改正臓器移植法の全面施行を7月に控え、日弁連は5月25日、長妻昭厚生労働相と、改正法のガイドラインなどについて審議する臓器移植委員会にあてて意見書を提出した。意見書には、臓器提供に対する意思表示は本人の自己決定権が保障されるべきで、「意思がない」ことも含めて表示しなればならないことを、厚労省として徹底して周知する必要性などが盛り込まれている。

 改正臓器移植法では、臓器提供の「意思がある」という本人の表明に基づいていた従来のルールから、本人の明確な意思表示がなくても家族の書面による承諾が得られれば移植に進めるように変更される。このため、臓器提供を望まない人は、「意思がない」ことについても何らかの明確な表示が必要になる。

 日弁連は意見書の中で、「改正法の施行は、あくまで自己決定権の保障が順守された方法で進められなければいけない」と主張。そのための留意点として、▽「意思がない」ことを表示する方法を限定しない▽臓器提供の意向を尋ねられたくない家族の「拒否権」の担保▽子ども独自の脳死判定基準の必要性▽「意思がない」ことの表示の必要性など、従来法からの変更点の周知徹底―など7点を挙げている。
 また、今年1月から先行して施行されている「親族優先規定」については、「本人の意思を確認する方法をめぐる懸念が払拭し切れていない」として、廃止すべきとしている。

 意見書提出後の記者会見で、日弁連の平原興弁護士は厚労省側とのやりとりについて、「われわれが求めている『意思がない』ことの確認の徹底は、厚労省側にとってもハードルが高く、迷いながら進めているという印象を受けた」とした上で、「施行後も移植実施例を検証しながら、引き続き脳死や脳死臓器移植のあるべき姿について検討するよう求めていきたい」と述べた。


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