームを肯定するものにはならず、もはや今のままでいられるほどの説得力は持たない。現行チームが変革を免れない以上、今のサイクルの終焉を少しでも素敵な形で迎えるべきだし、エピローグは劇的なものであるべきだ。それが逆転優勝でない、としても。


Força! Barça!


いいね!した人  |  コメント(0)
PR
最近の画像つき記事  もっと見る >>

テーマ:

 我らがバルサはヘラルド・“タタ”・マルティーノに率いられ、今シーズンのリーガでは第33節を終了し、最終節の第38節まで5試合(15pts.)を残して25勝3分5敗の78pts.で、首位のアトレティコ・マドリーとは━━第34節を18日(金)に開催、グラナダに勝利している━━暫定7pts.差、2位のレアル・マドリーとは1pts.差で3位となっている。


 チャンピオンズリーグでは、7シーズン連続でのセミファイナル進出に向けて戦ったアトレティコとの1/4Finalではカンプ・ノウで勝ち切れず、ビセンテ・カルデロンで敗れたために180分を勝ち抜くとこが出来ず、7シーズンぶりにベスト8でチャンピオンズにアディオスとなった。2シーズンぶりに勝ち進んだコパ・デル・レイのFinalでは、3シーズンぶり7度目となるFinalでのコパ・クラシコで27度目のコパ獲得を目論んだが、マドリーに1-2で敗れて9日(水)から16日(水)の僅か8日間で偉大な大成功のトリプレッテ、大成功のドブレッテを失った。成功となるリーガが残されているものの、自力優勝がない現状を考えれば、久方ぶりの無冠となる可能性が高い。


 残り5試合のカレンダーを見ると、1位のアトレティコはバレンシア(第35節)、レバンテ(第36節)、そして最終節はバルサ戦とフエラでのゲームを3つ残している。同様に2位のマドリーはバジャドリー(第34節(5月に延期開催))、セルタ(第37節)との2つのフエラ戦を残している。そして3位のバルサはビジャレアル(第35節)、エルチェ(第37節)と2度のバレンシア州への遠征を残している。


 順位表の数字の上では、アトレティコが第37節までの3試合(9pts.)でひとつのエンパテを挟めば85pts.が92pts.になって最終節を迎える。そして78pts.のバルサが4連勝で90pts.で最終節を迎えることが出来れば直接対決で93pts.に引っ繰り返して逆転は可能だ。ただし、これはバルサがアトレティコを上回る算段であり、79pts.のマドリーが5連勝すれば彼らが94pts.となり、バルサとアトレティコをかわしてタイトルを持ち去ることになる。しかし、マドリーもひとつでもエンパテで2pts.を取り溢せば92pts.でシーズンを終え、バルサが上回ることが可能だ。何よりアトレティコが第37節まで3連勝ならば数字上の論理も意味はない。


 ただ、アトレティコもマドリーもチャンピオンズリーグ1/2Finalがある。アトレティコはチェルシーFCとの初戦の4日前にエルチェ戦(カサ)、ビセンテ・カルデロンでのチェルシー戦の5日後にバレンシア戦(フエラ)、バレンシア戦の3日後にロンドンでのチェルシーとの折り返し戦、ロンドン遠征の4日後にレバンテ戦(フエラ)だ。マドリーはFCバイエルン・ミュンヘンとの初戦の7日前にバルサとのコパFinal(中立地)、サンティアゴ・ベルナベウでのバイエルン戦の3日後にオサスナ戦(カサ)、オサスナ戦の3日後にミュンヘンでのバイエルンとの折り返し戦、ミュンヘン遠征の5日後にバレンシア戦(カサ)と過密日程だ。


 順位表上の論理では、バルサは自力優勝を失って━━更にサイクルの終焉を迎えてチームを取り巻く環境は劣悪の部類となったものの━━リーガだけだが、アトレティコはリーガとチャンピオンズを、マドリーは既に獲得したコパを含めた3つを追う。バルサはカレンダーに余裕が生まれた分を目の前の一戦に集中して注ぎ込まなければならないが、それは今シーズンのタイトルのためというより今シーズンを少しでも悪くない形で終えるためのものだ。冷たく言い放てば悪足掻きだが、ファンが諦めようとプロフェッショナルである以上は意地を見せてほしいものだ。


 2015年までの契約を残して今シーズン限りでの退団が噂されるタタ・マルティーノだが、このアルゼンチン人監督は今シーズンの残り5試合の最初となるアスレティック・ビルバオ戦に向けて18選手を招集した。


 La lista:
 13 Pinto, 25 Oier Olazábal;
 2 Montoya, 14 Mascherano, 15 Bartra, 21 Adriano, 22 Dani Alves, 26 Sergi Gómez;
 4 Fàbregas, 6 Xavi, 8 A.Iniesta, 17 A.Song, 19 Afellay, 24 Sergi Roberto;
 7 Pedro, 9 Alexis, 10 Messi y 20 Tello.


