いやしんぼ~北京の膨満感~3日目前半戦 | RAKUEN QUES†

いやしんぼ~北京の膨満感~3日目前半戦


RAKUEN QUES†-マンコーヒー

上流階級や外国人御用達の漫珈琲。コーヒー1杯30元ぐらい。そのへんの小汚い食堂で、麺料理が5~6杯喰えるお値段。




本日も朝遅めの出陣。まずは朝ラーを決め込むべく、広渠門橋近くの飛天大廈っていう立派なホテルの3階にあるレストランへ。


RAKUEN QUES†-清湯牛肉面

清湯牛肉面(中碗) 22元




いただいたのは、中国全土で大人気の甘粛省名物、牛肉面。麺は手延べで、いわゆる拉面(ラーミェン)ってやつっすね。出来損ないのうどんやきしめんみたいな麺料理が多い中国で、日本人にとってのラーメンのイメージに一番近いのが恐らくこの牛肉面だ。



そんな牛肉面の中でもここの麺は北京でも最強クラスとの評判である。確かに黄金色にスッキリと澄んだスープと流れるように鎮座する麺はことのほか美しく、私の食欲をBING☆BING刺激してくれよるわ。



スープの表面には結構多めに油が浮かんでいて、すこし舌に障るなーという感じなのだが、この油膜のおかげかスープはいつまでもアッツアツ。熱過ぎて喰べるのに難儀するくらいだ。



黄金色に輝く透通ったスープは、旨味たっぷり。化学調味料の嫌味な感じはなく、スッキリしているのにコクがあるってやつだ。牛骨や野菜、香辛料などを丁寧に煮込んだんだろうなぁ。



スープもいいんだけど、一番の驚きはやっぱり麺っすね。手延べの宿命で1本1本が長すぎて絡み合って喰いづらいのが難点だけど、この麺の舌触りの滑らかさといったら驚愕もんである。こりゃあ、まるで天女の髪の毛やないか(触ったことないけど)!日本人がイメージするラーメンの麺と比べるとあんまりコシがないけど、それでもモチっとした食感があって嫌な風味もなく純粋無垢な味でうまいっ!



舌や口腔内をツルツルと優しく撫でていくこの感覚は、日本のラーメン屋ではまず味わえませんぞ!麺好き野郎のメンズは是非一度お試しあれ(女性も是非)!


RAKUEN QUES†-北京大董烤鴨店


ラーメン1杯で腹が膨れるような我々ではない。むしろ胃袋が活性化されたぐらいである。ということで、お次はシャレオツ空間でいただく北京ダックで有名な北京大董烤鴨店へ。なんでも北京ダック界では「東の大董、西の九花山」っていって、この大董はシャレオツなくせに東の横綱でもあるらしいよ。


RAKUEN QUES†-あずきバー


とりあえず北京ダックとつまみを頼んで待ちぼうけていたら、なんだかフレンチに悪影響を受けたような気取り狂った盛り付けで、わけのわからんものが運ばれてきましたよ。サービスかね?



棒がぶっ刺さった黒っぽい円柱状のものの上に、千切りの謎の物体が載っております。なんだコレ?果たして答えは・・・・・・



あずきバーでした。なぜに?



まあなんでもいいけど、井村屋のあずきバーの方が数段うまかった。ちなみに上に乗っている細長いのは金柑だかなんだか柑橘系の皮の蜜漬けみたいなやつね。


RAKUEN QUES†-咸水鴨肝


真打の前のおつまみに注文したのがこの咸水鴨肝。ダックの肝臓の塩水漬けである。



またもや気取り狂った盛り付けで気勢が削がれたが、ところがどっこいコイツが激ウマだった!本当にダックの肝臓を塩水で漬けただけ?って疑問に思う程に、豊穣で洗練された極上のレバーペーストのような味!舌と上顎で潰した時のネットリ、マッタリした舌触りがたまらん!



