2005-07-05 23:57:54

新しいブログへ引っ越しました

テーマ:ブログ

(12/8 内容修正)

 下記へ引越して更新を続けています。

 ご面倒をおかけしますが、引き続きお付き合いいただければありがたいです。

◎~2006.1.15  ■RED AND BLACK ■ レ・ミゼラブル2005日記

◎不定期更新中 ■RED AND BLACK extra■ 舞台と本の日記


引越しに伴ってここは更新を止めるため、新規のコメント投稿はお控えください。トラックバックを停止しています。ご容赦ください。

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2005-07-04 23:59:14

『風を結んで』(2)役者の持ち味を生かした登場人物

テーマ:舞台を観る

白状すると、このお芝居、冒頭から魅了されたわけではないのだ。お笑い担当の平吾たち3人が酒の取り合いをする場面は、今ひとつ弾けっぷりが足りないように感じて、気が乗らなかった。お笑いで言えば「ツカミ」が弱かった感じ。


それが、1幕途中からは昨日書いたように登場人物に引き込まれ、2幕からは物語を前へ進める役者の力に圧倒され、気がついたらあっという間にカーテンコールだった。


こう感じるのはおそらく、役者それぞれの個性を生かして登場人物が設定されていたからではないだろうか。公演パンフレットで役者の誰かが「(TSミュージカル主宰の)謝先生に『あなたにぴったりの役だから』と言われて、やってみようと思った」というようなことをコメントしていたが、確かに、役者の持ち味が芝居に生きているなと観ていて思った。


例えば、旗本・平吾を演じる坂元健児さん。新しい仕事で生きていこうと浪人武士たちを鼓舞するひたむきさは、『キャンディード』のカカンボや『ミス・サイゴン』のクリスで見せた、明るく力強いキャラクターにぴったりだ。(クリスは最後苦悩するけれど、あきらめず道を切り開こうとする意思は、平吾と共通していると思う)


そして武士のまま死ぬことを選ぶ剣豪・右近が、決闘のとき、刀を振り下ろす力もなく崩れ落ちる場面は、いうまでもなく『レ・ミゼラブル』ジャベールの姿が重なった。演じるのはどちらも、今拓哉さん。「俺は用なしの人間なのだと思い知らされたそのときから、剣を持っても力が入らないのだ!」と我を失う武士の最期は、「心震えるのだ 俺の世界消え失せた」と嘆いて身投げした警官に通じる。「自殺」に至る気持ちを繊細に描写していた今ジャベールの演技を思い出したら、右近にちょっと惚れかかった自分のあさましさが恥ずかしくなってしまった…。


余談だけど、公演後のアンケートには
「今後TSミュージカルに出演して欲しい役者を教えてください。(その理由)」
とあった。「理由」が大切なわけ、この舞台で分かった気がする。

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2005-07-04 03:28:50

『風を結んで』(1)「日の当たらない人生」が、なぜ泣ける

テーマ:舞台を観る

(あらすじは、こんな感じ)

世が明治に変わって間もないころ。刀の所持を許されなくなった武士たちは、明日の生活にも事欠くありさまである。洋行帰りのお嬢様・由起子は、そんな浪人たちを集めて“パフォーマンス”をさせるビジネスを思いつく。身分へのこだわりを捨て、見世物一座に参加した侍たち。そこへ、全国の不平士族たちが各地で反乱の狼煙を上げたという知らせが入る。このまま芸人として新しい人生を歩むか、それとも…。激動の渦の中、浪人武士それぞれが出した答えとは。


(感想ここから)

TSミュージカルファンデーション を初見。

泣いた。
泣きゃあいいってもんではないのだが、誇りを手放す男たちの葛藤を目の当たりにして、何度も涙をぬぐわずにいられなかった。


この作品には、対照的な生き方がいくつか取り上げられている。


「いかに死ぬか」という武士道から外れることのできない剣豪・右近(今拓哉)。「生きて、生きぬく。そのためなら武士を捨てて喜んで大道芸人になる」と言う旗本・平吾(坂本健児)。信念のために死ぬ男に対し、大事な人のために生きようとする男という構図。