 水曜日のコパ・デル・レイFinalでは医療サービス部からのプレー許可を受けてベンチ入りメンバーに入ったカルラス・プジョールだったが、木曜日のトレーニングを終えた時点で右膝に違和感を覚えて大事を取ってアスレティック戦は欠場することになった。ゲームだけでなくトレーニングでも常に全力で取り組みグラン・カピタンだが、一度のトレーニングで違和感が出るのはコパ・クラシコでは無理矢理にプレー許可を得ていた可能性もある。とにかく残念ではあるが、この漢の魂には惚れてしまう。


 一方で、10枚目の累積警告による出場停止━━個人的には5枚目の清算後、第25節ラ・レアル戦、第29節マドリー戦、第31節エスパニョール戦、第33節グラナダ戦で5枚目が不明━━でセルヒオ・ブスケツが招集リストを外れた他、負傷者リストに入っているビクトル・バルデス(右膝前十字靭帯断絶)、ジェラール・ピケ(右臀部骨盤亀裂)、ジョルディ・アルバ(右大腿二頭筋肉離れ)、ネイマール・ジュニア(左足第4中足骨の浮腫)、ジョナタン・ドス・サントス(右膝前十字靭帯断絶)、イサアク・クエンカ(左大腿二頭筋肉離れ)が招集外となった。水曜日のマドリー戦で再び右大腿に二頭筋に痛みを抱えたマルク・バルトラは招集リストには入ったが、出場は微妙で危ぶまれている。


 激動の2013-14シーズンも残り5試合だ。78pts.をどこまで伸ばせるか、78pts.のままでも━━現在4位のアスレティックが62pts.のため━━3位は維持出来、2014-15シーズンのチャンピオンズリーグ出場権は確保可能だ。ただ、クラブ以上の存在として、その低い目標はあまりに情けない。可能性は低いとはいえ逆転優勝という結果が今のチームを肯定するとしても、もはや今のままでいられるほどの説得力はない。


 チームの変革を免れない以上、今のチームのサイクルの終焉を少しでも素敵な形で迎えるべきだし、エピローグは劇的なものでるべきだ。


 それが、逆転優勝でないにしても。


Força! Barça!


いいね!した人  |  コメント(0)

テーマ:

Copa del Rey 2013-14

Final (16/04/2014, Miércoles - 21:30)

Estadio: Mestalla. (Valencia)  55,000 espectadores.

Copa Final

Futbol Club Barcelona 1-2 Real Madrid Club de Fútbol

FC Barcelona: 4-3-3.
 Entrenador: Gerardo "Tata" Martino. (Argentina)
 13 Pinto;
 22 Dani Alves, 15 Bartra (9 Alexis, m.87), 14 Mascherano, 18 Jordi Alba (21 Adriano, m.46);
 6 Xavi [C], 16 Sergio Busquets, 4 Fàbregas (7 Pedro, m.60);
 11 Neymar Jr., 10 Messi, 8 A.Iniesta.

Real Madrid CF: 4-3-2.
 Entrenador: Carlo Ancelotti. (Italia)
 1 I.Casillas [C];
 15 Carvajal, 3 Pepe, 4 Sergio Ramos, 5 F.Coentrão;
 19 Modric, 14 Xabi Alonso, 23 Isco (16 Casemiro, m.89);
 22 Di María (24 Illarramendi, m.86), 9 Benzema (2 Varane, m.90) y 11 Bale.

Goles:
 0-1, m.11: Di María.
 1-1, m.68: Bartra.
 1-2, m.85: Bale.

Árbitro:
 Antonio Miguel Mateu Lahoz. (Comité Valenciano)

Tarjeta Amarilla:
 FC Barcelona: Naymar Jr. (m.17) y Mascherano (m.53).
 Real Madrid CF: Isco (m.03), Pepe (m.17) y Xabi Alonso (m.88).

Incidencias:
 Unos 55.000 espectadores en el estadio de Mestalla. El Madrid conquista su 19ª Copa del Rey.





 我らがバルサはヘラルド・“タタ”・マルティーノに率いられ、今シーズンのリーガでは第33節を終了し、最終節の第38節まで5試合(15pts.)を残して25勝3分5敗の78pts.で、首位のアトレティコ・マドリーとは4pts.差、2位のレアル・マドリーとは1pts.差で3位に就けている。チャンピオンズリーグでは、7シーズン連続でのセミファイナル進出に向けて戦ったアトレティコとの1/4Finalではカンプ・ノウで勝ち切れず、ビセンテ・カルデロンで敗れたために180分を勝ち抜くとこが出来ず、7シーズンぶりにベスト8でチャンピオンズにアディオスとなった。


 その悲しみから立ち上がる姿勢を示すべく、残されたリーガとコパ・デル・レイのタイトル獲得のための第一歩として土曜日のリーガ第33節ではグラナダCF戦を迎えた。第32節終了時にグラナダは15位であり、残留争いをしている相手とのゲームを侮ることはエラーに直結することはわかっていた。それにもかかわらず、バルサは1-0で敗れた。特別に敬意を欠いて侮ったわけでもないし、アトレティコを凌駕する戦術的な難易度を示されたわけでもない。怪我により本職のセントラルが皆無になったこと、4日後にコパFinalが控えることで多少のローテーションを採用したとはいえ、ボールポゼッションとシュート数で圧倒しておきながら敗れた。


