学問道場の最新記事より
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今日は、2008年4月3日です。
以下は、3月中に、副島先生が、私たち(私、須藤代表、古村研究員)の前で話した、現下のアメリカ金融分析と、アメリカ発の金融恐慌が今の日本に与えている影響について論じたものです。アメリカでは、スイスの銀行のUBSが、追加のサブプライム損失を発表したことで、一時的に、株価が上がり、原油・金価格が下落するなどの動きを見せている。ところが、ベン・バーナンキFRB議長が、現地時間4月2日の記者会見で「アメリカの景気後退は起こりうる」と発言し、「経済の現状は非常に厳しい局面にある」とも発言している。(日本経済新聞、2008年4月3日)
何か楽観材料が出てくると、「もう危機は終わったのかも知れない」という観測がアメリカの金融マスコミを通じて流され、これが日本の新聞にも波及して、数週間してまた下がるという事の繰り返しです。
副島先生は、大きな流れでは、「既にアメリカ発の恐慌は静かに始まっている」と去年の初めから言ってきました。ドル暴落については、今世紀に入ってからの持論になっています。
そのような米国経済危機の中で日本はどのような影響を受けるのか。
以下に話した内容を活字にして整理しました。(一部、注の部分は私が入れた、現時点での新しいデータです)
新刊書と併せて、是非お読みください。
アルルの男・ヒロシ拝
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副島隆彦です。今日は3月11日です。私の税金裁判の公判、口頭弁論期日がありまして、その後弟子たちと会っています。
今の世界の金融経済の最先端の動きについてまとめて報告しておきます。
私は昨日1冊本を書き上げました。それは徳間書店から3月の末に出る(注:現在もう発売中。増刷が決定しました)のですが、タイトルは『連鎖する大暴落』です。
この私の最新の金融本に書き残したことというか、積み残しの情報や知識がありまして、書きたかったんだけど、どうしても書いていられないというような状況に追い込まれました。それを少しまとめてここでお話ししておこうと思う。
すなわち、日本のというか、世界の最先端情報になると思う。
それで、徳間の最新刊でやったのは、去年の8月17日の世界同時株安、すなわちサブプライム危機と呼ばれたものの後から起きたことです。私は、前の講演会等でもお話ししたとおり、8月、9月、10月、非常に気分がよかった。あれでほぼ世界の潮目(しおめ)というか、論調が変わったわけです。
それまで強気で、日本国内でいえば、日本経済は力強く回復しつつあるとか、踊り場(おどりば)にいて、今から景気は上昇していくと盛んに言っていたわけです。その連中が、まだ去年の年末までは強気でした。確かにその後、10月の末ぐらいだったか、日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)は1万4000円をつけて、サブプライム問題など解決したと、本気で11月と12月には言っていたんです。(注:4月3日現在では1万3189円)ドル・円の為替も安定したように見えて、世の中は再び安定したように見えた。
ところが、年明けの1月4日から雲行きが怪しくなって、また大暴落(だいぼうらく)が起きました。これは世界的な傾向で、去年の年末までにはもうサブプライム危機が終わった。それと同時に、去年の8月のサブプライムの後、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のアナリストがデカップリング理論(decoupling)というのを言って、先進諸国は株が暴落して景気後退(recession)に入る、ところがBRICs(ブリックス、ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼ばれている新興国は先進国の低迷をよそに激しく成長をしたということになっていたわけです。
中国とインドとブラジル、ロシアもそうですが、確かに去年のサブプライム、株崩れの後でも、中国はものすごい勢いで株価が上昇した。土地は押さえ込まれているからあまり上がらなかったようですが、上海総合指数(しゃんはいそうごうしすう、シャンハイ・インデックス)で3000だったのが、何と6125まで上がった。今はどうも調子が悪くて、3月11日現在だと、上海総合指数で4000を割ったんじゃないかと思う。3000台まで戻ると思います。(注:4月3日現在は、3347.88、ピークは去年10月16日の6092.06、終値ベースの数字を英字紙IHTの4月3日付分から引用)
