『スパイは楽園に戯れる』 五條瑛 | 固ゆで卵で行こう!

固ゆで卵で行こう!

ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

スパイは楽園に戯れる スパイは楽園に戯れる
五條 瑛

双葉社 2016-06-21
売り上げランキング : 119104

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 

米国の諜報部門の下部組織である情報分析員の葉山隆は、
HUMINTとして、ある男の調査を始める。

やがてそれはスパイ防止法を推進するカリスマ性のある若い政治家の隠された背景を明らかにする・・・。

 

 

<鉱物>シリーズ最新作!

 

待ちに待ってた新作を読んでしまうのが勿体なくて、1年ぐらい寝かせてしまいました(笑)。

 

アナリストとして成長してきた葉山ですが、それでも上司であるエディに翻弄されたり、どこか少年のような姿は変わらないです。

 

けれどもエディや洪などとの付き合いも長くなり、情報分析員としての素質を他者から指摘されるような様子は、嬉しくも少し寂しい部分を感じるところも。

 

 

さて、そんな葉山がスパイ天国日本で溢れる情報の中、溢れそうになる黄金を探しだす中で辿り着いた真実とは果たして・・・。

 

 国の為にと最後まで信念を貫いた政治家の決断は切なくも清々し、かったのですが、それをあえて飲み込んで更に大きい存在となって欲しかったかも。

 

しかし、それでもやはりエディたちのような存在に利用されてしまう可能性があるだけに、その決断は最善ではないにしてもベターなものだったのかも知れませんね。

 

ところで「スパイは楽園に戯れる」よりも、連載時の題名「パーフェクト・クォーツ」の方が良かったですね。

 

この改題の意味する所は、本書は鉱物シリーズとしては番外編的な位置づけということにして、シリーズの本編としては4部作構想のはずなので、本編はまだ2作出ると期待してもいいって事でしょうか?!

というか、期待したいです(笑)。