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2005-12-31 23:00:14

水と油(2)

テーマ:レミゼ観劇記

昨日の記事の続き。
全然相容れないタイプに見えた石井バルジャンと岡ジャベール。でも、「対決」で二人のの差がくっきり刻み付けられたことが、「スターズ」の歌いぶりにも反映されていた気がする。


いつもは「岡さんが歌うスターズ」の巧さにしびれていたが、29日は『あいつ』に執着するジャベールの声に聴こえた。臓腑が煮えたぎっているような、ねちっこさを感じる歌。前後の芝居によって、同じ歌でもこんな風に違って聴こえるものなんだとびっくり。「この星に誓う俺は」を決めた後も、余韻はほどほどに、暗闇を一瞥してさっさとバルジャンを探しに(?)去っていった。


「見ろ! ジャベール! 死にかけてる!」で石井バルジャンは、マリウスをぐいと持ち上げるようにして相手に見せつけた。それと同時に、岡ジャベールの内面はほろほろ崩れていく。肩で息をしながら何とかバルジャンに対峙していたけど、生々しい人間の感情を前に、持ちこたえられなくなってしまったんだなと伝わってきた。熱湯を注がれたグラスがぱりんと割れてしまうかのように、粉々になってしまったジャベール。その動揺を引きずってか、「あいつは、どんな悪魔だ!」から「何もないバルジャンとジャベール」まで、いつもよりテンポアップして、一気に言葉を走らせていた。


こんな激しく異なるバルジャンとジャベールを見たあとだから、カーテンコールで仲良しの石井さん、岡さんを観たときは、「バルジャンとジャベールのその後」があったらこんな感じかしらと想像したくなった。自殺したジャベールと天寿を全うしたバルジャンがあの世で出会うかどうかは分からないけど、願わくば「彼ら主の国で自由に生き」て、分かり合えていたらいいなと…。物語の設定とは違うのかもしれないけどね。


今年のblogはこれで終わり。たいへんお世話になりました。どうぞよいお年を。

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2005-12-30 23:14:06

水と油

テーマ:レミゼ観劇記

昨日の石井バルジャンと岡ジャベール、途中までは「大丈夫かなあ…」と少し不安を抱えながら観ていた。

歌詞に強弱をつけて間をたっぷりとって、熱くじっくり演じる石井バルジャン。囚人番号を呼んで仮釈放を言い渡すジャベールに「俺は!!  ジャン・バルジャン」と返すときの荒くれぶりは、バルジャン役者の中でも一番だろう。司教さまに「闇からあなたを主は救いたもう」と肩に手をかけられても、最後の最後まで相手と向き合おうとしない頑なな心の持ち主だ。

翻って、岡ジャベールはツーロンでバルジャンと初めて相対するときから、美しい声で朗々と「法と正義」を歌いあげる。ファンティーヌの逮捕のときの「しかし、市長」も、この日は優雅な言い方で、「ご冗談でしょう?」と戯れているように聴こえた。

まるで水と油のような二人。あまりにも違いすぎる路線なので、「うまくかみあわないまま、今日の舞台は終わるのだろうか」なんて予感もしていた。

だけど「対決」になって、この違いが効果的に作用しているように思えてきた。この場面、役者の組み合わせによっては、前半はジャベールが強く歌ってバルジャンが抑え、後半はその逆にすることで、両者のバランスをとっているときがある。だけど、石井バルジャンは最初から最後まで声を抑えることがなかった。「考えろジャベール! 俺の力を」ではファンティーヌのベッドをこぶしで叩くような真似をして、力を誇示している。それに動じることなく、「つべこべいうな 生まれたことが罪そのものだ」と冷たくひたひた迫る岡ジャベール。

そうか、すべてはこの温度差を見せつけるためだったのか…。石井さんと岡さんの意図がどうだったのかは分からないけど、これほどまでに異質なバルジャンとジャベールが向き合う姿は、初めて観たような気がした。「誓って やりとげよう」が微妙にずれていたのも、近づけど交わることのない二人の気持ちを表しているようだった。