<破綻したデ・カップリング理論>
だから、新興国は先進国とは切り離されているという理論は、今年の1月になってから崩壊、破綻したわけです。仕方がないので、リカップリング(recoupling)とか言い出して、一回切り離されていたけれどももう一回関連したとか、くだらないこと言っているわけです。実際は、世界経済は連結して互いに関連していますから同じように動く、これはもうはっきりしたわけです。
サブプライムローンの債権を組み込んだ証券の取引市場があるわけです。ここが相当傷んでいる。その後、1月21日、22日の世界大暴落(せかいだいぼうらく)があった。あれが致命的にこたえて、ヨーロッパから先に崩れて、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)の若いトレーダーが75億ドル(51億ユーロ)、日本円で8600億円の取引失敗の損を出したという事件があったわけです。あれで大暴落して。それで、ニューヨークは22日にすぐ上げたわけですが、バーナンキFRB議長が慌てふためいて、FFを0.75%一気に切り下げた。その1週間後の1月30日にもFOMCで0.5%下げたから、1.25一気に下げた。今、FFレートは、短期の誘導の金利はアメリカは3%です。あともう1%ぐらいすぐ下げるらしい。(注:同様に4月3日現在のFF金利は、2.25%)
だから、2%ぐらいはすぐ行く。ということは、金利政策(きんりせいさく)であるところの金融政策(きんゆうせいさく)では何の意味もなさなくなったわけです。つまり、グリーンスパンが一生懸命ため込んでくれた貯金をバーナンキは一気に使い切ってしまったということです。
ここで日本の論調も、世界的な信用不安(しんようふあん)とかアメリカの崩壊とか言い出したわけで、経済新聞や経済雑誌の論調が急激に変わった。彼らはここへ来て急激に態度を変えましたので、恥知らずな奴らだと私は思う。それで、私が徳間本で、一生懸命書きながら、推理、なぞ解きをやったわけです。藤巻健史(ふじまきたけし)氏のような人は、まだ強がっているが、経済マスコミの論調はコロッと変わる。
わかったことは、サブプライムローン問題というのは、実は「サラ金業者」の問題だと。日本でいえば、サラ金というと、武富士とプロミスとアコム、レイクの四大サラ金がある。その下あたりに、マルフクとか、ディック、アイクもあるけども、さらに、ちょっとガラの悪い中堅のサラ金会社がたくさんあるわけです。本当に柄が悪いところは街金(まちきん)といいまして、暴力団金融(ぼうりょくだんきんゆう)というようなやつらのサラ金会社がたくさんあるわけです。そこまでひどくなくても、二番手ぐらいのサラ金会社でも、これが今回のサブプライムローンを組み込んでいた連中である。例えば、以下の「毎日新聞」の記事が、大手の武富士が、サブプライム関連投資をしていたことを報じている。
(貼り付け開始)
<消費者金融>貸出残高急減 サブプライム余波で資金調達難
消費者金融会社の貸し出しが急速に縮小している。多重債務問題解消のために昨年12月に 本格施行された改正貸金業法で融資基準が厳しくなり、そのうえ米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の余波で、消費者金融各社の資金調達が一段と厳しくなっていることが背景だ。
8日に出そろった武富士やアイフルなど大手4社の消費者ローンの昨年12月末の貸出残高は5兆1690億円で、2年前に比べて1兆円も減少した。新たな融資申し込みに対して実際に貸し出した割合を示す成約率も36.7%(同)と、2年前からほぼ半減した。
改正貸金業法の施行で、大手4社は今年1月までに利息制限法の上限(年15~20%)を超える灰色金利を撤廃した。消費者ローン返済額を月収の3分の1以内に収める総量規制も前倒しで導入した。この結果、各社の成約率は昨年12月単月で約6~8%下落した。
各社が貸し出しを絞る背景には、資金調達が一段と難しくなっている事情もある。上限金利引き下げによる業績不振をきっかけに、各社の資金調達コストは上昇していたが、昨秋以降は米サブプライムローン問題の余波も直撃した。銀行借り入れとともに、各社の資金繰りを支えてきた「貸し出し債権の証券化」による資金調達も難しくなった。
消費者ローン債権を証券化して投資家へ売却する際に、モノラインと呼ばれる米国の金融保証 保険会社の保証を付けていた大手業者もあったが、年明け以降はモノラインの経営危機問題が浮上したため、証券化による資金調達も難しくなりつつある。
