第32鮫 オカヤド

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「人外系萌え」と言う言葉をご存知でしょうか?モンスターと女の子と萌え要素が入ったジャンルで、その人外系萌えを『モンスター娘のいる日常』で一般的に広めたオカヤド先生。今回はそのオカヤド先生に赤鮫が行く!!近藤哲也が噛みつきました!赤い鮫の女の子描いてくれないかな~。それではどうぞ!(アニメ化も決定しました!!)


まずはコミックリュウ副編集長であり、オカヤド先生の担当編集でもある猪飼さんにお話をお伺いします。猪飼さんはどういった経緯でオカヤド先生と出会われたのですか?
猪飼副編集長(以下、猪飼)――『けもも』という人外アンソロジー本の企画があった時にリサーチしたんですけど、みんな口をそろえて「オカヤド先生がオススメです。まずpixivを見てください!」と。見てみたらまさにこれだ!っていうネタで、何より漫画が上手だったんですよね。それで「あれっ、これは素人じゃないな。誰かプロじゃないかな?」と思ってご連絡しました。
オカヤド先生(以下、オカヤド)――ちょうど連載が終わるちょい前で、「連載終わったらどうしようかな~」ってぼんやり考えてる頃だったので渡りに船でした。

猪飼――その時に描いて頂いたアンソロジーがすごくウケが良かったので、連載してもらおうと。で、編集長に1話目のネームを出したらすぐにOKもらいました。

オカヤド――トントン拍子に進んでいったので、「これはあまりにも調子が良すぎるんだけど、大丈夫かな?」って思っちゃいました(笑)

猪飼――ネタはニッチでもメジャーな漫画を描ける方だなと思ってましたので、売り方さえ間違えなければ全然勝負できる!という感じでした。ヒットするだろうという手ごたえは最初からあったんですけど、ここまで大ヒットするとは予想してなかったです(笑)予想以上に世の中が進んでたなと。コミック1巻を出す前からアマゾンで売り切れて、追加注文がきて…。

オカヤド――発売日の朝に猪飼さんから連絡があって「今日は発売日だね!」みたいな電話かと思ったら、「重版が決まりました!」「えっ今日が発売日ですよね??」って。


そう言うことはよくあるんですか?
猪飼――いやいやいや、何年かに1回あれば嬉しいぐらいですよ。


しかも1巻が出た頃って、今よりも人外系がここまで広まってなかったですよね?
猪飼――ラミアが受け入れられるかどうかわからないと思いながらやっているところはありました。

オカヤド――こんなニッチな漫画だから最初からエンジン全開でやらなきゃダメだなと思って、1話目から全力で描いたんですけど。
猪飼――それが良かったんですよ。それで今に至る感じです、どこまで売り上げが伸びるんだろうと思ってます。(2014年8月で100万部越え)


オカヤド先生のペンネームの由来はなんですか?

オカヤド――(別冊マガジンで)別の名前で連載していた時に、趣味で描いてた1ページの人外系の漫画をpixivにまとめてアップしようと思ったんですが、エロ漫画をあげるのはひょっとしたら編集さんに怒られるんじゃないかなと思って、なにかHNを考えなきゃいけないなと。で、部屋を見渡したら、たまたま飼ってたオカヤドカリがいたから、これで良いかなって。ホントそれくらいのノリでやっちゃったのに、そっちの方が有名なっちゃって。
猪飼――世界的に有名になっちゃいましたね。


人外萌え要素の強い漫画を描くにあたって、何かに影響を受けて描き始めたのですか?

オカヤド――そのときどきでハマった作品はあるんですけど、萌え要素の入ったものはいっさい読んだことなくて、自分でもどうして今の作品を描くことになったのかわからないんですよ。個人的にはアクション漫画でデビューして、そういう漫画を描いていく予定だったのに気付いたらこの方向に。


運命なんですかね(笑)

オカヤド――そうですね、知らぬ知らぬうちに(笑)


はじめから(萌え漫画に)どっぷりじゃなかったが故に、客観的に見れて良かったんじゃないですか?

オカヤド――そうですかね。普通の萌え漫画を描こうとしてたらモンスターの要素とか思いつかなかったかも。


だから女の子のファンも多いんじゃないですか?

オカヤド――ん?
猪飼――増えてきてると思いますよ。


オカヤド――今のところ、その実感が全く無いんですけど…。「先生の作品が大好きです、先生のことも気になってしまって…、私と付き合ってください!」みたいな女の子が現れるんじゃないかとずっと期待してるんですけど、今のところ来ないですね。
猪飼――近藤さん、ここは特にしっかり書いておいてもらえませんか?

オカヤド――彼女募集中です!
猪飼――凄い好青年なのでお勧めです。

オカヤド――めちゃくちゃ尽くしますよ。


女性ファンを増やすために漫画の路線まで変えちゃったりして(笑)
猪飼――急にBL要素も入れたりして(笑)


男性のモンスター息子が出て来て(笑)

オカヤド――BL描けないんで大丈夫です(笑)


オカヤド先生はこれまでも何度かサイン会をされていますが、ファンとの交流はどうですか?

