突撃!レッドリボン軍!

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「監督失格」を観ました。

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平野勝之監督の仕事仲間であり、元恋人。200本以上の作品に出演し、映画に愛された女優・林由美香は、2005年に34歳という若さで急逝。そんな彼女の生前の姿を捉えた映像を交えながら、カメラは彼女と親しかった人々が、彼女を失った悲しみと向き合う姿を捉えていく。(ぴあ映画生活より)

AV女優という破天荒な職業に加え、
強烈なキャラクターのお母さん、
ぶっとんだエピソード、
それはアウトだろ的な行動(酔ったときね)、
などなど、もうこれでもかというくらい、
さらけ出された生身の由美香と、
その由美香にさらっとダメだしされる監督。

喧嘩でも撮らなきゃ監督失格じゃん、
と言う由美香が突きつけた究極のシーン。
思い出すだけで心臓がバクバクする。

きっとあのシーンも、由美香に言わせれば
失格なのでしょう。
観客から言わせれば十分すごいものでしたけど。

そして彼女を失った監督が、
彼女の死と向き合いとった行動。
それはもう監督という立場ではなく、
恋人としての後悔の絶叫。
そんなものをさらけ出しちゃう。
これも監督失格。

だけど、作品が作れなくなるほど苦しみ、悩み、
ついにこうすることで、この映画を完成させ、
「監督」として再生したわけです。

「必死こいて生きろ!」とか
「今の気持ちに正直に生きなきゃ後悔する」
というメッセージとともに、
そんな監督の救いの物語を観た気がしました。

「しあわせなバカタレ」という
エンディングテーマも鳥肌モノ。

震えがくるほどの大傑作です。
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またまた、激しく更新をサボってしまいました・・・。
が、とてもいい映画を観たので、これは更新せねばと。

「マネーボール」
すごくよかったです。

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メジャーリーグの野球選手だったビリー・ビーンは、引退後オークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーとなる。しかし、財政が苦しいアスレチックスでは、せっかく育てた有望選手を、強豪球団に引き抜かれるという事態が続いていた。チームの立て直しを図るビリーは、統計データを使って選手の将来的価値を予測するという「マネーボール理論」を導入。イェール大卒のピーター・ブランドと共に、チームの改革を進めていく。(goo映画より)

お金をどっかんとつぎ込んで、
最強軍団を作るビッグクラブに対し、
個々の力ではなく、
チームの総合力で勝ちにいく。

野球に限らず、どんなスポーツでも、
こういうスタンスのチームが好き、
ということもあり、
まずこの設定に期待しちゃうわけです。

データを使った戦略で勝つ、という、
理論的な野球の中にも、
元プレイヤーであるビリーの熱さとか
当時の悔しさがにじみ出ていて、
その人間的なギャップがいい。
選手をその気にさせるシーンなんかは、
スラムダンクの山王戦の前の安西先生を彷彿させます。

で、この映画がすばらしいのは、その先。
単なる痛快サクセスストリーではないところ。
お金と信念の間で悩むビリーと、
そのビリーの苦悩を、ある映像をつかって
楽にさせてくれようとする、相棒ピーター。

この多くを語らない比喩がすごくいいし、
この先に待っているであろうゾクゾクするような歓喜を
想像させてくれるところもすごくいい。

僕自身、地方のスポーツチームに、ちょっと関わっていて、
まさにそのチームが、ライバルにお金がふんだんにある
ビッグクラブがあり、それに対して、個々の力ではなく、
総合力で勝つ、というスタンスを貫くチームであり、
そしてそのライバルチームが、ひとつ上のカテゴリーに昇格、
僕らのチームは、それよりも上位にいながら、
環境的な問題で上に上がれない、という現実があり、
このもどかしさとバチッー!!とリンクして、
そりゃーもうグッときちゃうわけですこの映画は!