【斉藤望】 2月8日20時43分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080208-00000127-mai-bus_all
(貼り付け終わり)
副島隆彦です。
アメリカでも、近年、高金利の年利数百パーセントの「ペイデイ・ローン」というのを利用する貧乏人が増えているらしい。アメリカには、統一された利息制限法がないから金利もとんでもなく高い。
しかも、日本との違いは、彼らが住宅ローンを組んで、とてもローンなんか払えないような連中に、変なやくざ者がかった営業マンたちをたくさん雇って、契約競争をやらせた。アメリカでは深夜番組では、ダイエット関連の運動用具と、住宅ローンのコマーシャルばかりをエンドレスで流しているのです。
ところが、これらの住宅ローン会社、いま良く取り上げられている、「カントリー・ワイド・ファイナンシャル」(最近、バンク・オブ・アメリカから出資を受けた)などは、手数料だけ取ってもういないわけです。そうすると、20万ドル、30万ドルですから、2000万から3000万の安っぽい家なんですが、貧乏人のヒスパニックの人たちは、生まれて初めて家が買えた。ところが、そもそも個人破産したような連中で、定収入なんか何もない連中です。
だから、2000万で買った家が3000万、4000万になるという上がりを見こんだ、期待利益だけで住宅ローンを組んだ。彼らがまとめて総破産というよりも、もともと最初から返す気がないわけです。だから、家のキーを債権者に送りつけて夜逃げするローン債務者がアメリカでは増えているのです。
家の値上がり期待待ちで、2000万で買ったのが4000万になりましたよと言って、さらに2000万円も貸し込む。ここの仕組みが恐ろしかったわけです。
日本でいえば普通のサラリーマン、健全な定収入のある連中が借りるローンのことをプライムローンというのだけれども、このプライムローンで借りている連中も、例えば10年前に50万ドル、つまり7000万ぐらいで買ったのが、10年たったら1億2000万円、100万ドルになった。住宅ローンは着実に返し続けた。3000万円まで減っている。
すると、7000万さらに借り込んで投資用のアパートを買う。これはコンドミニアムと呼ばれます。これは自宅用ではなくて、投資用の物件です。ホームエクイティローンといって、目いっぱい借り込んでいるわけです。こちらが今から崩れる。
一番柄の悪い二番手サラ金どもがお金をたくさん貸し込んだ。この二番手サラ金どものことを英語ではSIVとかconduitというわけです。SIVというのはStructured Investment Vehicle――乗り物とか、conduit(カンディット)は導管(どうかん)、下水処理管、電気の配線管みたいなやつのことをいうんですが、つまりサラ金ですね。
サラ金のもとの保証を実は銀行がやっているわけです。簿外(ぼがい)のサラ金業者。何が簿外かといったら、商銀、中堅銀行もたくさんあるけれども、大銀行。アメリカで四大銀行法人といえば、シティバンク(CITI Bank)、アメックス(American Express)とバンカメ(Bank of America)、メリルリンチ(Merrill Lynch)と、証券ですけれどもモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)、あとモルガン・チェース(Morgan Chase)があるわけです。モルガン・チェースは最近出てこないね。
ここにすべての損が押しかぶさってくるというか、責任を取らざるを得なくなるわけです。それで、2~3年でシティグループは倒産するだろうと私は思う。倒産の形をとれなければ、二つ、三つにぶっちぎって、ぶち分けて、それぞれ別個の形で、吸収合併の形になると思う。
最先端情報でいうと、メリルリンチは、今回ひとり勝ちであるところのゴールドマン・サックスに合併吸収の形になるだろうと私は見ています。東京のメリルリンチの法人の白人の幹部たちはどんどん首を切られて本国に帰っているわけですが、その後釜(あとがま)で入ってきている連中はどうもゴールドマンの連中らしい。
そもそも今のメリルのCEOになったのは、元々ゴールドマンにいた、ジョン・セインという男です。メリルの経営者人事では、当初は、ヘッジファンドのブラック・ロックのラリー・フィンクという男がなると言われていたが、最終的にはセインになっています。(注:3月末の情報では、ブラック・ロックはベア・スターンズの抱えていた証券をJPモルガンと一緒に引き受けるらしい)
<本当に日本の年金運用団体は損を出し切ったのか>
