1996年の4月27日から5月4日までの8日間、ウルムチ・天池への旅だ。
成田から北京へ、ここから列車で西安へ。車外に緑と桃色の桐の花が続き
みごとなコントラストをみせていたのが印象にのこる。
西安から空路、天山山脈のふところ・ウルムチへ。さらに
標高2000mの天池へと足を伸ばした。
標高1910mの天池。まだ湖面は氷結していた。
私たちはウルムチから車で登ったが、前にNHKで見た司馬遼太郎さんの
旅では、この長細い湖の反対側に天山山脈経由で訪れていた。
少し戻って、西安から訪れたウルムチ空港から。
市の中心部にある紅山公園(砂岩でできた山を整備したもの)から
ウルムチ市街を眺める。
以下、ウルムチ市街の写真。
ウルムチを含む新疆ウイグル自治区はウイグル族、漢族、カザフ族など40を超える
種族が住み、まさに種族の坩堝だ。これも西域の民族の興亡がもたらしたものだろう。
シシカバブーを焼く香ばしい匂いがただよう。
ウルムチ市内から東に、天山山脈東部の最高峰ボゴダ峰(海抜5445m)がある。
この中腹に天池があり、西域の旅では異質なアルプスのような風景が
広がる。ウルムチから車で約110㌔の行程だ。
車がウルムチ郊外を抜けると砂漠とわずかに草が広がる地帯が
まだら模様に続く。そこにラクダもいた。
また羊の群れ、羊飼いもところどころで見かけた。
車は天山北路の一部も通り、天池公路に入って行く。
しだいにボゴダ峰を登って行く。
山麓にはパオが点在し、浅瀬を流れる水は整列だ。
途中、ガイドさん案内で一つのパオを訪ね、お茶をいただいた。
娘さんの部屋まで見せてくれたが、狭いながらよく整理され
思いのほか明るかった。
下はその気さくなお母さん。
周辺の写真も撮ったのだが、古い事でパソコンには入っていなかった。
いよいよ天池だが、夏でも雪をいただく天山山脈第二の高峰、ボゴダ峰の山中に水を
たたえている。天池とは天鏡とか神池という意味だという。
蒼い湖の正面には万年雪に覆われたボゴダ峰が輝き、湖の周囲を雲杉が囲む。
清浄な空気に包まれた大パノラマの別世界だ。
山を降りれば付近一帯は熱砂の砂漠、天池は砂漠の中のオアシスなのだ。
あのチンギス・ハーンもかつて立ち寄ったという。
時間があれば緑の山中に広がるカザフ族のパオも訪ねられる。
白く輝くボゴダ峰。