映画でも小説でも音楽でも、「傑作」の上をいく作品になるのは、
こういう人生と深く関わるところで生まれると思っていて、
この映画もそのひとつになりました。

そういう意味では、万人受けするような作品ではないかも・・・。
痛快サクセスストーリーは期待せず、そういう切なさとか
もどかしさを堪能するつもりで行くほうがいいと思います。
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「マイ・バック・ページ」を観ました。

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全共闘運動が最も激しかった1960年代後半、週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木 聡)は、理想に燃えながら日々活動家たちの取材を続けていた。ある日、梅山と名乗る男(松山ケンイチ)から接触を受けた沢田は、武装決起するという梅山の言葉を疑いながらも、不思議な親近感と同時代感を覚えてしまう。(シネマトゥディより)

学生運動がどういう背景で、
どんな意味があるのか、ということを
正直いまだによく分かっていないのですが、
というかそもそも、ちょっと調べてみても、
この運動の思想や熱さみたいのものに、
イマイチ共感できないのです。
なんでそんなに怒ってるんだ?
主張を聞けば、戦争をなくすために、
日本の未来のために、みたいなことなのに、
そのために暴動を起こすって理解できない。。

この理解できない感情を、僕と同い年の山下監督は、
どう咀嚼して、表現するのか、すごく楽しみでした。

観終わって、結局理解はできなかった
(というかそういう映画ではなかった)
のですが、その時代の「異様な空気」は
ビシビシと感じることができました。

まさにその「異様な空気」に、
妻夫木くん演じる沢田はのみこまれ、
自分を見失い、落ちていってしまった、
そういうことではないかと思います。

共感ポイントが多く、人を惹きつける
カリスマ性を感じさせる梅山を
ベテラン記者たちは瞬時に
ニセモノであると見抜く。
しかし沢田はその見解を信じず、
逆に批判されればされるほど、
梅山にコミットしていく。
この過程は、やや描写が薄く、
理由付けがあいまいなのですが、
PR用のブックレットにある、
原作の一部を読むと、理解できます。

ジャーナリストとしての理想とは
かけ離れた日々の仕事に、
辟易としていた。もっと意義のある、
社会に影響を残せる仕事がしたかった。
そんな沢田に、梅山という危険な存在は
魅力的だった。

この沢田が見る「危うさ」と、
ベテラン記者が見る「ニセモノ感」、
この両方が、ハッキリと分かるのが、
ラスト近くの取調べシーン。
このあたりの演技力はさすが松ケンです。

この映画では「涙」がひとつの
キーワードになっています。

男が涙を流す、ということは、
恥ずかしい、と思われていた時代に、
表紙モデルをつとめる女の子は
「きちんと泣ける男が好き」という。

抑圧から解放されて、みんなが
自由に生きていく時代へと移り変わる、
この時代の流れの象徴が「涙」であり、
「きちんと泣ける男」とは、
そういう感情を押し殺さず、
人間らしく生きている人のこと。

ラストシーンで、沢田は、この、
「人間らしく生きる」という姿を、
目の当たりにし涙を流します。
雑用をやらされているときに先輩に言われた、
「ジャーナリストの前に人間だろ?」
という言葉が胸に刺さる。
希望に満ち、仕事に情熱を燃やす、
あの瑞々しい気持ちを、どこで忘れてしまったのか。
青臭い、と言われても、自分がいいと思う
記事を書き続けなければならなかったのに、
自分を認めさせようと焦るばかりに、
自分を見失い、すべてを失った。

このラストシーンの泣きの演技は、
本当に素晴らしい。何の説明もせず、
その表情ですべてを語る。これだけで
妻夫木くんの役者としての実力が
よく分かります。

「涙を流す」=「成長する」ということ。
当たり前だけど、人間らしく生きることで、
人は成長していく。

「人間らしくありたいだなんて、
それは人間のセリフじゃないだろ?」
というハイロウズの歌詞にも共通する
このメッセージ、すごく好きです。

学生運動の背景など知らなくても充分楽しめます。
未見の方はぜひ!超オススメです。
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ナタリー・ポートマン主演
「ブラック・スワン」を観てきました。

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ニューヨーク・シティ・バレエ団のバレニーナ・ニナは、純真で繊細な“白鳥”と、妖艶に王子を誘惑する“黒鳥”の二役を踊る「白鳥の湖」のプリマドンナに大抜擢される。しかし優等生タイプのニナにとって“白鳥”はともかく、悪の分身である“黒鳥”に変身することは大きな課題だ。初めての大役を担う重圧、なかなか黒鳥役をつかめない焦燥感から、精神的に追い詰められていくニナ。さらにニナとは正反対で、“黒鳥”役にぴったりの官能的なバレリーナ・リリーが代役に立ったことで、役を奪われる恐怖にも襲われる。ニナの精神バランスがますます崩壊する中、初日は刻々と近づいてくる…。(goo映画より)