モルガン・スタンレーや、ゴールドマンもそうだけども、メリルリンチやリーマンブラザーズなどが――日本の年金運用団体(ねんきんうんようだんたい)とか共済組合(きょうさいくみあい)みたいな業者ファンドの全国組織みたいなところの資金運用団体みたいな組織がある。
そこの専務理事というのは、大体、農水省とか財務省の中堅だったやろうが天下りでやっていて、おれに任せておけ、おれが運用してやるということで、モル・スタやメリルリンチの営業部の連中と組んで、相当サブプライムを組み込んだ証券を買わせていたらしい。
その最大の買い主は恐らく農林中金(のうりんちゅうきん)だと思う。農林中金は58兆円ぐらいの資金を持っていて国際的に運用していると、名前忘れたが、副社長のやつが威張りくさっていたんだけども、ここが恐らく2兆や3兆の損を出すんじゃないかと私は思う。それを表に出さないために、必死で今は覆い隠しているわけです。
だから、サブプライム込み込みで債券を買っている分は、去年の8月段階で、日本の大手銀行は、ゲロしろと財務省に言われてしゃべっちゃったから、合計で6000億円ぐらいで済んだわけです。みずほが一番抱えていて、3800億円ぐらいしゃべった。彼らは頭がいいから、去年の8月、9月の段階で全部処分した。逆に攻勢に出るというふうなことまで言っているぐらいだから、これは本当だろう。
ところが、黙って相当抱え込んでいる連中がいる。年金基金です。これがやがて表面化するだろう。3月末の決算が出たら、4月の末ぐらいまでには決算報告が始まるから、どうしても隠せなくなるおそれが出てくるわけです。穴が開いているといいますけれども、損失金を抱えちゃって公表せざるを得ないところがどんどん出てくると思う。
ここで怖いのは、例えば1本500億とか1000億円の債券を買っているわけ。これは、サブプライムやらモノラインを発行している格付の悪い債券なのですが、これを買っていて、これを返すからお金を返してくれと言いたいんだけれども、元本そのものを返さない危険が出てきつつある。これが恐ろしいことなんです。
あとは、資金繰りのところでクレジットクランチ(Credit Crunch、信用収縮)を起こしているから、法人、企業の運用資金は、3カ月に1遍のロールオーバー(Roll Over)で洗いがえといって、例えば10億、20億、30億のお金はそのまま借り越せる。金利が上がったりしたら、金利の分の差額分だけ払いさえすれば、洗いがえの形で融資金を銀行から受け取れる。
ところが、その洗いがえを銀行がやらない。金を返せという状況が出現しているらしい。日本はまだ大丈夫なんですけど、アメリカでは確実にクレジットクランチを起こしていますね。だから、貸し渋りという問題が、今からアメリカの銀行と民間企業に襲いかかっていく。アメリカの銀行が危ないわけですから、資金回収を急いでいるわけです。
今年の2月18日に、本当は東京支店だけれども、シティグループの日本法人の本社だった天王洲(てんのうず)の本社ビルを480億円でモルガン・スタンレーのファンド会社に売っている。営業はそのまま続けるけれども、賃借りの形になるわけです。こういうふうにシティはもうぼろぼろになりつつある。去年の11月4、5のあたりでデイヴィッド・ロックフェラー(David Rockefeller)が来日して、5日には福田総理に会いにいって、10兆円から20兆円の日本国債を発行して資金を貸せと言いにきただろうと私は分析したわけです。その日に、小沢一郎の民主党代表の辞任のドラマもあった。このことはもう既に書きました。
日本政府はあまり良い返事をしなくて、次の週にブッシュと福田首相の初めての首脳会談があったんだけれども、バッグの中に持っていったお土産は、恐らく10兆円ぐらいしかなかった。日本政府として出せるのはこれが限度ですと,支援金ではね。だからぶすっとしてるに決まっていて、日本側は、また金をせびられるのかよ、たまったもんじゃないなという形で、日本の支配階級は今ある意味では一致団結している。ところが、ロックフェラーに死ぬほど恩義を感じている日銀や財務省の上のほうで、IMFとか世界銀行に理事で出ていたようなやつらは、命がけでデイヴィッド様、ダビデ大王を守らなきゃいけないから、もっと金を出そう、もっと金を出そうと言い続けているはずなんです。つまり、彼らは態度を変えることがもうできない。死ぬまで変えることができない。
いくら何でも10兆、20兆日本政府が出すとなると、担保は何をくれるんですかということで、本気で質問する若手の幹部たちがいるはずなんです。だから、日本政府としても、もうこれ以上お金は出せませんという態度で国内はほぼ団結していると見ていいと私は思う。
