東京・赤坂の米大使公邸が今月から日本人作家の作品を集めた「現代美術館」となっている。

 「時を越えた繋(つな)がり」と題した展示がスーザン・ルース駐日大使夫人の発案で行われているのだ。自国文化の発信地ともなる大使館や大使公邸で自国以外の作家の作品を一堂に展示するのは珍しく、これだけの日本人作家(1人は米国籍)の作品を同時期に集めたのは米大使公邸でも初めてという。

 選ばれたのは、留学や在住など何らかの形で米国と接点をもつ10人だが、それだけが基準だったわけでは、もちろんない。作品を結ぶ共通のコンセプトは「時間」だ。時間。この場所でそれを考えれば、自然と日本と米国の間に流れる時間、「繋がり」に思いが至る。今年は日米安保改定50年という節目の年でもある。

 そして作品はさまざまな形で「繋がり」を表現していた。展示を監修したロジャー・マクドナルド氏が言うように「アートだからこそ語れる言葉」にあふれていた。

 たとえば、日米を拠点に活躍するシンゴ・フランシス氏が描いたのは水平線のように伸びる2本のライン。一方は西から他方は東から近づき、日米の邂逅(かいこう)と永続する関係が暗示されている。

 米国の調度に囲まれたレセプションルームで異彩を放っていたのは沖縄県出身の照屋勇賢氏作の紅型(びんがた)着物だ。花と鳥とパラシュート隊、ジュゴンとオスプレイ輸送機が色鮮やかに描かれ、豊かな自然と米軍基地が共存する沖縄が凝縮されていた。

 「戦後65年がたち、基地は沖縄文化の一部としても存在しているのでは」と語る照屋氏は「沖縄の現実が大使公邸で美術を通して受け入れられたと考えています。難しい政治問題も形を変えることで皆で共有できるチャンスがあることを大使夫人は意図して紹介してくれたのでしょう」と歓迎した。

 実際、「大使夫人はどう受け取るだろうか」と危惧(きぐ)する声もあったようだが、夫人は「今の沖縄にあるものが映し出されている」と評価し、展示を決めたという。

 世代も芸術観もそして、恐らく対米観も異なるであろう作家たちの作品が「日本の中の米国」で不思議に調和していたのは、「成熟した関係」と日米を楽観的にとらえる大使夫人の視点が貫かれているからだろう。場所柄、一般公開されないのは残念だが、展示にふれた多くの人が両国の「繋がり」を新鮮な形で感じるに違いない。(副編集長 長戸雅子)

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