bookwo^Harm

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僕の積読・乱読リスト
― これから読む本、読みたい本、もう一度読み返したい本 ─

【更新情報】
公私共にいろいろなことがあったここ数年間でした。以前のように毎日更新は出来ませんが、ボチボチと再開します。


●12月の歳時記●
師走。歳暮、歳末、年の瀬、冬至。有馬記念、クリスマス、大掃除、大晦日、除夜の鐘。炬燵、鍋、蜜柑。シクラメン、柊、寒椿。蕪、蓮根、小松菜。鰤、鱈。

「恋をすることまさびしき十二月ジングルベルの届かぬ心」 (俵万智)

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旅はゲストルーム 旅はゲストルーム―測って描いたホテルの部屋たち
浦 一也

「まるでスパイ。それでもこれをしないと眠れない。」設計者の目でとらえた“17カ国+1”のホテル52室。実測した平面図とスケッチから見えてくる旅の断面

「採寸して一定の縮尺で平面図をまとめ、ディテールを写しとってみると、その部屋を設計した意図がよく分るばかりでなく、サービスの姿勢から民族性にいたるまでさまざまな勉強になる。」アメリカ、イタリア、イギリスから果てはブータンまで。設計者の目でとらえた世界のホテル69室。カラーを含む図版を多数収録。単行本は2001年に東京書籍から出版。2004年に光文社知恵の森文庫の一冊 として再版。

★★★
あなたが『河童が覗いたヨーロッパ 』など「河童が覗いた」シリーズを喜んで読む(眺める?)人ならば、多分大いに気に入るでしょう。終りの方の「宇宙旅行の果てに スペース・オディッセイのホテル」の部分に載っている俯瞰図などは、言われなければ河童さんの描いたものと見間違うかもしれません)
もちろん全体的なイラストのタッチは全く違いますが、細部へのこだわり方はやはり尋常ではありません。これは書かれている文章にもよく現れています。それにしても、同じ分野(デザイナー関係)の方々は思考/試行/嗜好も似ているのでしょうか?面白いですね。

ヒストリアン ヒストリアン Ⅰ
ヒストリアン Ⅱ
エリザベス・コストヴァ (著), Elizabeth Kostova (原著), 高瀬 素子 (翻訳)

父は、若いころの体験を娘に語った。それは失踪した歴史学教授を捜す旅の物語だった。 魅惑的な東欧世界に散らばる古文書資料と伝説、そこに隠された暗号を解き明かしながら旅は進む。しかし、すべてを語り終えないうちに、父自身が少女の前から姿を消してしまう。若き日の父は教授を見つけることができたのだろうか?教授は、そして父は、なぜ突然姿を消したのか? 父が残した手紙だけを頼りに、少女の父を捜す旅が始まる。やがて少女が知りえたこととは…?
国境を越え、時間を越え、そして世代を越えて、闇に葬られた歴史に挑むヒストリアンたちの命がけの物語。 ホップウッド賞受賞作。

★★★
親子三世代にわたるドラキュラ探索譚。

読後雑感。"ドラキュラ"こと15世紀ルーマニア・ワラキアの串刺し公ヴラド3世 (Vlad Ⅲ) 、彼が蒐集した貴重で莫大な蔵書は彼とともに消えてしまったのだろうか? … だとしたら、『薔薇の名前』の中で焼失してしまった書物とともに本当に惜しい。:-p
冗談はともかく、話の組み立て方や物語の展開などなかなか読み応えがあった(終わりの方はちょっと物足りなかったけれど…)。東欧の地図は傍らに置いて、じっくり読むことをオススメ。
そして、やはりというか、ソニー・ピクチャーズが『ダ・ヴィンチ・コード』に続き映画化権を取得したとのこと。 どうのように映像化されるのか興味は尽きないけれど、CGこってりだと食傷してしまいそう。

【関連サイト】
ヒストリアン 本の紹介と情報(NHK出版)
Dracula's Info - Dracula between Hero and Vampire
数学的にありえない 数学的にありえない〈上〉
数学的にありえない〈下〉
アダム・ファウアー (著), Adam Fawer (原著), 矢口 誠 (翻訳)

起こり得る未来を予見できるようになった男を追う強大な組織。 この「能力」を駆使して反撃に出ろ!

巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった――。 北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、難病の娘を持つ傭兵 …… 随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は驚愕の真相へと収束する――。
サスペンスに組み込まれた数学・物理学のトリビアと、前代未聞のアイデアを仕込んだ未曽有の物語のスリリングでアクロバット的な展開。 徹夜必至だが、数学嫌いも心配無用。 いくつもの物語が謎をはらみ、結末へ向けて一斉に疾走する、超絶ジェットコースター的ノンストップ・サスペンス。
英米独仏ほか20カ国以上で話題沸騰のスーパー・エンタテインメント、日本上陸! 第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。

★★★
ある専門分野の知識に基づいたノンストップ・サスペンスというと、先頃話題になり、映画にもなったダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』を思い浮かべるが、これも期待に違わず十分面白く一気に読み終えた。 こういったストーリー展開は映画むきだと思うのだけれど、これはどうだろう? ただ、トム・ハンクス主演の『ダ・ヴィンチ・コード』は、本を読んでイメージしていたこととのズレが気になって仕方がなかったので、これは映画化されない方が幸せかも…。

【関連サイト】
[インタビュー]アダム・ファウアー:全ては読者の楽しみのために (「自著を語る」 文藝春秋~本の話より)