ただし、今は、質への逃避(フライト・トゥ・クオリティ flight to quality)といって、日本国債と米国債に資金が流れ込んでいる。だから金利が安いわけです。国債だけがしっかりしている。政策金利である短期金利も安いけれども、長期金利も非常に安いわけです。10年物の日本国債で、今1.35%です。アメリカだって、10年物で3.5%ぐらいかな。金利が安い。この金利がはね上がる、すなわち、米国債が暴落を始めたときがアメリカの危機である。
あと一つはインフレですね。けさの新聞だと、原油の代金が1バレル107ドルを超してきた。(注:4月3日現在では、101.63ドル)これが基本的に物価を押し上げていますから、やがてアメリカ社会に暴動が起きる可能性が本当に出てきた。アメリカでは、貧乏人がフード・スタンプといって、食糧配給券を利用していますが、この数は2800万人だそうです。これをIDカードでやる動きも出始めているといいます。
石油代金、つまりエネルギー代が一番、消費者物価を押し上げるわけです。だから、アメリカはより危ない。今年の11月4日の大統領選では、バラク・オバマ(Barack Obama)の黒人の民主党の大統領が誕生するだろう。この件はもうこれ以上話しません。来年1月20日ぐらいから就任式があって、民主党政権ができたら、早速暴動が起きるというような状況に入るから、それを押さえ込むために抜擢された大統領だというふうに私は考えている。
ところが、黒人と白人のかなりの層がオバマでいいと言ったんだけど、ヒスパニック(Hispanics)の連中が、黒人と競り合っている勢力ですから、かなり反感を持ってヒラリー(Hillary)の方に票を入れたようである。さらには、3月4日のテキサス州ではヒラリーが勝っちゃった。
また番狂わせなのですが、本来共和党に票を入れるべき人たちがわざと民主党の投票所に押しかけて、ヒラリーを勝たせようという動きに出てたわけです。こいつらは、裏はイスラエルのモサドとつながっているような、ネオコン(NeoCons)を支持しているエバンジェリスト(evangelists、福音派)の連中ですから、何があっても、ヒラリーを大統領にして、イラン爆撃をやって、ネオコン政策を継続したいという勢力です。
これにデイヴィッド・ロックフェラーたちも困り果てている。仕事柄自分たちに反抗する勢力が出てきていて、ロックフェラーはもしかしたら暗殺されるかもしれないというような危ない感じが出ているわけです。
この後何が起きるかだけれども、どうやらカーライル・グループ(The Carlyle Group)の経営するヘッジファンドが債務不履行(さいむふりこう)を出したという情報が3月6日か7日にありました。つまり、日本に襲いかかった代表はカーライルとサーベラス(Cerberus Capital Management)とリップルウッド・ホールディングス(Ripplewood Holdings)だけれども、これらのハゲタカファンドが左前(ひだりまえ)になりつつある。
彼らは、IPO(Initial Public Offering)を最終的に目的にしている。法人とか、要するに未公開株を上場させて利益を上げる。簡単に言えば乗っ取りファンドなんですが、彼らの資金源がやっぱりアメリカの大銀行であったということです。アメリカの大銀行というのは、シティグループを先頭にして、モルガン・スタンレーも証券会社だけれども、メリルリンチなどから資金を借りて、外国のおいしい大企業を乗っ取って、八つ裂きにして、おいしいところだけ奪い取って食べるというハゲタカ方式がもううまくいかなくなった。
彼等の投資先がいわば「塩漬け」になってしまっているわけです。
<帝国軍の退却が始まっている>
私の『ドル覇権の崩壊』の裏表紙にも書いてあるとおり、もう乗っ取りの時代は終わって、乗っ取っていた本人たち自身の足元が危なくなっているわけです。彼ら自身が左前になって、資金がショートしている。
あと一つ重要なことは、円キャリートレードが終わりつつあるわけです。今日は、1ドル101円か102円ですけれども、私の考えでは、オバマ大統領ができる瞬間はできれば100円割れはないようにしようと思っているはずです。(注:既に円は3月末に100円割れしたが、4月3日現在では101円93銭)
ユーロとの関係でいえば、1ユーロが1.53ドルというところまでユーロが強くなっている。ということは、1.6、1.8、1ユーロが2ドルとなるだろうと思う。日本でいえば、来年から1ドル80円台になるということを今度の本でも書きました。再来年には60円台になるだろうと書いた。
私は、自分の予測、予言を全部当ててきた人間であるから、自信を持ってこのように言えるのである。