 第33節でポイントを失ったのはバルサだけであり、残り5試合(15pts.)となって78pts.で足踏みすることは再び自力優勝の可能性を失うと共に優勝戦線からの大きな後退を意味する。アトレティコは日曜日にヘタフェCFとのフエラ戦に0-2で破って82pts.へと伸ばして首位を維持、マドリーは土曜日にUDアルメリーアを4-0で下して79pts.へと伸ばしてバルサをかわして2位へと順位を上げた。


 残り5試合のカレンダーを見ると、1位のアトレティコはバレンシア(第35節)、レバンテ(第36節)、そして最終節はバルサ戦とフエラでのゲームを3つ残している。同様に2位のマドリーはバジャドリー(第34節(5月に延期開催))、セルタ(第37節)との2つのフエラ戦を残している。そして3位のバルサはビジャレアル(第35節)、エルチェ(第37節)と2度のバレンシア州への遠征を残している。


 順位表の数字の上では、アトレティコが第37節までの4試合(12pts.)でひとつのエンパテを挟めば82pts.が92pts.になって最終節を迎える。そして78pts.のバルサが4連勝で90pts.で最終節を迎えることが出来れば直接対決で93pts.に引っ繰り返して逆転は可能だ。ただし、これはバルサがアトレティコを上回る算段であり、79pts.のマドリーが5連勝すれば彼らが94pts.となり、バルサとアトレティコをかわしてタイトルを持ち去ることになる。しかし、マドリーもひとつでもエンパテで2pts.を取り溢せば92pts.でシーズンを終え、バルサが上回ることが可能だ。


 数字の論理の実現性は、アトレティコもマドリーもチャンピオンズリーグ1/2Finalがあり、その可能性は高まる。アトレティコはチェルシーFCとの初戦の4日前にエルチェ戦(カサ)、ビセンテ・カルデロンでのチェルシー戦の5日後にバレンシア戦(フエラ)、バレンシア戦の3日後にロンドンでのチェルシーとの折り返し戦、ロンドン遠征の4日後にレバンテ戦(フエラ)だ。マドリーはFCバイエルン・ミュンヘンとの初戦の7日前にバルサとのコパFinal(中立地)、サンティアゴ・ベルナベウでのバイエルン戦の3日後にオサスナ戦(カサ)、オサスナ戦の3日後にミュンヘンでのバイエルンとの折り返し戦、ミュンヘン遠征の5日後にバレンシア戦(カサ)と過密日程だ。


 順位表上の論理では、バルサはリーガとコパの二兎を追うが、アトレティコもリーガとチャンピオンズを、マドリーはそれにコパを含めた3つを追う。二兎を追う者は一兎をも得ずになるのかは結果を見てみなければわからないが、バルサはカレンダーに余裕が生まれた分を目の前の一戦に集中して注ぎ込まなければならない。まずは16日(水)のコパ・デル・レイFinalであり、その次に20日(日)のアスレティック戦であり、そして27日(日)のビジャレアル戦、更に5月3日(土)のヘタフェ戦までが、アトレティコとマドリーとの差を縮められるチャンスだ。4月の残り半分で敗れることがあれば完全に白旗を挙げることになる。


 数字の上でリーガは自分たち次第ではなくなったが、自分たち次第でタイトルを獲れるのは目の前のコパ・デル・レイだ。バルサとマドリーによる大会史上7度目となるFinalでのクラシコは16日(水)、3シーズン前のFinalと同じバレンシアのメスタージャで争われる。過去6度のFinalは3勝3敗の五分であり、3シーズン前は延長戦の末にタイトルを譲っているだけに今シーズンこそは優勝して“コパの王”の名前に相応しい27度目のトロフィーをフアン・カルロス1世から戴きたいところだ。


 アトレティコ戦とグラナダ戦で連敗を喫したバルサが置かれている状況はシリアスだ。窮地に立たされたままコパFinalを迎えるのは火事場の馬鹿力の存在があるとはいえ喜ばしいことではない。ただ月曜日に予定になかった記者会見をカピタンのカルラス・プジョールが開き、「コパFinalでは全てを出し切るとファンに伝えたい。そして、それはチームが団結することで容易となる」と発信し、「前を向いてファンに喜びを与えたい」ために「出来事を分析して解決策を探って水曜日のコパで勝利だけを狙う」というものだった。「永遠のライバルに勝利することでタイトルを獲り、最高の雰囲気が得られ、リーガを戦い抜く士気が得られる」の言葉を信じるしかないだろう。


 何れにせよ、バルサは今まで以上に団結を図って目の前のタイトル獲得を目指さなければならない。コパを獲ったとしても、それがチャンピオンズを失ったことを埋め合わせてくれるわけではないし、リーガで後退した状況を慰めてくれるわけでもない。それでも目の前のタイトルがある以上は勝利を目指してトロフィーを目指すべきだし、その相手が永遠の宿敵であれば尚更だ。Finalは勝者と敗者が明確に分けられる、ある意味で残酷なサバイバルだ。だからこそFinalは最良の果が必要なのだ。今のバルサにとって最良な結果はマドリーを下して27度目のトロフィーをフアン・カルロス1世から戴くことだ。


