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2005年07月14日 04時40分05秒

保険の話 後編

テーマ:保険で失敗しない

保険の話の最終回。ちょっと長いのでお覚悟を。


「え~?生命保険?俺、いたって健康だし、いらないよそんなもの~。入院?しないしない。それに、田舎の母親がなんか入ってくれてるって聞いた事あるし」

というのが最初の断り文句。自分で入る気なんてさらさらないという返事。

これが、何度も何度も顔を出されて、「小さいのでいいから」「お願いします、私を助けると思って」みたいな言葉で、渋々折れて加入する事になる。はっきり言って、契約者についてはほとんど語らない。

「この保険はね?」「最近出たばっかりの新商品でね?」「ほら、松嶋奈々子がCMに出てる、あれよ~」というノリ。

百歩譲って、「何かひとつは自分でも入っておく必要性を感じていた」としよう。


では、ポイントは何だろう?

あなたが初めて自分の給料から保険料を出して加入するのなら、終身保険だ

見るのはこれだけでもいいくらいだ。

保険料の中で最も高いのは何かといえば、間違いなく終身保険なのだ。年齢が若いほど安く入れるもので、これを出来る限り高く設定する事をお勧めする。

で、保険外交員が「お勧めはこれ!」と言って差し出すのは九分九厘が定期付き終身保険。

これは、いわばまやかし・・・は言い過ぎでも、ごまかしの保険だ。ちっちゃな終身保険に大~きな定期保険をセットにして、5000万円の保険よ!とやる。しかも、事故なら倍よ!とくる。

「は~俺が死んだら5000万か~。事故なら1億じゃん!」想像しがたい金額を前にして、やおら自分がえらくなった気分になる。で、保険料いくら?

「あ?そんなに高くもないね~?」「よし、それでいいよ。来月から引き落とし?」とあっさり決めてしまうのだ。


今、終身保険と定期保険という言葉を使った。簡単に説明する。終身保険は、保険会社が(契約者が保険を解約しない限りは)絶対に支払わなければならない保険だ。保険会社は、出来るだけ払いたくないから保険料を割高に設定している。それでも、若い人ほどそれは安い。僕の意見は、だからこそできるだけ終身保険を高く設定して欲しいのだ。しかし、勧誘する側はそうしない。月々に顧客が払える額の大部分を終身保険に充てると、事実上大きな保障(5000とか1億とか)にはならないのだ。それではインパクトに欠ける。若い人に勧める時にはそれを低い保険金額にするのだ。それを低く抑えて、じゃあ何を買わせるかといえば、定期保険だ。


定期保険とは、言葉の通り期間をあらかじめ決めてあるもの。何歳までとか加入してから何年までとか、その期間を過ぎたら保障はない。条件つきだから終身保険よりも大幅に安く買える。当然のことながら、年齢が上がるごとに死亡リスクは高くなるわけだが、終身保険にセットする場合は、10年更新の定期保険をくっつける。これがミソだ。

10年更新という意味は、例えば30歳で定期付き終身保険に入った場合、40歳になり、50歳になるとそのたびに保険料が上がる事になる。そこから定期保険についての(その他の特約も影響する場合がある)保険料が40歳加入のそれに変更されるのだ。定期保険だけは入りなおす事になる。入り直すといっても、何か手続きがあるわけではない。「もとからそういう契約だから、それでいいですね?」といわんばかりのお知らせハガキが届く。「え~?!そんなの知らなかったよ~」と叫んでも後の祭り。慌てて別の保険に入ろうったって、それよりもっと高いに決まっている。悔しいけど受け入れるほかはない。それに気付く人はまだ賢い人。もっと以前は気付かない人も多かった。何故か?結婚して財布を奥様に預けてしまい、通帳なんて残高しか見ていない。保険契約の内容なんて、本人が把握していないものを奥様が知るはずもなく、「そういうものだと」思う。無論、高度成長期にはある意味、重宝な面もあった。終身雇用、年功序列、給料は次第に上がっていく。最初に保険に加入した時は安月給だったはずで、10年ではなく30年以上の定期保険なら保険料もそれなりのものになり、もっと低い保障にしか入れなかったはずだ。


しかしながら、若い時は入院保障を最低でも5000円つけておけば、死亡保障のン千万は必要ないのでは?その時に入れる終身保険をこそより多く買うべきだ。定期付き終身保険は今じゃトラブルの多い商品で、それも大部分は契約者が泣くしかないシステム。高度経済成長時代だからこそまかり通った商品で、今は時代も変わったのだ。ちなみに、10年更新は確か、60歳?(記憶が定かでないが)を過ぎると、更新されない。加入時に若年の場合は更新が3回まで、とかの規定がある。つまり定期保険がきれいになくなる。その後は終身保険だけが残るわけだ。終身保険は、500万円以下に設定されている事が非常に多い。僕の経験では、それが100万円に設定されている人もいた。本人は驚くばかりだ。ひどい話だ。そりゃ、働き盛りに手厚い保障は理解できるが、平均寿命が伸びた今、老いた両親と同居する未婚の子供のなんと多いことか。だからできるだけ終身保険を買っておくべきなのだ。働き盛りの保障をいくらか削ってでも終身保険だ。本当に死亡する年齢の時は、保険金は葬式代にも不安な額。