ここで観客に差し出された違和感が、後の場面にも尾を引いていくことになる。続きはまた明日。

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2005-12-30 00:05:51

ON MY OWNとバリケード

テーマ:レミゼ観劇記
ON MY OWNが、ただ片思いを嘆くだけじゃなくて、自分の生きる道を決意する歌でもあることを、今日の坂本エポは身を持って示してくれた。ここでエポニーヌの意志を強く感じさせてくれたせいか、彼女の去り際にバリケードがゆっくり組み合わさるときの音楽に、これまでとは違うものが響いてきた。エポニーヌそして学生たちの「後戻りはしない」という信念が、重い和音となって曲の底を流れる。バリケードの完成する姿は、彼らの運命が決定づけられる瞬間を象徴しているのかもしれない。今さらながらそんなことに気付いたら、頂上で旗を掲げて「レーッド!」と歌い出す岸アンジョルラスに胸がしめつけられそうになった。こんな見方ができたのは、坂本さんのON MY OWNのおかげ。ほんの数か所、声がかすれたけど、それすらエポニーヌの必死さを際立たせていた。2003年公演以来、何回も聴いたこの曲、今日が一番ぐっときた。
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2005-12-29 16:42:11

2005年千秋楽

テーマ:レミゼ観劇記
岸アンジョルラスの死の瀬戸際、あんなに切羽詰まって振り絞るような声は初めて聴いたよ。これだよ、この気迫が欲しかったんだよ!坂本真綾エポニーヌのON MY OWN、心に沁みて、まぶたがにじんだ。瀬戸内さん司会で、本日楽の岸アンジョ、坂本エポ、岡田マリウス、岡ジャベ、石井バルの挨拶。岡さん「ここにいる中で、8年前(の大阪公演)に出ていたのは、私とカズだけ。そのときは赤いちゃんちゃんこを着ていたのですが、年をとって警察のおっちゃんになりました。感慨深い。先人の志を継いでいきたい」。アンサンブルも前半組は今日で終わり。「彼らの気迫に支えられた」と岡田マリウス。最後にみんなで民衆の歌。苦しみの炎は消えなくても、レミゼがあれば生きていこうと思う。家へ帰る新幹線の中で赤い夕陽を眺めながら、過ぎた日に乾杯。
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2005-12-28 23:52:31

サラギーナを超えろ!

テーマ:レミゼその他

大阪公演で初お目見えしたマダムテナルディエ役・田中理花さんの調子は、最近いかがなのでしょうか?

ナイン the musical のサラギーナおばさんで観たときは、イタリアンな肝っ玉かあちゃんっぷりが板についていて、とても印象に残りました。いたいけな少年を惑わす、おばちゃんの色気ったらなかったわ。


だからこの間(もう1週間以上経つけど)も、とっても期待して見ました。だけど、んー、サラギーナほどのパンチは効いていなかったかなあ。ばーんと個性を押し出してくるかと予想していたんだけど、慎重に作品との距離を測りながら演技しているように見えました。まずはレミゼの音楽に身をまかせているというところ? いたずらに焦って無理に自己主張するより、じっくり取り組むタイプの役者さんなのかしら。大阪後半、いい意味で弾けて、サラギーナを超えるインパクトを与えてくれたらいいな。


ミュージカルに出るようになる前は、幼稚園の先生をしていたそうですね。リトルコゼットをいじめる演技は、舞台上のこととはいえ、つらくなることもあるのかなあ。でも、どちらもプロだもの、そんなの関係なく、真剣勝負しているはずだわね。

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2005-12-27 23:44:18

志ある若者が死ぬのはつらい

テーマ:レミゼその他
中村勘三郎さん主演のこのドラマをさっきまで観てました。
あらすじはリンク先を観ていただくとして…。
レミゼでも日本の時代劇でも、志半ばに死んでいく若者を見るのはつらい。
ぬるい感想かしらね…。

レミゼの「犠牲者たち(カルーセル)」に出てくる女性たちは、そんなこと口に出さない。
♪ねぇ観た 戦いを
♪武器さえ使えない学生死んでも誰が泣く
♪変わらない 何一つ
♪お祈りしても 聞くものいない

今の歌詞にも庶民の静かな怒りが感じられるけど、短縮前の歌詞も残してほしかったなあ。
♪見たかね 死んでたが 小さなときにあやした子だ
♪教えなかった死ぬことなど

この歌を青盤でよく聞いています。
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2005-12-27 01:56:49

分かりにくくて好きな岡ジャベール

テーマ:レミゼ観劇記

ちーっ。
エグゼリーノ氏 ったら、あんなに熱を込めてジャベールへの想いを語ってくれちゃって。そそられるじゃないの…! あぁ、観たいな、岡ジャベール。この間観てきたばっかりなんだけどね。


自分にとってこの人の演技の魅力は、意図するところがすぐには分からないこと。「ミステリアス」と表現する方が、伝わりやすいかな? 「心情や状況を逐一説明する」というより、受け手にどこか解釈の余地を残しているところが好きだ。だから、たまに少しだけ解説してくれたりすると、想像力がいつも以上に刺激される。


