固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。


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熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫) 熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)
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レオ、フェリックス、ヴィンセントの三人の兄弟は暴力により家庭を崩壊させた父親から独立し、一見地味道に暮らしているかのように見せていたが、密かに軍の倉庫か大量の銃器を入手し、史上例のない銀行強盗計画を立てていた。




暴力の傍で育った兄弟。

そして暴力の傍で育ったとおぼしき刑事。


暴力は直接振われた者はその影響を受けるのはもちろん、間接的でもその影響を受けてしまうことを人は忘れがちです。

だからこそ暴力の連鎖を止める必要があるのでしょう。


さて、強盗を働く兄弟たちの絆は、強盗を続けていく中でどのように描かれていくのか。

そして追うブロンクス刑事の執念は何から生み出されているのか。


ヒリヒリと伝わる緊張感の中で描かれていた強い絆で結ばれていた兄弟たち。

しかし、司令塔であるレオの姿に弟たちは父の姿を重ねて兄弟の関係が変化していきます。


暴力による支配を受けていた兄弟たち。

そんな暴力を支配し、そしてコントロールする事によって、史上稀に見るような強盗事件を成功させてきたレオたち。

しかし、その暴力をコントロールしきれなくなってきた時に、チームと兄弟の絆は崩れていきます。


それでもレオたちの計画が最後までうまくいけばいいのにと思いながらも、レオたちを追う刑事の執念も実が結べばいいいと、二つの感情で揺れながら読む進むことになりました。


更にはかつて家庭を崩壊させたレオたち兄弟の父親の感情にも共感させられて、最初から最後まで色んな感情で複雑に揺れ動かされた物語でした。


その中で個人的に印象に残ったのは、レオたち強盗団に襲われた人たちが受けた身体的、そして精神的な後遺症。

スマートともいえる強盗だとしても、そこにはやはり人として超えてはいけない一線があり、だからこそ兄弟を追う刑事のような存在は必要なんですよね。



ところで、この物語は事実に基づいたものという事で、読了後に巻末の解説を読んで更に驚愕を受けたという私のような読者も多いでしょうねぇ。


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殺し屋を殺せ (ハヤカワ文庫NV) 殺し屋を殺せ (ハヤカワ文庫NV)
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元特殊部隊員のヘンドリクスは同業者の殺し屋のみを標的とする殺し屋。

自らの技を駆使し、ヘンドリクスは次々と殺しを成功させていくが、全米の犯罪組織を束ねる“評議会”の配下を始末したせいで逆に命を狙われることになる。




ちょっと粗いかな、というか、もう少し詰めた設定描写が欲しかった部分はありますね。


主人公のヘンドリクスは殺し屋ですが、殺し屋に狙われている人物の元を訪れ、その人物を狙っている殺し屋を逆に殺す事を生業としています。


何故、ヘンドリクスは殺し屋を殺す殺し屋になったのか。


それを描きながらヘンドリクスの人となりも、単なる暗殺者ではなく血肉のある人間味ある男として描かれます。

殺し屋しか殺さない殺し屋という主人公と、その主人公を狙う組織に雇われた殺し屋、更にFBIの三つの視点で描かれるサスペンスアクションは、マーク・グリーニーのグレイマンシリーズに比べるのは少々酷かと思いますが、緊迫感を最後まで持続させながら楽しませてくれ、続編も実に楽しみとなりました。


しかし、この終わり方でどう続くんでしょうか?!


その辺が何より気になりますね(笑)。

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コップクラフト 6 (ガガガ文庫) コップクラフト 6 (ガガガ文庫)
賀東 招二

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〈コップクラフト〉シリーズ6作目は、レジで出すのが恥ずかしい表紙でした(笑)。


さて、物語は、市長選挙の有力候補が射殺される事件が発生し、もともと異世界人との人種問題があたところに、犯人として目撃されたのがセマーニ人であったことから、地球人とセマーニ人の溝が広がり世論が大きな動きを見せ、暴動にまで発展する様子が描かれています。


著者は意図していた訳ではないと事ですが、ちょうど米国の大統領選もあった事から、なんともタイムリーなネタの最新巻でしたね。


しかし移民や異文化に対する問題は現実世界でも大きなもの。


それでも分かりあえる努力は必要だし、決して理解しきれなくても受け入れる事ができれば世界はより良いものになると信じたいですね。


ところで、物語としては今回はシリアスだった訳ですが、それだけにラノベの域を超えてもう少し深く描いて欲しいと思うのは欲張りな願いでしょうか(笑)。

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傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4) 傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)
ピエール・ルメートル 橘明美

文藝春秋 2016-10-07
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カミーユ警部の恋人アンヌは強盗事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負ってしまう。

彼女を守るためカミーユ警部は独断で犯人を追おうとするが、独断で取った行動が自身の首を絞める結果になり・・・。




『悲しみのイレーヌ』、『その女アレックス』に続く、“カミーユ・ヴェルーヴェン警部”シリーズ、三部作完結編。


それは表題通り、まさに傷だらけとなるカミーユ・ヴェルーヴェン警部が描かれて行きます。


イレーヌを喪って痛みからようやく癒されるように、新たな恋人アンヌとの日々を愛おしく感じていたカミーユ。


しかし、またも愛する人が犯罪に巻き込まれます。


強盗に巻き込まれ重傷を負ったアンヌ。


目撃者でもあるアンヌを強盗犯は狙うであろうと、カミーユはアンヌを守ろうとするのですが・・・。


愛する人を犯罪によって喪った過去があるからこそ、その愛ゆえに聡明で優秀なカミーユの目は曇り、そして誤った行動に走らせた事は、自身を深みへと陥らせてしまいます。


そしてその結末は、なんともやるせないものでした。


前2作に比べると、ミステリとしての大きな仕掛けそのものはありませんが、カミーユ・ヴェルーヴェンという一人の男が、大きな喪失と再生を得て、本当の意味で自身を取り戻す物語だったのかも知れません。

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君はレフティ 君はレフティ
額賀 澪

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夏休み、交通事故で漕いでいた自転車ごと湖に落ちた古谷野真樹。

命に別状はなかったが、事故の後遺症で記憶を失ったまま二学期を迎える。

家族の事もクラスメイトの事も思い出せない中、暖かく迎えてくれるクラスメイトや、同じ写真部だという生駒桂佑と春日まどかの友情を受けて、新たな日常を築いていくかと思えたが、文化祭の準備に追われる最中に発生した落書き事件を皮切りに、古谷野に向けたと思われる謎のメッセージが・・・。




事故で記憶を失った古谷野が決して忘れてはいけなかった記憶。


それは主人公と同じ写真部の生駒と春日の二人が抱えていた想い。


記憶を失っても古谷野は古谷野である様子に生駒と春日は複雑な想いで見つめ、それぞれが優しさをぶつけ合う姿に胸が苦しくなります。


「記憶を失くしてもどんなに変わってもずっと友達でいると決めた」と言われる古谷野。


そんな風に思われる友が出来るのはもしかしたら青春時代だけかも知れず、そんな風に誰かから思われたり、誰かを思ったり出来る自分でいられたらと、自分自身を振り返ってしまいたくなりました。



ところで、「レフティ」が差していた事実について、ある程度は予想がついていましたが、そういう内容でありながら、爽やかでありながらも胸を締め付けるような切なさでもって読者を惹きつけてくれますね。


今後も著者の作品は追いかけていきたいと思っています。

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