今、日本の政策金利、かつての公定歩合は0.5%である。0.49とか、その辺をうろうろしているけれども、恐らく、シティグループは日本の大銀行を脅して、さらにそれを割る0.25%みたいなどうしようもない安いお金で、ほとんどただみたいなお金で日本円を取り込んでいた。これを、自分の子分みたいな会社であるところのいろんな会社が貸す。それで利益を出していたわけです。日本からの安い資金が世界じゅうに流れ回っていたわけです。だから、モノライン(Monoline Insures)やら、サブプライムのローンを組み込んでいた汚いサラ金業者どもに資金が行っていた。
ところが、それが元本(がんぽん)割れ、元本が戻ってこないという問題が出てきた。それが今度のシティグループ倒産危機の問題で、「貸し手側責任」というのが出てきて、最初から住宅ローンなんか払う気もない、クレジットカードも、返す気もないようなお金を借りていた連中は、年率20%以上の金利があるわけですが、もう既に家を投げ捨てて、まだ恵まれている人はキャンピングカーでうろうろ流れ出している。どうしようもないやつは、車1台、車さえなくなれば、路上生活者(ろじょうせいかつしゃ)を始めているわけです。
なぜなら、アメリカは固定資産税(こていしさんぜい)が非常に高くて、普通の家で大体1万ドル、100万円から120万円ぐらいです。そうすると、月10万円の固定資産税(Habitant Tax、ハビタントタックス)なんて払えるわけがない。それ以外に毎月5000ドルの住宅ローンなんか払えるわけがない。ですから、これらの借金が全部たまって返せなくなったお金が、銀行のところにリワインドして残っていった。1996~1997年に日本で騒がれた住専(じゅうせん)やノンバンクと言われるものと同じことです。
住専というのは日本の大銀行の別働隊で、日本住宅ローン株式会社とか、日本住宅金融とかいう会社だったんですが、こういうのが全部傷んで、日本も酷いことになったわけですけれども、それと同じことがアメリカで起きる。
<アルファベットの羅列で客をけむに巻いた金融工学の詐欺的手法>
アメリカの場合もっとひどいのは、いわゆるファイナンシャルエンジニアリング(Financial Engineering、金融工学)という技術を使って、住宅ローン債権というお金の入り口を原資にして、その上に金利をたくさん、2%ぐらいずつ引き上げながら組み立てた債券があって、ボンドですけれども、この債券をたくさん組み立てたのが、CBO(Collateralized Bond Obligation、債券担保証券)とか、CDO(Collateralized Debt Obligation債務担保証券)とか、ABCP(アセット・バックト・コマーシャル・ペーパーズ、Asset Backed Commercial Papers)といわれている、アルファベットの羅列(られつ)で出来上がっている債券市場です。ここがそれぞれ200兆円とか300兆円、合わせて500兆円ぐらいあるわけです。さらにそれを組み立て直したのがRMBC(Residential Mortgage Backed Securities、住宅ローン担保証券)といって、これがモノラインの連中が仕組んだ債券市場です。
分かりやすくいえば、モノラインも結局サラ金業者なんです。大手のプロミス、アコム、武富士みたいなものだと考えればわかりやすい。クレジットカードも出すわけですから。ここの大きな信販会社かつ高利の住宅ローン会社が左前になってつぶれていくわけです。今は、ここの格付をしたムーディーズとかスタンダード&プアーズ自身の責任が激しく問われている。
サブプライムのほうは、二番手の汚らしいサラ金会社で信用がないので、モノラインの連中が信用保証した。二番手の汚らしいサラ金会社の債権を保証したわけです。自分たち自身でも債券を組み立てて、担保で二番手の汚らしいサラ金業者から預かった債権証書でRMBCという市場をつくったわけです。そして、どうもこれが崩れるに決まっているとわかっていたアックマンという名前の乗っ取り屋というか相場師(そうばし)の連中が食らいついていって、空売りを仕掛けたわけです。それが2005年ぐらいから押していた。彼らの大勝利ということになります。
だから、まず最初に、汚らしい実体のない証券市場が崩れた。大銀行から見れば、彼らは簿外の自分の別働隊の子会社たちですから、ここの元本を引き受けなきゃいけなくなる。資金源ですから、彼らが返してもらえないということになると、親会社のほうがこたえてくる。ここの損金が恐らく500兆円から1000兆円ぐらい出てくるだろうと思う。
同時に、健全なきちんとしたサラリーマンたちが借りている住宅ローンも、さっき言ったように過剰に借り込んでいます。家が100万ドル、1億円になった。ところが、100万ドル丸々借り込んでいて、そこへもってきて担保価値であるところの住宅、いわゆる投資用のアパート、コンドミニアムまでが2割、3割と価値を下げてくると、担保割れする。ここの連中の借金が返せなくなる。
