2012-11-27 10:08:59

司法は福島の子どもたちを見殺しにするのか~収穫無き「ふくしま集団疎開裁判」控訴審

テーマ:被曝

またしても司法は郡山の子どもたちの県外避難に前向きな姿勢を示さなかった。「ふくしま集団疎開裁判」控訴審の第二回審尋は26日、仙台高裁で非公開で開かれ、高裁は山下俊一氏の参考人招致を再度拒否。弁護団は保養先で福島の子どもたちの甲状腺から無数ののう胞が見つかった検査結果を新たに意見書として提出する構えだが、収穫を得られないまま時間だけが経過していく状況に、関係者の焦燥感は募るばかりだ。次回の審尋は年が明けて1月21日14時。来春にも高裁の決定が下される見通しだが、子どもたちに寄り添った決定になる可能性は低い。


【山下俊一氏の参考人招致を再度、拒否】

弁護団によると、審尋は約20分で終了。今回も郡山市側からの反論は何も無かったという。

弁護団は前回(10月1日)の審尋に続き、再度、山下俊一福島県立医大副学長の参考人招致を要求。しかし、「書面で読んでばかりでは理解できないだろうから専門家に来てもらって直接、話を聴いてほしいと矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授も含めた招致を求めたが、今回も拒否された」(光前幸一弁護士)。

井戸謙一弁護士は「裁判所は、低線量被曝について本格的に検証する意思が無いようで落胆した」。郡山市側の代理人に関しては「全く反論してこないのはけしからん態度。必要に応じて反論するという煮え切らない反応だった。このまま黙っていれば裁判所が良いようにしてくれるだろうという目論見なのだろうか」と批判した。

郡山市の子どもたちが昨年6月、市を相手取って安全な環境での学習を求めて訴訟を起こして以降、福島地裁郡山支部は福島原発由来の放射性物質による被曝論争に応じないまま、野田首相が「冷温停止宣言」をした昨年12月16日に申し立てを却下。仙台高裁での審尋も、芳しい反応のないまま次回審尋で終了。3月にも下される見込みの決定は、期待されるような内容になる可能性は低い。

会見で、井戸弁護士は原発問題と司法の独立性について、「裁判官の多くが周囲の空気を読みながら仕事をする傾向がある。枠からなかなかはみ出せないのは事実」としながらも「一人一人が正しいと思ったことを判決としたいという思いを抱いて裁判官を目指したはずで、そこをどう刺激するかにかかっている。決して崩せない壁ではない」と〝裁判官の良心〟に期待を込めた。
民の声新聞-弁護団

厳しい表情で記者会見に臨んだ弁護団。「司法の

壁は厚いが決して崩せない壁ではない」と勝利を

誓った


【保養先での検査で甲状腺から無数ののう胞】

新たに提出された書面には、福島の子どもたちの深刻な健康被害を示すものがあった。

弁護団によると、7月から8月にかけて約3週間、滋賀県の琵琶湖周辺に保養にでかけた福島の小・中学生の健康調査を行ったところ、甲状腺からのう胞が見つかったという。

健康調査は滋賀県の医師ら10人のチームによって行われ、血液検査や甲状腺のエコー検査などを実施。29人のうち19人からのう胞が発見され(うち1人は、二次検査を要するB判定)、17人は両葉性多発性のう胞だったという。29人の子どもたちは南相馬市など警戒区域外から参加していた。

井戸弁護士は「来日しているヘレン・カルディコット博士(オーストラリアの小児科医)が京都で講演を開いた際に検査結果を伝えたところ『聞いたことが無い』と驚き『あり得ない。オーストラリアで言えばニワトリの歯だ』と表現していた。そのくらい、われわれは前例の無い事態に直面しているということだ」と話した。見つかったのう胞は、一つ二つではなく、「無数にあった」(井戸弁護士)という。弁護団は、検査を実施した医師から意見書として結果をまとめてもらい、エコー検査の写真を添えて仙台高裁に提出する構えだ。

茨城県土浦市から裁判支援に駆け付けた生井兵治さん(元筑波大学教授)は「植物も人間も、あらゆる生物は仕組みは同じ。人間の被曝や突然変異だけみないことにしている科学者は、科学者ではない」と訴えた。

「空気中の放射性物質を植物が吸い込むと、1㎤あたりの濃度は260万倍に濃縮される。それを牧草に置き換えたらどうか。乳牛が汚染された牧草を食べればさらに濃縮が進み、その牛の乳を人間が飲むとさらに濃度が高くなる。とんでもない濃色の連鎖になるんだ」と、生井さんは内部被曝の危険性を語り、子どもたちの被曝回避を求めた。
民の声新聞-安積黎明高校
民の声新聞-生井兵治
郡山市内の安積黎明高校前では0.6μSV前後

(上=11/17撮影)

土浦市から駆け付けた、元筑波大学教授の生井兵治さん。

「弱い放射線量でも植物は突然変異を起こすことは学会

でも常識だ。あらゆる生物は仕組みが同じ。人間も低線量

被曝の危険を直視するべきだ」と訴えた(下)

=仙台弁護士会館


【地元・宮城からも「福島の子どもを守れ」の声】

審尋に先立ち、郡山市や東京から駆け付けた支援者らが、地元・宮城県の支援者とともにデモ行進。10月1日の初回審尋時同様、市心部を練り歩き「子どもを守れ」「きれいな大地で学びたい」「みんなで疎開、子どもはすぐに」と声をあげた。

デモ行進に参加した仙台市若林区の女性(31)は、「宮城県も女川原発を抱えているのに人々の関心が低い」と表情を曇らせた。震災後、市の緊急雇用で避難所の管理人を努めたが、放射線被曝を口にするのは難しかったという。「地震や津波の被害が大きく、それどころではなかったのも事実ですが、行政から送られてくるモニタリングポストの数値を張り出すのが精いっぱいでした。お母さんたちが子どもたちの被曝についてようやく口にするようになったのは、夏になってからでした」。

現在、北海道か西日本に移住するべく貯金を続けているという。

「女川原発が事故を起こしたら、宮城県の人々は大変な被害を受ける。だからこそ、福島の子どもたちの被曝は他人事ではないのです」

しかし、支援者の想いとは裏腹に、1年半にわたる法廷闘争も何ら収穫を得られないまま年を越そうとしている。

「原告の中には、裁判所の決定を待ちきれずに母子避難をしている人もいる。大変な苦労をして子どもを守っている。忸怩たる思いで郡山市に残り、生活を続けている人もいる」と柳原敏夫弁護士。井戸弁護士は「いつまで裁判を続けるのか」との指摘に「おっしゃる通りだ。何とかしてもう一度、裁判官の認識を変えたい」と答えた。光前弁護士は「裁判所というところは、はっきりとした健康被害が出ないと理解しない側面がある。しかし、健康被害は発生してほしくない。非常につらい」と苦しい胸の内を明かした。

高裁の決定が下される頃には原発事故から丸2年。司法がのらりくらりと被曝から目を逸らしている間に、時間だけが過ぎていく。
民の声新聞-デモ行進
民の声新聞-ヘルプキッズ
仙台駅周辺を練り歩いたデモ行進(上)。参加者は

藻い思いの表現で、子どもたちの被曝回避・疎開

実現を訴えた(下)

(了)

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