例えば自殺の直前、下水道でバルジャンと相対する場面。この春1回目観劇でも、同じシーンについてこのblogで書いた けど、冬になって観てみたら、また違うジャベールがそこにいた。


「見ろ! ジャベール! 死にかけてる!」とバルジャンに迫られるとき、岡ジャベールは遠目からも分かるような大きいリアクションを起こしたりはしない。だけど、彼の内面に起こった変化が、場の空気を震わせていることは伝わってくる。

この日、岡ジャベールの眼は宙を泳いでいるように見えた。信念がぼろぼろと崩れていく様子そのままに、視線は定まらず、顔が小刻みに揺れ動く。これ以上バルジャンを見るのはたまらない、もう耐えられないという緊張が高まっていき、頂点に達したところで「よし! バルジャン! すぐ行くのだ!」と道を明け渡してしまったのか。ああ、もうこのときジャベールは抜け殻になってしまったんだな、と気が付いたらこちらまで放心状態に陥っていた。


こんな解釈が、役者本人と同じかどうかは分からない。別に同じじゃなくてもいい。ひたすら圧倒される鹿賀ジャベールのような存在に憧れる一方で、心の奥を見せてくれそうで見せてくれない岡ジャベールにも惹かれてしまう。

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2005-12-26 18:11:42

新妻聖子エポニーヌの記事を発見

テーマ:レミゼその他
Webでニュースチェックしてたら、突然出てきてびっくり~。
「輝き放つ、新しき歌姫」
http://www.zakzak.co.jp/people/people.html

「シンデレラガール」というのは納得。
でも155センチで42キロって、これホンマやったらあんた、痩せすぎやで!
大阪でしっかり食べなはれ。
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2005-12-25 23:24:46

♪まぁるい月が~

テーマ:レミゼその他

大阪公演、わたしが観た限りでは、テナルディエの印象がもうひとつ弱かったのが気になりました。いえ、佐藤さんもコングさんも、歌はお芝居は上手なのです。観客を楽しませよう、一生懸命演じようという誠実さも伝わってきます。特段悪いところがあるわけではないのに、なんでだろう。


何となく腑に落ちなくて、テナルディエの見せ場ってどこかなと改めて考え直してみました。うーん、自分にとってはやっぱり「下水道」でのソロナンバーだな。テナルディエの気持ちが最も見えてくる、大事なシーンです。


♪ 天国見上げても まぁるい月が 見下ろすだけ…


帝劇では、ここで時々拍手が起きることがありました。もちろん、わたしもしたことがあります。というより、できれば毎回、そんなふうに称賛したくなる「下水道」シーンであってほしい…。


わたしがこの歌でぞくっとしたことがあるのは、駒田一さんや斉藤晴彦さん(SPバージョン)が演じた回だったかな。「♪ まぁるい月が~」という声に漂う虚無感。心にぽかーんと穴があくような歌い方に、はっとさせられるのです。見上げているのは月ではなく、自分の心にある昏い穴…。なんだか、テナルディエのような小悪党も他人のような気がしなくなってきます。


斉藤テナルディエは「下水道に出て行く直前、『彼を帰して』のメロディーを奏でるオーボエを聴いているときが、自分にとってレミゼのクライマックスだ(以上、要約)」とSPバージョンのプログラムで語っています。手に汗握るような「下水道」シーン、新しいキャストも見せてくれるかな。

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2005-12-25 00:46:26

クリスマス…

テーマ:レミゼその他

カーテンコールでクリスマスらしい演出なんかあったのかしら、なかったのかしら…。東京で木枯らしの中、街を歩きながら、頭の中では小さい音で「夢破れて」が流れていました。


そういえば去年の今ごろはレミコン(『レ・ミゼラブル・イン・コンサート』)が全国巡回中で、クリスマス公演のときは、カーテンコールでちょっとしたサービスがあったと聞いたような気がします。あれから丸1年か、早いなあ。これからもこうして、レミゼとともに年を重ねていくのかな。将来のことは分からないけど…。来年の4月までは、今の調子で観れるだけ観に行くと思いますが、いつまでもこのままでいるかどうかは、自分でも分かりません。


でも、2003年に『レ・ミゼラブル』と出会ってから、2006年の日生劇場公演までの日々は、自分の人生の中でも特に思い出深い期間として刻まれるだろうと思います。だから今は、将来に悔いの残らないよう、思う存分レミゼに愛を注ぐのだ!

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