けど、2人でこんなに喰えねーよ・・・。そんなに量を欲するような料理じゃないんだよなあ・・・。


RAKUEN QUES†-目の前でカット


よっ、待ってました!いよいよ北京ダックの登場っす!スタッフが手際よくダックを解体していく様を、指をくわえながら待つおっさん2人である。


RAKUEN QUES†-タレと薬味


ダックが解体されている隙に、薬味のチェック。左上から時計回りに、きゅうりのキューちゃんとカブの漬物、きゅうりの千切り、メロンの千切り、すりおろしニンニク、ザラメ、甜面醤、ネギの千切り。随分と盛り沢山だけど、結局きゅうりとネギ、甜面醤に時々にんにくというベタな組み合わせに落ち着く保守的な私。


RAKUEN QUES†-主食類


ダックを包むのは奥の薄餅と手前のスカスカしたパンのようなもの。前に北京ダックを喰ったのが約3年前なので参考にはならんだろうが、この薄餅がさすが名店だけはあるなというシロモノ。薄々のクセにひっついた薄餅同士を乱暴にひっぺがしても、全然破れないぐらいのモチっとした弾力と伸びのある食感がすごい。あ、ちなみにスカスカしたパンみたいなやつはどうでもいいような味だった。


RAKUEN QUES†-北京烤鴨


満を持して北京ダック様の登場。貧乏人どもめ、ひれ伏すがよいわ!



・・・って物語っているような、高貴で堂々としたルックスっすね。思わず発情した雄犬みたいな勢いでむしゃぶりつきたいところではあるが、まずは皮の部分にザラメをつけて喰らうのが大董流らしい。



ということでおっさん2人もそうやって喰ってみたわけだが、思わず2人して無言で顔を見合わせてしまうような微妙な味・・・。確かにザラメをつけた皮は口の中でシュ~っと溶けていくような具合なんだけど、はっきり言って「だから?」という感じなのだな。もともと麦芽から作った蜜(だったっけ?)を塗りたくって焼いただけで、取り立てて味付けを施していないダックである。シュ~っと口の中で溶ける食感はまあ評価するけど(本音を言えば、それですら「だから?」って感じなのだが)、ザラメをつけただけでウマいはずがないのだ。



微妙なセレモニーを終えたら薄餅にガッツリ肉を載せて、薬味も載せて、甜面醤も塗って・・・、こうやって巻いて・・・



ウマイ!



チャーラッチャラー(ねるねるねるね風に)!



・・・となるかと思ったんだが、あれ?それほど感動がないな・・・。確かにウマいことはウマいんだけど・・・。なんでだろ。試しにダックだけ喰ってみるか。



う~む、なるほど。ここのダックって脂分をかなり抑えていることでも有名なんだけど、そのせいかなあ?皮がサクサクって言えば聞こえがいいんだけど、この食感はスカスカとも言えるような・・・。肉も若干ジュースィーさと味が抜けているような気が・・・。



個人的にはもっと脂分もあってジュースィーでパワフルな北京ダックの方が好みなんだなあということがよくわかった。溢れ出る肉汁と滲み出す脂キボンヌ。脂分とかカロリーとか気にしないといけないお年頃なんだけど、北京ダック喰ってる時点でそんな瑣末なことは眼中にないわ!


RAKUEN QUES†-鴨湯


北京ダックについてくる鴨湯。鴨ガラ白湯スープ?なんだかぼんやりした味でイマイチ。


RAKUEN QUES†-杏仁豆腐


食後のサービスの杏仁豆腐。ミント風味でフツーにウマい。



こんだけ喰って酒も飲んで1人200元くらい?ダックが1羽238元だったんで結構いっちゃったが、日本で喰うこと考えたらかなり安いよね。


RAKUEN QUES†-奶酪魏


食後はイスラーム街である牛街へ。2日目の前半戦でも喰った奶酪の名店「奶酪魏」でスウィーツな午後。


RAKUEN QUES†-宮廷奶酪

宮廷奶酪 10元




文宇奶酪のやつは杏仁豆腐みたいなふるふるした食感の薄味のミルクプリンみたいな感じだったけど、こっちは全くの別モン!表面はむっちりしてて、中はプルプル!味もこちらの方が発酵が進んでて、まるでミルクとクリームチーズが混じったような風味だ!文宇奶酪のものより数段深い味わいである。こりゃ、たまらんなー!そりゃ、運び屋さんだって、ついついおかわりしちゃうよな。




今度北京ダック喰う時は、西の横綱か老舗系に行ってみようかと思いましたわ。シャレオツ系はもういいや。



次回はシルクロードの味と禁断の超絶美味なる鍋料理が登場!

ほいじゃまた。