オカヤド――会いに来て下さることが嬉しいです。漫画を描いていてネットや売り上げなどのデータの反応はあっても、直接的な反応はなかなか見れませんから。電車内で読んでる人と遭遇するとか経験し得ないので。
猪飼――電車では読みづらいですよね(笑)

オカヤド――なのでサイン会に直接来ていただけるのが凄く嬉しいですね。


漫画家になって悪かったことはありますか?

オカヤド――ネタが出ないときは地獄ですよね。特に風呂の中でうううううって1日中ネタを考えて何も出なかった時は最悪です。風呂には浸かったけど、今日1日何も出来てないという無能感がどーんと来て潰れそうになります。あぁぁぁぁぁぁぁ~~って溶けてなくなりそうな感じになっちゃいますね。
猪飼――風呂なんだ…凄い具体的ですね。


詰まった時に打ち合わせはされないのですか?

オカヤド――そういう時はすればいいかもしれないんですが、人に意見聞いちゃうと、それ以降も頼っちゃって、自分で考えられなくなっちゃうような気がして。
猪飼――事前に先の話は伺って。

オカヤド――こっちで好き勝手やらせてもらっているので。
猪飼――そうした方がオカヤド先生はうまくいくな~というのでお任せしてます。


描くためのこだわりはありますか?

オカヤド――女の子描くときは可愛くとか、色気とかを出すようにしてるんですけど、難しいですよね、曲線の柔らかさとか四苦八苦してるんですよね。


先生の絵はいやらしくない健康的な感じと柔らかさを兼ね備えていると思うんですが。

オカヤド――もうちょっと上手くやれるような気がするんですけど、自分はどうもおっぱい星人すぎるせいで意識がそっちにいっちゃうのでバランスが破綻しちゃうんですよね。


出てくる女の子達はみんな体が大きいですが、大柄な女の子が好みなのですか?

オカヤド――モンスターとしての説得力を持たせるために、ダーリンとの対比を分かりやすく大きく描いてる訳で、個人的に大きな女の子が好きというわけではありません。嫌いではないですけど。
猪飼――『モンスター娘のいる日常』のキャラクターはそのへんにちょっとコンプレックスがあるみたいな。女の子として「私、ダーリンよりおっきいけど…」と思ってるところが可愛いみたいな感じもするんですよね。


そう言えばモンスターの選出基準はあるのでしょうか?

オカヤド――最初の1ページもののときは、2ちゃんのモンスターの女の子が好きな人達が集まるスレッドを見ててそれを参考にしました。人気のある種族的なものははっきりしてて、3強をあげるなら「ラミア」「ハーピー」「ケンタウロス」で、続いて「スライム」「人魚」「アラクネ」とくる感じで、それに合わせてやってみた感じですかね。いちおう人気順になるのかな。


アラクネなどの節足タイプって生理的にも受け付けない人もいると思うんですが、その辺で描くために苦労したことはありますか?

オカヤド――節足部分を受け付けない人が受け付けるように描くことはできないので、人間部分の方をなるべく魅力的に描くしかないですよね、胸大きくして性格もエロくしてみたいな。でも、まだそのあたりが完璧に分かりきっていない感じです。
猪飼――モンスター部分を変にソフトにすると、その方が反発が大きいですよね。ケンタウロスでもラミアでも。漫画って中途半端になると誰にも読んでもらえなくなっちゃうので、モンスター娘で勝負すると決めている時点で描くべきところはしっかり描く、どうしてもダメな人はもういいじゃん、ぐらいの気持ちで描いた方がちゃんと好きな人が支持してくれると思います。そういった部分でもオカヤド先生はうまくやっていただいていますね。


そう言えばサイン会のイラストリクエストでもラク姉さんは上位だったとか。

オカヤド――そうですね、意外と受け入れられてる感じで嬉しいですね。
猪飼――正直言って反発はあまり感じなかったですよね、もうちょっとあるのかなと思ったぐらいだったんですけど。世の中、けっこう進んでるなと思いました(笑)


下半身を描くのが難しかったりしないですか?

オカヤド――バランスが難しいのと、ラクネラの脚なんて8本もありますからね。描くのが大変なんです。クモを参考にと思ったのですけどあのサイズのクモはいなくて…形も違うので難しいですね。いまだに試行錯誤して描いてます。


なぜ、モンスター娘だったんですか?

オカヤド――その時の自分のマイブームで、人間じゃない女の子が可愛いんじゃないかと感じる瞬間があったからですね。自分の中の卑屈な何かが、人間じゃない女の子の人間じゃない部分に目をつぶりさえすれば付き合えるんじゃないかっていう、そんな卑屈さがあったと思うんですよね。そういうのを経て描いた結果がこれだと思うので。


ある意味正解でしたよね、今となれば。

オカヤド――そうですね、主人公が女の子にモテるハーレム系の漫画は沢山あるけど、なんで主人公にちょっと優しくされるだけで惚れるんだ!と。そのあたりに説得力が欲しかったんです。


それでコンプレックス抱えてる女の子に対してダーリンが…。

オカヤド――「気にしねえし」みたいな感じで優しくする。


キャラでどの子に1番思い入れありますか?