さらには、レイオフ(lay-off)というか、要するに解雇。景気が悪くなって企業が倒産して会社を首になると、また住宅ローンが払えなくなる層がどんどん出てきて、すべてが逆回転していくわけです。これがアメリカでこれから起こる事態であり、これは大恐慌突入の前触れというふうに私は見ています。今度の金融本は4月の頭で、その次の金融本が9月に出ますが、それでは大恐慌突入というような宣言を私自身もやろうと今考えています。
これは、新刊にも書きましたが、シカゴ・マーカンタイル取引所というのがありまして、CME(Chicago Mercantile Exchange、シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)というのですが、金融の先物取引(さきものとりひき)をやる市場で、ここが相当に悪いのだということがよくわかった。普通は、モノライン、サブプライムや、ムーディーズ(Moody’s)などの格付会社の悪を書いているけれども、本当に一番悪いのは、金融経済世界を握っているのはやはりデイヴィッド・ロックフェラーなんだけれども、もしくはそれの別働隊と言ってもいいのがこのシカゴの取引所です。
ここは、レオ・メラメッド(Leo Melamed)という男がいて、名誉会長で75歳なんだけれども、こいつがどうやらとんでもないことをやってきたらしい。先物市場というのは1850年代ぐらいからあって、シカゴは、農産物、豚肉、それから農業用の工作機械などの生産地で大市場なんですけれども、直先スプレッドというんだけれども、直物があれば先物が生まれて、それでヘッジするわけです。
すなわち、来年、再来年のできぐあいを見ながら、収入を安定させるために、早め早めに予約で――自分で作柄がわかっている、どれぐらいできるかわかっているので、1年先、2年先の値段が農民はわかるわけです。先にわかるので、作柄が悪ければ出来高が減るから値段が競り上がる、作柄がよければ大豊作になるから値段が下がる、それを見越して売りや買いを立てて、それで先物市場が生まれた。
ところが、レオ・メラメッドたちがこの先物市場を複雑化して、さらにそれを奇怪な取引の手続に成長させていったわけです。
そこでは、期待収益率(きたいしゅうえきりつ)という言葉と想定元本(そうていがんぽん)という言葉が非常にかぎなんだけれども、実体のない仮需(かりじゅ)の取引を山ほどつくる。同じことが外国為替市場でもある。貿易の決済をやる。貿易の決済というのは、コマツのトラクターや日立建機がユンボを2000台、5000台輸出すると、その代金の300億円とかが確実に入る。確実に入るのが半年先だとすると、ドルが値下がりしているとすると損をするので、今の段階で売って、先物で買い戻す。
要するに、売りの予約をしておくわけです。そうやるのが本来のヘッジというもので、予約為替市場なのですが、仮需で実体の取引のないものがその60倍ある。その60倍か70倍、銀行だけじゃないけれども、銀行が自分で利益をつくろうと思って、勝手に売り買いを立てる。この仮需の取引が、シカゴ・マーカンタイルで膨大な量で行われているわけです。
ここは、金利スワップというのかな、債権の売買をする。それから、先ほど出てきた株式の先物の売買をする。これは指標取引とか指数取引というんだけれども、例えば日本の日経225という日経平均株価そのものを売り買いする、あるいはS&P500種とかいって、ニューヨーク証券取引市場の株価そのものを売り買いする。現物市場の鼻面を1日早く先物市場で値段を決めてしまうわけです。これはおかしい取引だ。ピットでの場立ちで、今でもたくさん種類のある相場の中の物量の少ないところに仕掛けをつくって、二つの勢力が買い上げていって、どちらかが勝つわけで、そこでプライシング(Pricing、値づけ)をやるわけですが、値づけ、値決めのところでとんでもない八百長が行われていることが私はわかった。
すなわち、自由で公正な競争市場でも何でもない。このレオ・メラメッドの先生はミルトン・フリードマン(Milton Friedman)だけれども、諸悪の根源はミルトン・フリードマンである。市場原理とかオープンソサイエティー(Open Society)と言ったのは、ジョージ・ソロス(George Solos)の先生のカール・ポパー(Karl Popper)もそうだ。
カール・ポパーなんかもそうだけれども、言っていることはきれいごと。自由な競争で、小さな政府で、市場原理で世の中がよくなると言っている。実体は、自分たちの八百長で、要するにばくちの賭場の胴元(どうもと)をやっているわけです。
