それがもしも会社の飲み会の席で同僚の男が愚痴ってるのなら

『あんたの人生はあんたが作ったんでしょ。いい年して甘えたこと言ってんじゃないよ』

とバッサリ言ってたと思うけど。


身内には、言えない。従兄も、私だから言うのだろうから。


変わろうと思えば人なんてすぐ変われる。


と、言うのは簡単だけど、それが言うほど簡単なことなら誰も苦しまない。


「・・・やっぱ、いいよ煙草吸って」


「え?」


「やっぱり、ゆうちゃんはあたしより賢いから」


ぽすっ、と後ろのベッドに腰を下ろすと、硬めのスプリングがお尻に心地良かった。やっぱりいいホテルは違う。


「あたしなんかじゃ相談相手にならないし、…好きなことさせてあげて付き合ってあげるくらいしか出来ないなと思って」


「・・・お前、それ、そのカッコで言うな」


「は?」


「だから、・・・悪いけど谷間見えてる」


「ああ」


着替えなんて持って無いので、部屋に備え付けのバスローブだけだった。コンビニで替えの下着は買ったけど。


「だから、脚組むな。見せつけてんのか。お前は」


「・・・ごめん、意識なかった」


従兄は溜息ついて、ほんの少し微笑んだ。彼の周りの空気が少しだけ緩んだ気がした。

 



それから従兄はお風呂に行って、私は先に眠ってしまった。


男性として全く意識していなかったといえば嘘になる。何かあってもいいとは思っていたから。それが慰めになるなら。


けど、商売で来てるんじゃないんだからそれは私から言うことじゃないだろう、というのが私の本当のところだったと思う。


 

続く



 

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