 先発メンバー


 ヘラルド・“タタ”・マルティーノはポルテーロにピント、デフェンサは右ラテラルにダニ・アウベス、右セントラルにバルトラ、左セントラルにマスチェラーノ、左ラテラルにジョルディ・アルバの4人を配し、セントロカンピスタは右インテリオールにチャビ、ピボーテにセルヒオ・ブスケツ、左インテリオールにセスク・ファブレガスのトリアングロ、トリデンテは右エストレーモにネイマール・ジュニア、偽の9番にメッシ、左エストレーモにアンドレス・イニエスタの11人を送り出した。


 ベンチにはポルテーロのオイエル、デフェンサのプジョール、アドリアーノ、セントロカンピスタのアレックス・ソング、セルジ・ロベルト、デランテーロのペドロ、アレクシスの7人が控えた。バレンシア遠征に招集されたメンバーからはモントーヤ、アフェライ、テージョの3人が登録を外れた。24日前のサンティアゴ・ベルナベウで3-4で勝利したゲームからピケに替わってバルトラだけを入れ替えた。前線からの守備機能が発揮出来ない短所を偽の11番システムでボールポゼッションを究極に高める長所で隠す方法だが、チャンピオンズリーグのアトレティコとの2試合で機能しなかった嫌な記憶が脳裏を走る。他に選択肢はあったはずだが。


 カルロ・アンチェロッティが送り出した11人は、ポルテーロにイケル・カシージャス、デフェンサにカルバハル、仮出所ペペ、セルヒオ・ラモス、ファビオ・コエントラン、メディオセントロにモドリッチ、シャビ・アロンソ、イスコ、デランテーロにディ・マリア、ベンゼマ、ベイルだ。サンティアゴ・ベルナベウでのクラシコで敗れたゲームからディエゴ・ロペス(カシージャス)、マルセロ(コエントラン)、CR7(イスコ)と3選手が入れ替わった。




 発表された先発メンバーを受けて、カタルーニャの『Mundo Deportivo』は"Bartra y los cuatro ‘jugones’ contra el Madrid"、『SPORT』は"Bartra se recupera y será titular"、マドリーの『MARCA』は"Bartra y Cesc, titulares"、『AS』は"Isco, Bartra y Cesc son titulares"とバルサについてはバルトラがギリギリで戻ったこととクアトロ・フゴネスの起用、マドリーは予想通りのイスコ起用を報じた。


 今シーズンのコパ・デル・レイは、昨年11月8日にビセンテ・カルデロンにてプリメーラ・ディビシオンのクラブが参加する1/16Final(以降)の組み合わせ抽選会 が行なわれた。我らがバルサは1/16FinalでセグンダBのFCカルタヘナ、1/8FinalではヘタフェCF、1/4FinalではレバンテUD、1/2Finalではレアル・ソシエダに勝ち抜いてのFinal進出だ。一方のマドリーは1/16FinalでセグンダBのオリンピア・ハティバ、1/8FinalでCAオサスナ、1/4FinalでRCDエスパニョール、1/2Finalでアトレティコ・マドリーに勝ち抜いてのFinalだ。


 ファイナリストの両雄とは別に、今シーズンのコパでは1/4Finalでレアル・ソシエダとラシン・サンタンデールのゲームで悲しくも真のラシンギスタを見る大会でもあった。ラシンを買収したインド人実業家アーサン・アリ・サイドが契約を履行しないまま姿を暗まし、多大な負債を抱えることになったクラブの経済状況は悪化し、給料未払いの選手たちは詐欺師が務める経営陣の退陣を求めて栄えあるコパ・デル・レイでRFEFから課せられるペナルティを覚悟の上で試合放棄を決断した。試合放棄は不名誉だったものの、カンタブリア州の名門を純粋に愛するラシンギスタの名誉は誇示出来たと信じたい。


 選手入場時にはFIFAアンセムが流され、北側ゴール裏のクレーは"Un crit valent. Barça! Barça! Baaaarça!!!!"とイムノの1番にも2番の歌詞にも出てくる一節「力強い叫びを生む。バルサ!バルサ!バアアアアルサ!!!!」の横断幕、南側ゴール裏のメレンゲは"Hasta el final, Vamos Real."といつかも見た記憶のある横断幕を掲げた。スタジアムを二分するコパ・デル・レイFinal独特の雰囲気の中、スペイン国歌『国王行進曲(Marcha Real)』が流された。この歌の経緯からか、カタルーニャ側からは口笛が鳴らされた。なお、21時30分のメスタージャは気温17℃湿度80%の気象環境だ。








 サポーターとは逆の配置となり、北側エンドにマドリー、南側エンドにバルサという形でマドリーのキックオフでFinalの前半が開始された。3シーズン前の激しく勇敢ではあったが、それと同じか、それ以上に臆病で卑怯だったモウリーニョのマドリーとは異なり、アンチェロッティのマドリーは純粋に勇敢だ。立ち上がりとはいえ人数を掛けて背後に生じるスペースを恐れることなくボールを繋いでバルサ陣内へと進入してきた。メスタージャの芝生は2cmに刈られ、たっぷりと水を撒かれたことでボールは滑るように走る。この条件であればバルサにとって不利になることはなく、正当に正面から戦えることになった。


