目をつぶって聴いてみる | ■RED AND BLACK■レ・ミゼラブル2015日記

目をつぶって聴いてみる

たぶん2003年公演のときかな、当日券で観ようと思って帝劇行ったら、なんと最後の1枚だったのね。R列の後ろの補助席の、いちばんすみっこ。それでもどうしてもレミゼ観たい気分だったので、買って座りました。


でもこれが観にくくて…。前の列に座ってる人のすき間からなんとか舞台を覗くのが精一杯。困ったなあと思ったわたし、思い切って目をつぶって耳だけでレミゼを味わってみることにしました。


そしたら、無理して目を開けて見るよりも、じーんときて…。たまたま、山口バルジャンが「彼を帰して」を歌ってるところだったんだけど、耳に心に、バルジャンの優しさがしみいるようだったよ。


こないだの週末も、ふとそれを思いだして、目を閉じてエピローグに耳を傾けてみました。「♪ 若者たちの歌が聴こえるか 光求め高まる歌の声が 世に苦しみの炎消えないが どんな闇夜もやがて朝が…」 ファンテとバルとエポが耳を澄まして、天国の若者たちの声を聴いているのと同じように、自分もしてみたの。たちまち涙出てきましたよ。「♪ 世に苦しみの炎消えないが…」それでも希望を持たせてくれるこの歌の力が、深く、深く響いてくる。


劇場にいながらにして、耳だけ使って観劇するの、たまに試してみると普段とは違う何かを感じたりします。