「チャンスは自分でしっかりつかまなきゃ」という考えをアメリカで仕入れてきた由起子(絵麻緒ゆう)。「この人のためなら尽くしてみたいという人とめぐり合いたい。それが強さに思える」と信じる静江(風花舞)。2人の女性の好対照な姿勢。


このお芝居を観て最も共感できた点は、これらに勝ち負けや優劣をつけて描いていないことだ。男たちは、日の当たらない人生の中で、失ったよりどころを求めて揺れ動いている。女たちも、自分の考えは本当に正しいのかと想いをはせる。そこで時代の流れに乗ろうが置いていかれようが、決めた道を貫こうとする者に、「勝ち組」も「負け犬」もいない。


泣けたところといえば、佐々木という武士が、将来を悲観して身投げしようとしていたところを救われ、見世物一座に連れてこられた場面だ。「かつて自分の家に仕えていた下男が、いまや人力車引きとなった私の客となり、こづかいまで握らせたのです」と告白する様子に、最初の涙がこみあげてきた。体面を捨てて傷ついた誇りに、世間はさらに塩を刷り込もうとする。一座に集まった男たちに共通する痛みだろう。後に、この佐々木は反乱士族を取り締まる警察側のスパイであり、この話は偽物だと分かるのだが、それにしても観ていてつらかった。


さらに、1幕最後で一座の集合写真を撮るシーン。右近が後列端に加わってポーズを取ろうとする姿に、涙がぼろぼろ出てきた。武士道精神が骨の髄までしみこんでいるこの男は、家を守るためなら妹・静江を身売りするのもやむなしとする。そこを救った平吾への借りを返すため、右近はしぶしぶ一座へ参加しており、仲間とはどこか一線を引いているのだが、写真撮影のときはけなげに芸人としての職務を全うしようとしているのだ。こんな格好でいいのかな、この位置でいいのかな、と姿勢を微調整している右近。自分の存在理由そのものである武士道を捨て、見世物になる苦しみに黙って耐えている。私の中では、ここがお芝居のクライマックスだった。


印象深かったキャストのことなど、また今夜。

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2005-07-01 16:42:56

タナボタ企画『魅せられて日本』 (2)

テーマ:舞台を観る
タナボタ公演を観るもう一つの楽しみは、衣装プラン担当:岡幸二郎さん肝入りのコスチュームを堪能することにあります。

伊藤恵理さん、堀内敬子さんの着物姿が可愛らしかったなあ。注目したのは後ろ姿。着物の知識はほとんどなくて申し訳ないのですが、今まで見たことのない帯の結び方でした。伊藤さんは、観賞用の金魚「りゅうきん」の尾びれのように、ひらひらが重なった結び目。堀内さんは、菱形がいくつか重ねられた形に結んでありました(記憶違いで逆だったらごめんなさい)。なんていう結び方なんでしょう? 着物の柄もおしゃれだったので、どこのお店のものか知りたかったけど、パンフには書いてありませんでした。

ヘアスタイル。堀内さんは、おかっぱ頭をアレンジしてボリュームを出した感じ。終始、はすっぱなキャラを演じていたのですが、そんな娘らしさにぴったりでした。伊藤さんはレトロなアップスタイルだったかな? どちらも、パンフやちらしの衣装とは違っていました。

2幕は歌に合わせて、洋装にチェンジ。特に、オールディーズコーナーの60年代風ワンピースやパンタロンがすてきでした。

堀内さんは16歳の女の子になって、ノースリーブのふんわりした白いワンピースを着こなしていました。本人は「…かなり無理があるわっ!」と笑ってましたが、すごくキュート。見とれちゃいました。顔は丸くて幼い面影があるのに対し、足が細くてちっちゃいこと(どこ見てるんだかって感じですが)
! だからこんな服が似合うのね。

伊藤さんは、ペアで歌った岡さんに「君は年上~♪」なんてつっこまれてましたが、なんのなんの、言われなきゃ分からない! 声もつやつやだし、今でも「ミス・サイゴン」の初演で演じたキムができるんじゃないかと思ったほど。こう書くと、なんかヨイショしてるみたいですけど、ほんとにそう思いました。

次回の更新は、アメーバblogのメンテナンス終了後の7/4(月)になります。
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