 マドリーからボールを奪ったバルサは慎重な立ち上がりを見せる。マドリーが7日前のアトレティコのように怒涛のプレッシャーで前線から襲いかかってくることがなかったこともあるが、バルサはセントラルからピボーテ、そしてインテリオールがラテラルとデランテーロを使ってボールを繋いで動かしていった。マドリーの圧力の度合いにも助けられたが、不安定な立ち上がりでゲームに入ったアトレティコ戦のエラーは教訓として活かされた立ち上がりだった。しかしながら活かされていない、もしくは活かす術を失っているのがボールを失った直後のリアクションの無策さだ。


 4分過ぎには中盤でのルーズボールを空中戦で競り合って零れ球を拾えないバルサはマドリーにボールを譲り、これを拾ったイスコが素早く前線で走り出すベイルへパスを送り、ウェールズ人デランテーロは快速を活かしてゴールへと迫ってFinalでのファーストシュートを放った。シュートは枠の右側へと逸れたものの、空中戦の弱さを次にボールが落ちてくる地上戦で奪うためのポジショニングが悪く、奪われた後の寄せも遅く、マドリーの選手のプレーを選択して実践する時間を圧縮することが出来なかった。




 偽の11番としてイニエスタを起用したことで中盤での数的有利から長所であるボールポゼッションを高めて短所であるボールを失った後に顔を出す守備組織のお粗末さを隠す狙いは序盤は機能した。イニエスタが中盤でインテリオールとしてプレーすることでセスクがメッシ周辺でのプレーが可能となり、カルバハルが中央に神経を注ぐことでアルバが高い位置を取って右のアウベスと共にメスタージャのピッチの横幅を拡げた。横幅を使ったボールポゼッションは奥行きでマドリーを揺さぶることは出来なかったが、守備組織を左右に大きくスライドさせる揺さぶりは掛けられた。


 しかし、マドリーはアンチェロッティがスカウティングで授けた対応策だろうが、バルサの偽の11番システムによるクアトロ・フゴネスのボールポゼッションに対して、バルサが自陣でビルドアップを行なう時は前からのプレスを掛けて自由を奪いに来るが、何本かのパスを繋がれて中盤に差し掛かった時にはリトリートで守備を固めて待ち構えた。その際、(1-)4-3-3の布陣から右エストレーモに入ったディ・マリアが中盤まで引いて(1-)4-4-2の布陣をセットして24日前のクラシコで埋めきれなかったサイドのスペースへの対処策を講じてきた。


 この布陣を変化させてリトリートする対処によりマドリーはバルサの横幅を出した攻撃を防御、更にコンパクトに中央を閉めることでバイタルエリアの入口にも蓋をする格好になった。マドリーは球際の激しさもあったものの4-4-2で守るリトリートでバルサが動かすボールを引っ掛けてスピードのあるベイルとベンゼマを使った攻撃を仕掛けるシンプルかつ論理的な戦術を採用、徹底してきた。6分過ぎにはベンゼマ、イスコとシンプルに速く繋いでベイルへと繋ぎ、右足シュートを放たれた。


 バルサはアトレティコの敗北を教訓にしないまま、マドリーはクラシコでの敗北を教訓にした戦術を見せる中で迎えた10分過ぎ、バルサがボールを繋いでマドリー陣内へと入って詰まってアウベスへ戻して次のプレーを窺ったところで判断が遅れ、マッチアップしたイスコに引っ掛けられてしまった。


 この瞬間にボールをロストしたアウベスは最初の守備者としてプレスを掛けてイスコのプレーを遅らせるも、前方のセスクやメッシの攻撃から守備へのトランジションが遅くイスコを挟んでボールを奪い返すことが出来ずに前方のベイルへのパスを許してしまった。そしてベイルは寄せられる前にダイレクトで左のベンゼマへと捌き、ベンゼマもダイレクトで右サイドを走り抜けるディ・マリアへと繋いだ。ディ・マリアはリトリートで自陣で4-4-2の中盤で守っていたにもかかわらず守備から攻撃のトランジションが速く、次のプレーを先読みしていた。アルバが懸命に追走するも追いつかずにペナルティエリア内から左足シュートを許し、ピントが触れるも弾き出すことは出来ずに先制されてしまった。








 チャンピオンズ1/4Finalのアトレティコとの2試合と同様に、ひとつのゴールが勝敗に直結するゲームで先制点を奪われることになった。先制したマドリーはゲームプランを遂行するだけのようで、速いデランテーロを使ったカウンターで追加点を狙うことに徹し、リトリートで自陣で待ち構えて横方向の幅も抑えつつ、縦方向の奥行きも消す守備姿勢に偏重させてきた。バルサは不必要なボールロストは避ける必要があり、バイタルエリアを前に詰まった状態で無理なパスコースへの強引なパス、ドリブルで仕掛けて引っ掛けられることを余計に避けなければならなくなった。