妖艶な「黒鳥」を演じるさせるために、
監督からはとことんプレッシャーをかけられ、
官能的な魅力むんむんのライバルに焦り、
母親の過保護からくる抑圧に悩まされ、
精神的にボロボロになるニナの姿は、
とても痛々しく、その苦悩の様子は、
観ているだけで震えがきます。。

これまで清純派の優等生な女優として
名を馳せてきたナタリー・ポートマン本人の
これからを暗示するようでもあり
そのとんでもない鬼気迫る迫真の演技が、
今回の役作りのすさまじさを物語っています。

精神的に追い込まれる過程で、
様々な幻覚に襲われ、途中からは、
観ている側もどれが現実か、分からなくなります。
精神病に関しては、知識がないのでよく分かりませんが、
要所要所で「鏡」が使われていて、
クライマックスでも大きな役割を果たしており、
これも何かの暗示なんじゃないかと思われます。
そのあたりはちょっと分からない部分もあったので、
ぜひもう一回観てみたい…。

ラストは超越した人にしか理解できない終わり方で、
凡人の僕には、さっぱりその気持ちは分かりませんが、
二ナの恍惚感に浸る表情には、不幸の色は感じられません。
芸術とは、きっとそーいうものなんでしょう。

もうこれは間違いなくナタリーポートマンの代表作。
文句なしの大傑作です。
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地方のため遅れての上映でしたが、
園子温監督「冷たい熱帯魚」を観ました。

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小さな熱帯魚屋を経営する社本信行は、ある夜、娘の美津子がスーパーで万引きをしたため、妻の妙子とともに店に呼び出された。その場を救ってくれたのは、スーパーの店長と知り合いの村田幸雄。村田は巨大な熱帯魚店、アマゾンゴールドのオーナーだった。帰り道、村田に誘われ店に寄る事に。そこで美津子を住み込みの従業員として預かる事を提案され、無力にも了承する社本。さらに数日後、村田から“儲け話”をもちかけられる。(goo映画より)

凄まじい。圧巻の146分。
まずオープニング。不穏な疾走感、「ファニーゲーム」にも似た、
乱暴な毛筆タイトル。これぞ園子温ムービー、というオープニング。
この時点ですでに「ああもう絶対ヤバイことになるよ~」ということを
はっきりと認識させられます。このオープニングはかなり好き。

ナンセンスなスプラッター映画ですが、その役者陣の体当たり演技たるや、
もう気が狂っているとしか思えない。特にでんでん。なんだあのキャラ。
とても気のいい豪快なオヤジ。この気さくなおじさんが、突如として、
凶悪モンスターに豹変する。
この豹変、怖い人が、怖いことするより、はるかに怖い。
この狂気への豹変が、この映画の最大の魅力。
観ているうちに、その狂気をもっと見せてくれ、と思うようになってくる。
この非情っぷりや、暴力シーンとクラシック音楽の組み合わせは、
「時計仕掛けのオレンジ」を意識してんじゃないかと思いますが、
でんでんの方が「あからさまにいい人」なだけにタチが悪い。

女優陣の演技もスゴイことになってます。極限状態に追い込み、発狂させる感じ。
「愛のむきだし」の満島ひかりも、こうやって覚醒したのでしょう。

死体をあれするシーンは、「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」と同じ。
というか、ヌードの夜はこの事件にオマージュを捧げていたのか。
あのおかげですっかり免疫がついていたので、普通に見れました。
ここでの会話は、不謹慎ながら笑えます。
こういうところどころに笑いが入るところもスゴイ。

というわけで、「絶対に家族には見せたくない映画」ばかりを
彷彿させてくれますが、もちろんこの映画もそのひとつ。当たり前か。

とんでもないものを観た、という感覚で言えば、
これを凌駕するものはなかなかありません。
こんなの観たら、ほとんどの映画が生ぬるくなっちゃう。
感覚が麻痺する映画。そういう意味でも危険かも。
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