オカヤド――セントレアが一番になっちゃうんです、漫画にも影響を与えているのかもしれませんが、どんどん良い役になってますね。女武人系のキャラで、キリッとして真面目だけど照れると可愛いみたいなのが好きみたいですね。


実際の女性の好みもですか?

オカヤド――それは漫画の中の理想なので、現実に武人って(笑)
猪飼――女性の格闘家とか紹介してもらったらどうですか?


やめた方がいいですよ!!確かに気が強い人ばかりだけど、あれは漫画だから許される性格じゃないかと(笑)

オカヤド――実際にツンデレとかもキツかったりしますもんね(笑)
猪飼――(笑)


オカヤド先生は取材に行かれたりしますか?

オカヤド――これまでも無いですし、今も特に取材とかは行かないですね、なにか調べ物をするぐらいで。


調べ物ですか?

オカヤド――蛇の生態とか飼い方とかを調べたぐらいですかね。


それで苦労したことありますか?

オカヤド――やっぱりここでもラクネラですかね、クモの画像検索ができないので。


なぜですか?

オカヤド――虫が大嫌いなんです。
猪飼――ふふふふ、そうなんですよね。

オカヤド――見たくない。だからクモよりもカニの形を参考にしてます。


虫の何がそんなに嫌いなんですか?

オカヤド――もう虫のあらゆるところですね。ちょっと触ったら潰して殺しちゃうところも怖いし、行動が全く読めないところも怖いです。地球上の生物で虫だけがダメですね。


虫って地球上に結構な数がいますよね。

オカヤド――本当に滅んでしまえばいいのに。
猪飼――意外な事実で、どちらかといえば好きなほうかなと思うぐらいですけどね(笑)

オカヤド――勘弁してください。


最後にオカヤド先生にとって「漫画」とは何ですか?

オカヤド――名言的なものをいっさい吐けない人間なので。自分の妄想を形にする手段ですかね。満たされないものがありすぎるから、形にしてるんじゃないですかね、彼女ができない、とかをですね。
猪飼――シメの言葉が彼女ができないで終わってしまいましたね(笑)

オカヤド――性欲を持て余した中学生がエロ本を買えないから自分で描いてごまかす、みたいなその延長線上じゃないですかね。


どんどん自分のことを下げていってるじゃないですか!

オカヤド――そんなもんですよ(笑)漫画家として自分を表現してみたいとかそんな高尚な動機が一切ない人間なんで。


ん~、でも同じじゃないですか?
猪飼――言い方だと思うんです。オカヤド先生が言ってるのは凄く正直に正しいことだと思います。素直に自分がこういうのがあったらいいなっていうことが読者には届くので、表現意欲みたいな言い方をしても根っこはそんなに変わらないと思うんですよね。


オカヤド――より人間の深い内面を描いていきたいとか考えてる漫画家さんが多いと思うんですよ。
猪飼――普通に生きててなんかしら足りないとか、もっとこういうのを欲しいと思ってるものがあって漫画にして外に出すと満たされるみたいなことではあるのかなと。

オカヤド――基本的に自分が楽しみたいというか。

猪飼――沢山の人に支持される漫画家さんは、外に出さずにはいられない物を過剰に抱えていて、出さないと生きていくのが辛いみたいな。そういう人がプロの漫画家さんになれるんだなと思うんです。

オカヤド――なんか凄いフォローされてる感じになっちゃたんですけど。
猪飼――いやいやいや、言い方を変えただけです。オカヤド先生は出さずにいられないものを抱えてると思います。

オカヤド――たぶん世の中に相当不満があるんでしょうね(笑)


猪飼さんの言葉が台無しじゃないですか(笑)
猪飼――漫画家という商売は凄いと思います。自分の内面そのものを表現しているわけですから。だって、自分の内側をしゃべって説明しろと言われても説明できないじゃ無いですか?

オカヤド――そうですね。
猪飼――漫画という形だったら百万人の人に見せられるんです。凄い仕事だなと思います。


国境を越えて全世界にに広がってるんですもんね。
猪飼――140カ国に。

オカヤド――えっ!

猪飼――公式サイトにアクセスあったのは140カ国あったんです。

オカヤド――マジっすか!!クリックミスが何十万人もあるんじゃないですか!
猪飼――アフリカ大陸とかもありましたよ。


世界中の人外ファンがオカヤド先生を応援してくれてるんですね。

オカヤド――はあ、ありがとうございます、あまり実感は無いですが(笑)


モンスター娘のいる日常の最新巻6巻が9月13日に発売したばかりで、今回はラクネラが表紙!嬉しいですね。今日はありがとうございました。

オカヤド――こちらこそありがとうございました。単行本よろしくお願いします。
猪飼――ありがとうございました、これからも『モンスター娘のいる日常』「コミックリュウ」をよろしくお願いします。

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