 バレンシア協会アルビトロのマテウ・ラオスはファールには寛容で、笛を吹くことは少なく基本的にプレーを流すことが多い。それでも2分過ぎにはイスコにタルヘタ・アマリージャを提示して笛を吹くファールの種類を示した。マドリーの激しいプレーに笛を吹かれないことは厄介だったが、逆にバルサはゴール前での際どいプレーに笛が吹かれることはなく、救われている一面も感じられた。


 序盤こそボールを動かせていたが、時間の経過と共にバルサの自陣でのビルドアップは拙くなっていった。マドリーのプレスが激しくなったわけではないが、先制で精神的な余裕を得てプレーに活気を取り戻したマドリーの前線からのプレッシャーにビルドアップを防がれていった。ポジショニングの問題なのだろうが、ピントとバルトラとマスチェラーノの後方のトリアングロから出し所が少な過ぎる。そしてハーフウェイラインを超えた時にもう少しボールを動かしたかった。中央でならティキ=タカで細かくマドリーに嫌気が指すまでボールを動かすこと、サイドでならサイドに起点を作って数的優位で風穴を空けてしまうことが求めれた。




 気を吐いたのは左サイドのイニエスタとアルバであり、これにセスクが絡んだ時は好い攻撃となった。20分過ぎにはバイタルエリア入口で蓋を掛けられるアルバが大外からラインの裏へと進入した。イニエスタはモドリッチとイスコの間にスルーパスを通してセスクが抜け出すとペナルティエリア内に入ってグラウンダーのボールを折り返してファーサイドでネイマールが詰めるも届かずに同点にするチャンスを逸した。22分過ぎには攻め上がったアウベスからファーサイドへクロスボールを送り、これにアルバがヘディングで合わせるもカシージャスにキャッチされてしまった。




 数少ないながらもチャンスを作り出したバルサはリズムを掴み始め、クラシコのマエストロとなったチャビがボールに多く関与することになり、後方から引き出したボールをサイドへと展開してピッチを広く使って守備組織に揺さぶりを掛けていった。ここまでは好いのだが、バイタルエリアを前にサイドに展開したボールをどう動かして、選手がどう動いて攻略するかがアトレティコ戦でも出来なかったことだが、この日もゴール前へのクロスボールを放り込む場面や密集地帯にドリブルで突っ掛けてカウンターに遭う場面が見られた。






 敵陣でプレスを掛けてボールを奪い返すことが出来ない短所を長所で隠すためのボールポゼッションにもかかわらず、バイタルエリアを前にしたバルサはボールロストを避けて別の攻撃方法を模索して実践することより、せっかく横幅を取った攻撃で組み立てたにもかかわらず安易なクロスボール、強引なドリブルやパスにチャレンジしてボールを必要以上にロストした。これにより敵陣でボールロスト直後の攻守の素早いトランジションでボールを奪い返す動きがないままボールを運ばれて脅威のカウンターに遭う悪循環を繰り返した。






 34分過ぎには組織的な躰を成していない酷い守備で中盤を容易に一発で剥がされて4バックが一気に丸裸にされる場面と作られた。ベイルのペナルティエリア進入を防ごうと逆サイドから追走したアルバはこのプレーで右大腿二頭筋を傷めてしまい、急遽アドリアーノがタッチライン際でウォーミングアップを開始する事態となった。




 前日記者会見を担当したイニエスタは激しさを失わずにファンが誇れるプレーを見せた。左サイドで圧倒的な技術でボールを受けて運んで渡す基本的プレーで周囲との違いを見せた。これに対してマドリーはディ・マリア、モドリッチ、カルバハルが束になって激しく対抗して時にイニエスタがボールを失う場面があったが、これは安易にドリブルを仕掛けた結果のボールロストではなく、アルバ以外にセスクやメッシの動きの質が芳しくなく、イニエスタと近い距離でプレー出来ていなかったことでイニエスタが無理をせざるを得ず、また1対3の場面を作られることで止むを得ずボールを失うことになっていた。


 アトレティコ戦でも多く見られたが、右サイドからのクロスボールが多くバルサにとっての無駄なプレーとなった。バイタルエリアを固めた相手を崩す攻撃のオプションだとしても、バルサに長身の━━例えばバイエルンのマンジュキッチやドルトムントのレバンドフスキのような━━9番がいれば頷けるオプションだ。しかし、メッシにしてもネイマールにしても、セスクにしてもドイツ勢の9番タイプの選手ではない。それであれば決して肯定出来るプレーではない。


 そして、クロスボールで流れたボールを拾われるとマドリーに自陣をシンプルに長めのボールで突破されて気づけばバルサ陣内に運ばれていることが多かった。偽の11番システムを採用していることで前線からプレスを担当するのはネイマールとメッシだが、メッシの位置取りも低くプレスに参加することは稀で、ネイマールもベンチに座るペドロやアレクシス程に献身的で戦術的なプレスを掛けられない。バイエルンではマンジュキッチを始めロッベンやリベリーやミュラーが献身的に持っていたボールを失えば取り戻すだけと非常にシンプルな考えの下で最初の守備者としてプレーする。バルサもペップが指揮していた時には実践していたが、今はそれが失われたままだ。