「掛け捨てじゃない」という生命保険を説明しよう。このブログ読者の中で、保険の加入経験があり、「保障重視型」と「貯蓄型」みたいな設計書を比較検討された方がいるんではないだろうか?月々の予算が2万円として、18000円の設計書と22000円の設計書を比べたりしてはいないだろうか?一見すると、保障内容はそんなに変わらないように見える。で、2000円負担が増えるだけで、10年ごとに10万円のお小遣いがもらえる、とある。得な感じだ。実はこの場合、明らかに保障内容は下がっている。お得な感じを出すために、外交員は設計書を色々と組み立てる。すなはち、保険料の払込期間を長くする。で、保険料は下がる。災害特約や傷害特約(けがの時の後遺症に関係)を外す。で、保険料は下がる。ガンの特約を外す。で、保険料は下がる。要は、18000円の設計書には色んな特約をつけて気配りが出来た手厚い保障にしておく。すると、見かけの保障は変わらず、お小遣いつきの「たった2000円プラス」の「自分にも嬉しい保険」が完成する。前回の「保険の話 中編」で話したように、「掛け捨てじゃない保険」は、貯蓄をくっつけただけのものだ。その分保障は下がる事をお忘れなきよう。貯蓄型の良かった時代もあるにはあった。そう、バブル期。そして高度経済成長の昔。保険会社も高利回りで資産を運用していたから、配当がわずかでも入る場合もあったのだ。しかし、生命保険の場合は5年や10年じゃ終わらない。そして今、空前の超低金利、である。資産をしっかり増やす手立ては、もっとほかで探した方が良い。ま、仕事が毎日忙しくって儲かって仕方がなくって、金は使うヒマがないというリッチな方なら、貯蓄型に入ることを否定はしない。ま、保障も充分つけてね。


何年だったか?生命保険と損害保険の自由化で業界は厳しさを増している。銀行の窓口でもやっている。各社、色々な呼び方をするし、商品は益々細かくなっているが、基本的には今述べたような事である。


最後に、解約返戻金がちょっとしかなかったという「憤慨経験」をお持ちの方へ。

解約返戻金の中身は、それまでに支払った保険料の中の「終身保険に充てられていたお金」である。定期保険に充当してあった保険料は、当然掛け捨て部分だから、ない。もう過ぎてしまっているから、終わり。解約したからといって、「もともと掛けて捨てる契約だった部分」のお金だから、絶対に返っては来ない。

また、契約者貸付という制度があるが、あれは、過去に支払った保険料のうちの、やはり「終身保険に充てられていたお金」の中から、保険会社が限度額を決めて貸してくれるというもの。終身保険の保険契約が有効である以上は、保険会社はもしもの時に死亡保険金を支払わなければならない。そのお金については預かってくれているというわけだ。で、借りたら返しておかないと、保険金支払いの時はその分減らされる。


あ~、ずいぶん長々と書いてしまいました。

最後までお付き合い下さった方、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

もしや思い当たるフシがおありで?

証券診断をば致しましょうか?単なるアドバイスですが。

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2005年07月14日 01時21分44秒

保険の話 中編

テーマ:保険で失敗しない

昨日の続きです。


説明しよう。一万円ずつ10回(10万円)の保険料を支払ったら100万円下りる保険があるとする。≪保険金を支払う場合≫に該当しなければ保険金は下りない。当然の事だ。保険期間が過ぎたら、幾らか下りるか?そんなわけないし、10万円だって返ってこない。それが保険だ。それでは何だか楽しみがないし・・・というわけで積み立て型が登場したのだ。保険期間が満了したら(満期になったら)いくらかお小遣いがもらえるシステム。そのかわり、同じ保障内容でも保険料は例えば1万5000円となる。返ってくるお金は5万円プラスアルファ(運用で得た利回り)だ。やっぱり10万円は返ってこない。


僕はかつて保険代理店の仕事をしていた。顧客から預かる保険料は会社に納めるが、その預かった保険料を積み立てて行くことで成績は上がっていく。

保険料を1年間で10万円支払う顧客を100人集めれば、それすなはち1000万円の数字ができることになる。1000万円の代理店と呼ばれる。ある日、ある顧客の紹介で積み立て保険を頂く事になった。預かった保険料は98万円。しかし、成績に反映される数字はぐぐっと少ない。98万円の内訳は、補償保険料が2万円で、積み立て保険料が96万円なのだ。その保険は満期時に100万円を受け取れる積み立て保険だ。しかし保障については2万円のものでしかないわけだ。

更に、自動車保険の割引については皆さんご存知だと思う。事故が少なければ少ないほど割引率が上がって、基本的には毎年保険料が安くなる。割引率の高い契約(保険料は安い)ほど、僕らの手数料率が高いのだ。逆に言えば、割引率の低い契約は保険料が高く、一見すると大口の契約かと思いがちだが、僕らの手数料率は低く抑えられる。これは、生命保険で言うところの若年者(保険料は安い)と高齢者(保険料が高い)にあてはまる。つまり、「若年者は死亡リスクが低い=事故歴のない顧客は保険を使うリスクが低い=保険料が安い」だ。高齢者はこの逆になる。


