こんにちは、RDクリニック医師の濱元です。



もう一つ、実際の生体(動物)で実験した結果を持って
コラーゲンが効くという論文の話があります。


褥瘡(じょくそう)モデルラットにおける
コラーゲンペプチド経口摂取の
褥瘡治癒促進効果

薬理と治療 Vol.14 No.6 p587-586 (2013)

http://www.jilr.or.jp/research/pdf/Effects_of_Collagen_Peptide.pdf

内容は
“マウスに人工的に褥瘡(=床ずれ)を作り、何もしな
い場合、コラーゲンペプチドを与えた場合、(創傷治
癒を促進する)アルギニンを与えた場合で、それぞれ
傷の治りを比べた。
コラーゲンぺプチドを与えた場合、何もしない場合と
比べ有意に傷の治りが早かった。アルギニンの場合
とは有意差がなかった。”
というものです。

文章が長くなりましたが、簡単に言うと、
コラーゲンペプチドを摂取したら傷の治りが早くなる
ということです。

ただこの実験でひとつ気になることがあります。

実験に使われたマウスは、低たんぱく食を摂取して
いたようです。

タンパク質はアミノ酸に分解され、傷を治すための
材料として使われますが、その材料が少ない中で
アミノ酸からなるコラーゲンペプチドを与えたら、
それは早く治って当然だろうと思う訳です。

それを効果があると言って良いのか…

ちなみに、これもサプリメントメーカーの研究です。



さて、最後に同じような実験がありました。

コラーゲンペプチド経口摂取による
加齢モデルラットでの
コラーゲン組織形成促進効果
日本食品化学工学会誌 Vol.60,N06 278-285(2013)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/60/6/60_278/_pdf


内容は
“加齢モデル(低栄養状態にした)ラットの皮下に
ホルマリン処理したろ紙を埋め込み、傷を治す過程
で生じる肉芽組織の量を観察する。
それぞれにコラーゲンペプチド、カゼインぺプチド、
大豆ペプチド、乳タンパクを投与し、水のみを投与
した場合と比較した。
コラーゲンペプチドを与えた場合のみ、水を投与
した場合と比べて有意に肉芽組織が形成された”
というものです。

簡単に言うと、
コラーゲンペプチドを摂取すると肉芽が増える
=傷を治す力が強まる
ということです。

低栄養状態というのは先ほどの論文と同じですが、
他のタンパクも摂取して比べたという点が違います。

ただ、この論文で効果があるとされているコラーゲン
ペプチドの摂取量は、先の論文の5倍以上であり、
同程度の量だと有意差がないとなっています。

5倍…人間に換算すると、50gのコラーゲン摂取と
いうところでしょうか。

市販されているコラーゲンサプリメントはだいたい
10gまでに抑えられており、5倍量のサプリメントを
摂取するとなると、腎臓への負担が心配です。

ちなみに、この論文はコラーゲンサプリメントを
製造している森永製菓によるものです。



前回のUVBでダメージを与えたという論文もですが、
今回紹介した論文も昨年2013年の論文です。

最近のコラーゲン関連論文は、人の肌への効果を
謳うより、傷を治すという効果にシフトしてきたような
気がします。(人への効果は実証済みということ?)

人の美容への効果(とメカニズムの解明)を諦めて
コラーゲンの別の効果を求めるようになったのか
私には知る由もありませんが、コラーゲン産業が
廃れないように必死だという感じがします。

勝手な想像ですが…
間違っていたらすみません。



このシリーズは長くなってしまいましたが、
あと2回で終了予定です。