 これがバルサのウィークポイントであり、持たされているにしてもボールをポゼッションしている時は危険で厄介なチームとして相手に警戒されて畏怖されるものの、バルサがボールを失った瞬間に相手チームは危険で厄介なチームだとは思わなくなり、恐れるどころか勇敢に戦えば凌駕出来ると考えている。それを勇敢に高いレベルで集中して実践したのがアトレティコであり、リーガでも順位にかかわらず幾つかのチームが存在する。短所を長所で隠しきれなくなった以上は違う長所で短所を隠すか、短所自体を修正するかが求められるが、シーズンのこの時期にそれが出来る相手ではない、アンチェロッティに率いられたマドリーは。


 前半のボールポゼッションは67%-33%、ゴールチャンス数は1-2、シュート数は5(枠内2)本-5(枠内2)本であり、ファール数は2-5と24日前のサンティアゴ・ベルナベウでのクラシコや15日前のカンプ・ノウでのアトレティコ戦とは対照的、それは7日前のビセンテ・カルデロンでのアトレティコ戦と同様にファールを犯さずともバルサからボールを奪うことは可能を証明する数字だった。長所が短所を上回らない以上、短所が修正されない以上はファールトラブルでさえも誘発出来ないのが今のバルサだ。




 ハーフタイムを挟んでバルサのキックオフで再開される後半、まず残念だったのはイニエスタの孤軍奮闘を助けてカルバハルとモドリッチとディ・マリアに充分に対抗出来ていたアルバが右大腿二頭筋の負傷でアドリアーノと交代したことだ。右サイドでどちらかと言うと穴のコエントランとイスコと対峙するネイマールとアウベスが無策でブレーキが掛かっていただけにアルバの負傷交代は狼煙を上げるには痛かった。


 1点をリードするマドリーは4-4-2の布陣をセットしてリトリートから高速カウンターであり、バルサは唯一の武器であるボールポゼッションでマドリー陣内へと運んでいった。ただし、バイタルエリアを攻略するアイデアが乏しかった。アイデアはあるのかもしれないが、動きの質と量から選択出来るアイデアが少ないと言えるかもしれない状況だ。早速47分過ぎにはセスクのボールロストからカウンターに遭い、カルバハルから素早く前線のベイルへと繋がれて左足シュートを放たれた。シュートは外れたものの危険極まりないプレーだった。


 後半の立ち上がりは同点ゴールを目指すがためにプレーが雑になったのか、それとも先制点を奪われたことで自暴的に集中力の欠如を招いたのか、肉体的疲労というよりは精神的疲労でブスケツまでがお粗末なミスパス、クリアミスなどボールを届ける本来の仕事を見失ったプレーでピンチを招いた。ブスケツだけでなくバルサはチーム全体でエラーが多く、マドリーの攻守のスムーズで速い切り替えとは真逆に緩慢で鈍重で遅く、ミズパスを避けるために仕掛けるドリブルは剥がせればいいが、剥がせずに引っ掛けられた場合は短所が露呈することになり、諸刃の剣となった。




 固められたバイタルエリアの攻略を狙うのにマーカーを剥がすといった基本的動作が乏しく、コンパクトに守られた狭いエリアでも足元で受けることだけを要求するプレーは自信の表れではなく傲慢、完全にプレーへの怠惰であり、驕りにしかない。タタ・マルティーノが決断出来たのは59分過ぎにセスクに代えてペドロを投入することだった。ペドロを右エストレーモに入れてネイマールを左エストレーモに廻して、イニエスタを完全にインテリオールでプレーさせるというものだ。


 しかし、チームにリズムは生まれないし、ボールポゼッションとは無関係にゲームの主導権を握ることが出来ない。61分過ぎにはピントの拙いスローイングを奪われてピンチを迎えたり、ボールロスト後の酷い守備でピンチを迎えたり、マドリーを楽にさせてしまった。64分過ぎにはスルスルと上がったバルトラが右足ミドルシュートでカシージャスを牽制してゴールへの気持ちを見せるも、65分過ぎにはマドリーの速攻ではなく遅攻からディ・マリア、ベンゼマと繋がれて際どい場面をピントがコーナーキックへと逃れる場面を作られてしまった。


 悪循環なプレーが続いて重苦しい雰囲気の中で迎えた67分過ぎ、左コーナーキックをチャビがゴール前に速いボールを入れると、これにバルトラがマーカーのペペの前へ出てから後ろへ下がって剥がして下がりながらの難しいジャンプからヘディングで逆サイドへと流してゴールネットを揺らした。今シーズンのコパで無失点を継続してきたカシージャスの記録を潰えさせる若きセントラルの同点ゴールだった。もちろん今シーズンのコパで1ゴール目だ。












 せっかくスコアを元に戻して希望を取り戻したのにピリッとしないのがバルサで、71分過ぎにはメッシが左サイドを攻め入って進路を塞がれてスピードを止められると右側でチャビが再三読んでボールを要求するも出さずに狭いエリアの攻略に拘った結果ボールを奪われてカウンターに遭い、またも素早いトランジションからの組織的な守備が機能しない短所が露呈、ベイルに危険なシュートを放たれてピントが何とか防ぐという場面を作られた。