生命保険の売り方は、従来お付き合いに頼るものが多かった。ニッセイのおばちゃんが自転車で家々を回る営業手法は、高度成長の時代に確立された。お付き合いといっても、顔馴染みの人だから、悪いようにはしないだろうという全く根拠の無い信用。それも終身雇用が崩れ始め、バブルは弾け、リストラの不安、ボーナスカット、景気の停滞と共に財布の紐はきつくなる。家計のやり繰りを考え、生命保険の見直しだって当然考え始める。だから今は、コンサルティング営業が主流となっている。それは、バブル期に多くの保険会社が不動産やらに手を出して財務状況を悪化させ、倒産する会社もいくつか出た。「そんなところにお金は預けられない」と誰もが思う。消費者は不信感を募らせ、保険の契約内容をきちんと理解したうえでないと加入しない傾向にある。はっきり言って、これはいい事だといえる。契約者も無頓着であり過ぎたのだ。


つい最近、明治安田生命の1000件にものぼる保険金不払いが発覚し、また、日本生命の社員が刃物でいきなり刺されるという事件も発生した。

「3年前にこういう病気してるのよ~」

「もう治ったんでしょ?じゃあ平気よ~。私聞かなかった事にするから。ダイジョーブよ」

・・・な~んてやりとりがあったのだろうと想像する。いずれ判る事なのに、そんな無責任な営業はいか~ん!


次回は、生命保険の賢い加入についてです。
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2005年07月13日 06時56分30秒

保険の話 前編

テーマ:保険で失敗しない

平成17年7月10日付け読売新聞西部本社版朝刊、15面の読者ページ。

熊本市在住43才、女性会社員の方の投稿が載っている。

<中略>・・・保険金の払いは給料から天引きされ、おおざっぱな性格とあって契約内容も読んでいなかった。11年後、大掃除をした時、息抜きで契約書を読み、びっくりした。私が死ぬと、高齢の母が保険金3000万円を受け取るようになっていた。

おかしい内容に慌てて解約したが、返ってきたのは払った額の3分の1。契約書をもっと早く読んで内容を理解していたら、こんなことにはならなかった。今なら入院時の保障が大きい年金型保険を選んでいたのに、と後悔した。その後、どこにも入っていない。


中略の部分を概括すると、保険加入は18年前で、本人は必要性をさほど感じていなかったものの、母が絶対的に信頼する親類の勧めで渋々入ったとの事。


僕はかつて5年ほど保険の代理店を営んでいた者であり、これが一般契約者の認識なのかと考えるとちょっと待ってくれと言いたくなる。それは一般契約者が悪いという意味ではなく、このケースは恐らく説明不足であり、極めて不幸な事例だと考えるのだ。


まず、「私が死ぬと、高齢の母が保険金3000万円を」にこの方は「びっくり」している。通常、保険金受け取り人について、指定しない場合には法定相続人が受け取るのが真っ当な流れであり、母親が保険金受け取り人になることは自然なのだ。普通、結婚すると配偶者に受取人を変更する事はよくあるが、この方はそれをやっていなかったのではないか?

「高齢の」という言葉からして、ひょっとすると「先に死ぬであろう母が受け取り人になっていて、現実にそうなったら保険金は支払われない」とでも思ったのか?その場合は、父が受け取るのが自然で、その方もいなければ本人に一番近い人・・・つまりこの方の一親等にあたる人が受け取れるはずだ。保険契約に何ら問題が無く、保険金請求さえちゃんとやれば保険金は下りる。逆に保険契約が有効なのに、請求されないままの保険は山ほどあるだろうとも思うが。


次に、「慌てて解約したが、返ってきたのは払った額の3分の1」について、「契約書を・・・こんなことにはならなかった」と憤ってらっしゃる。ちょっと考えてみて欲しい。大部分の方は、死亡保険金と同じ額の保険料を払う事はあり得ない。死亡保険金は「被保険者の死亡と引き換えに受取人が受け取るもの」で、引き換えるための「死亡」前なら、規定どおりの解約返戻金が戻るだけの話だ。支払った保険料の額とそれほど変わらない死亡保険金の例はかなり高齢の方の場合で、しかも300万円などと低く抑えられていて、保険料も相当高くなる。

これは、パンフレットの謳い文句や、最近とみに増えているテレビCMの影響なども考えられる。“掛け捨てじゃない”なんて言ってるが、掛け捨てじゃなかったら、それは貯蓄に過ぎない。重ねて言うが、「掛け捨てじゃない保険」なんてこの世に存在しない。つまり「掛け捨て」という言葉が曲者なのだ。保険という商品は、「お金を掛けて(もしもがなかったら)そのまま貴社にあげる」システムへの加入料なのだ。


「掛け捨てじゃない保険」は「犬じゃないチワワ」と同じだ。


・・・以降、次回へ持ち越し。
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