実は、こいつらがやっている値決めのところに秘密があって、その根底になっている信用の原型は何かというと、想定元本と期待収益率ですから、実体となる財産はないんですよ。保証金が1割積んであるからその10倍の取引ができると言っているだけで、100万円しかないのに10倍とか、例えば100倍だったら1億円のお金と同じと言っているんだけれども、その取引が消滅したときに1億円はだれが払うんだ。保証金の元本に置いてあるのは100万円ですからね。すべてが吹っ飛んでいくんですよ。
だから、この金融の先物市場の悪を今こそあばかなきゃいけない。それは、先物市場があるのは当然だとか、そういう理屈じゃなくて、シカゴ・マーカンタイル取引所自体をたたきつぶさなきゃいけない。実は、このたたきつぶす勢力がヨーロッパに既に育っていて、ICEフューチャーズ(ICE Futures)というヨーロッパ全体の統一の先物取引所がもうあるんです。ここがきっと売り崩しをかけていくと私は思う。つまり、ヨーロッパ、ロスチャイルド(Rothchild)勢力がアメリカに対する巨大な反撃を目下始めていると思う。
レオ・メラメッドたちが何をやっているかというと、慌てて去年、例えばCBOT(Chicago Board of Trade、シカゴ商品取引所)という同じシカゴで200年弱の伝統を持っている豚肉や穀物の取引所を吸収合併してしまった。さらには、今年に入ったら、NYMEX(New York Mercantile Exchange、ニューヨーク・マーカンタイル取引所)というニューヨークにある先物の取引所を吸収合併しようとしています。これは200億ドルぐらいだから2兆円ぐらいの……。そんなあるわけないか。とにかく吸収合併しようとしているわけです。
もう一つCOMEX(Commodity Exchange、ニューヨーク商品取引所)という金の先物取引所があって、これはNYMEXに吸収されているけれども、NYMEXをシカゴ・マーカンタイルが吸収しようとしているわけです。実際には既に会社同士の話がまとまっていて、あとは独禁法の問題をクリアすれば実現するのです。ブッシュ政権の終わりまでにこれを実現させたいと思っているようです。
このNYMEX(ナイメックス)は、石油、WPIの取引をやっているわけです。今、1バレル107ドルまでなっちゃった。ここもシカゴ・マーカンタイルが吸収して全部をやってしまおうと考えている。恐らく、プライシングの値決めのところの八百長がばれないようにするための統一市場をつくろうとしている。ぼろが出ないようにしようとしている。あるいは、自分たちに売りをしかけてくる連中をつぶそうとしているのだと思う。
案の定、ニューヨーク証券取引所(MYSE)がシカゴ・マーカンタイズのレオ・メラメッドに対して文句を言っているわけです。おまえたちが先物市場が株式の現物市場である私たちの鼻面を引きずり回すのはやめろと司法省に文句を言って、司法省が、独禁法違反で直接レオ・メラメッドを取り調べている。当然なんだ。精算手続のところいうんだけれども、値決めのところと市場のメカニズムを分離させようということをアメリカの司法省は手がけているらしい。主張しているらしい。
しかし、それでも、上のほうはグルですから、アメリカ国内ではぼろは出ない。一番上はロックフェラーですから、ミルトン・フリードマンも奴の子分ですから。レオ・メラメッドも孫子分なんですね。ところが、全体としてのドルの弱体化、米国債のぼろくず化の問題が起きている。まだぼろくずになっていないんだけれども、やがてもうすぐ出る。
あと、アメリカ株式の暴落問題がある。要するに、円・ドル為替が崩れ、アメリカ株式が崩れ、米国債が崩れると、この3点セットでアメリカは崩れていく。これをヨーロッパの勢力が売り崩していくという非常にきれいな図式が見えるわけです。
だから、今回は、アメリカ国内ではゴールドマン・サックス、ジェイ・ロックフェラー(Jay Rockefeller)が、ゴールドマンのひとり勝ちになっている。
しかし、もうオバマでいいとジェイ・ロックフェラーも言ったので、どうやらデービッドのほうは92歳でがたがきて、世界覇権力を投げ捨ててジェイに預けるという時期に入ったのではないかと私は見ています。それでもアメリカの覇権は終わりを始めたというふうに言えると思います。
(以上、2008年3月11日、東京都内セブンシーズホテルにて)
2008年04月03日(木) No. 1







1 ■m(_ _)m
B4さん、ありがとうございます。
独自試算Xディも、刻一刻と迫ってるものですから、、、。