 1-1のスコアで残り10分に差し掛かると両チーム共に俄かに精神的なものがプレーに反映するようになった。何とか追い付いたバルサは延長戦に持ち込むことも好意的であり、90分での勝負を狙うことも前向きだった。一方のマドリーはリードを続けて主導権を握っていたためか多少ナーバスで、延長戦に持ち込まれることを嫌うようなプレー、より守備を固めてベイルひとりの速さ勝負で決着を目指すというものだ。


 それでもアイデア不足のバルサが77分過ぎにメッシが中盤でマーカーをドリブルで剥がして右サイドのアウベスへ展開、グラウンダーのクロスボールをポルテーロとデフェンサの間に配給するも合わせられる選手がいなく惜しいだけで終わってしまった。一方のマドリーは80分過ぎ、緩慢なバルサの守備の穴を縫うようにボールを運ばれて最後はブスケツが躰を寄せるもひとりの単発的なものではどうにもならず、モドリッチに右足ミドルシュートを許してしまった。これがピントの右腕を過ぎて左側のポスト直撃の場面を作られてしまった。


 そして両チームが延長戦を意識した84分過ぎ、マドリー陣内を左サイドから攻め込んで中央を経由して右サイドへ展開してメッシの右足クロスボールをカルバハルにヘディングで右サイドのタッチライン際へクリアされるとイスコがメッシより速く追い付いてマイボールにした。後方からサポートに来たコエントランに預けられとアウベスの緩い守備がコエントランの選択肢を増やしてターンで前へ持ち出させてしまった。メッシが追走するも捕まえ切れず、ブスケツが内を切ってタッチライン際に出させるも、ベイルに寄せたバルトラが引っ掛けられれば問題はなかった。






 しかし、ウェールズ人デランテーロはハーフウェイラインを超えた直後に寄せ切られる前にダイレクトで前方へと大きく持ち出した。バルトラはファール覚悟で躰を預けてベイルをタッチラインの外側、更にテクニカルエリアの中まで追いやってタッチライン際に躰を残していたバルトラが処理するかに思われた瞬間、ギャレス・“ウサイン”・ベイルが陸上選手のスプリントで大外からバルトラを置き去りにしてボールに追いつくとペナルティエリア内に持ち込み、ゴールエリアの角まで進んでニアサイドを閉めて前へ出てきたピントの股間を抜くつま先シュートでゴールへと流し込まれてしまった。さすが1億ユーロ。これより安いCR7ならファールをアピールして走らなかったはずだ。






 スコアが動いた直後の85分過ぎ、アンチェロッティはディ・マリアに代えてイジャラメンディを投入して守備固め、タタ・マルティーノは86分過ぎに陸上選手とのスプリントで治ったばかりの右太腿を傷めたバルトラに代えてアレクシスを投入してペドロ、ネイマール、メッシとデランテーロが4人いるスクランブル態勢へと突入した。しかし、アンチェロッティは時計の針を進めるべく88分過ぎにイスコに代えてカセミロを投入した。


 最後の攻撃を仕掛けて延長戦を目指したバルサは総攻撃を仕掛けた88分過ぎ、右サイドから運んだボールを中央でチャビが受けるとカセミロに寄せ切られる前にペナルティエリア内へ右足アウトサイドでスルーパスを送り込んだ。イジャラメンディを背負ったイニエスタがスルー気味に薄くボールにタッチしてエリア内へと流し、アレクシスが右へ動いてペペを釣ってカルバハルとの間にスペースが出来た位置に入ったネイマールへと渡った。これをダイレクトの右足つま先で狙うも右ポストに直撃、ゴールに吸い込まれることはなく大きく跳ね返ったボールはカシージャスの胸の中に収まった。


 89分過ぎにはベンゼマに代えてバランを投入されて3分のアディショナルタイムに入るもゴールに至らずに93分を迎えてタイムアップの笛を聞いた。7度目となったコパFinalでのクラシコは4勝目がマドリーへと転がり込み、3シーズンぶり19度目のトロフィー獲得となった。バルサは3シーズン前同様にメスタージャでコパを取りこぼし、更には11年ぶりの3連敗で自力では無理だが、一縷の望みが残されたリーガ戦線へ暗雲が立ち込めた。










 この敗北は成るべくして迎えた結果とはいえ、やはり目の前で永遠の宿敵にトロフィーを掲げられるのは痛い。容易に立ち上がれるような痛手ではないが、残されたリーガの5試合を戦うだけだ。5試合の間にチームには様々な話題が振りかかるだろうが、それも3連敗が11年ぶりというチームの宿命としえ受け入れるしかない。ラポルタとロセイの不仲で理事会が揺れた中、ペップ時代のフットボールの成功により隠れていたものが噴出したのが今かもしれない。ペップ時代の成功で隠れていたものが顔を出した以上は改革に着手しなければならない。理事会以下、フットボール部門、チームにとって痛みのある断行が求められる2014年4月だ。








Força! Barça!


いいね!した人  |  コメント(0)

[PR]気になるキーワード