記事の内容(計算式等)に誤りがありましたので訂正しました。また他の記事との整合性を保つため座標軸は水平方向y軸、鉛直方向z軸としました。
(2013-05-23 10:16:59)
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5月12日にやっと太陽(黒点)の写真が撮れました。
(2013.05.12 14:26)
今回のテーマは撮影した写真のみから太陽の自転軸の傾き角度とその方向を求め、さらに黒点の移動速度(太陽の自転速度)を求めることでそれには少なくとも三枚の写真が必要です。
この一枚だけではどうしようもないわけですが、これまで記事にした求め方の一部について間違っていないか確かめる意味もあってちょっといろいろやってみました。
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最初に上の写真が赤道座標系でどう見えるかを考えます。
太陽は短時間では日周運動にしたがってつまり赤緯が一定の向きに動いていると考えられますから上の画像を太陽の中心が水平に動くように回転すればいいはずです。
「太陽や月の中心位置を画像から求める」に記した方法で二つの太陽の中心座標と半径を求めます。ついでに黒点の位置の計算もやってみようということで左上の大きな黒点(1745)の位置も調べておきます。
次のような結果が得られました。
(z軸が上向きになるように太陽の中心のzの値には“-”をつけました。黒点の位置(中心に対する相対座標)は太陽の半径で割り半径を1としたときの値にしてあります。黒点のz座標も上側がプラスです)
残差も小さかったし、左右の太陽の半径もほぼ一致していますので先に進みます。ただ太陽(光球)の端を読み取るのは月とは違って意外にむずかしいです。これについてはもう少し考える必要がありそうです。今回は左右とも同じ方法(基準)で読み取っているので半径もよく一致していますが、これが正しいかは要検討です。
太陽の中心の差から回転角を求めます。下記の上の式を使います。
結果としてθ = -0.3504rad.(-20.08度)が得られました。
したがって座標軸を-20.08度回転することによって太陽の中心を結ぶ線(等赤緯線)を水平にすることができます。
座標軸を-20.08度回転する、とは、座標軸を時計回りに20.08度回転する、あるいは画像を反時計回りに20.8度回転することを言います。
回転したあとの黒点の座標を求めると
y=-0.7331, z=0.5319
y=-0.7300, z=0.5349
となりました。
上の画像をじっさいに反時計回りに20.08度回転させるとこのようになります。
次に太陽の自転軸が鉛直になるように考えます。
太陽の自転軸の傾きとその方向及び黄道傾角と時刻から太陽の自転軸が天の北極に対しどれだけ傾いているかを計算してその角度だけ画像(あるいは黒点の座標)を回転すればいいです。
これには「黒点の移動速度の求め方(暫定)」に書いた方法を応用すればいいのですが、この記事では地球の軌道が(楕円だと考えるととたんに難しくなるので)円であるという仮定をしているのとある時刻での自転軸の傾きの方向がよくわからない(=これについて書いたものが見つからない)ことがあるのでここではズルします。
太陽の自転の状態を表すパラメータとしてP,B0,L0というものが使われます。
(国立天文台 - 太陽の自転軸)
この中でPが地球から見た自転軸の見かけの傾きを表しておりこれを使うことにします。
そしてPの値は
「国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表 - 太陽の自転軸」
で知ることができます。
5月12日14時26分のPは
-21.67度
となっています。
再度画像と(上式を使い)座標軸を-21.67度回転させます(これは太陽の自転軸が西(右)に-21.67度傾いていることを意味します。つまり画像を反時計回りに21.67度回転しなければいけないのですが、これは座標軸を-21.67度(つまり時計回りに21.67度)回転させることに相当します)
画像を回転したものはこのようになります。
また黒点の座標は
y= -0.8777, z=0.2236
y= -0.8759, z=0.2275
となります。
上の画像の左側の太陽の部分を拡大したものがこれです。
この画像をNASAが公開している画像
sunspots_512_20130511.jpg 2013-05-11 17:54 33K
と比較すると画像を自転軸が鉛直になるように回転する方法は上に書いた方法で概ね問題はなさそうです。
注1
z=0.2236(あるいはz=0.2275)となっていますがこれからarcsin 0.2236として黒点の緯度を求めることはできません。自転軸は鉛直方向になっていますが向こう側に倒れているためです。この角度はB0で表されます。
国立天文台 - 太陽の自転軸によれはこの時刻のB0は-2.98度ですが、この値はもちろん計算で求めることもできます。
B0の補正の計算方法については
「5月15日の太陽と黒点 (3/3)」
にあります。
注2
NASAの画像の撮影時刻はどうやらUTC-6(CST,CT)でのもののようです。
5月12日の撮影データを5月11日のNASAの画像と比較しているのはそのためです。
午前9時に撮ればNASAの画像と直接比較できそうです。
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撮影
PENTAX Q
TAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD
画像処理
GIMP 2.8.2
ツール => 変形 => 回転
画像 => 縮小(横幅580pxに)
画像 => キャンバスサイズの変更(最後の画像のトリミング)
(2013-05-15 04:18:18)
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5月12日にやっと太陽(黒点)の写真が撮れました。
(2013.05.12 14:26)
今回のテーマは撮影した写真のみから太陽の自転軸の傾き角度とその方向を求め、さらに黒点の移動速度(太陽の自転速度)を求めることでそれには少なくとも三枚の写真が必要です。
この一枚だけではどうしようもないわけですが、これまで記事にした求め方の一部について間違っていないか確かめる意味もあってちょっといろいろやってみました。
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最初に上の写真が赤道座標系でどう見えるかを考えます。
太陽は短時間では日周運動にしたがってつまり赤緯が一定の向きに動いていると考えられますから上の画像を太陽の中心が水平に動くように回転すればいいはずです。
「太陽や月の中心位置を画像から求める」に記した方法で二つの太陽の中心座標と半径を求めます。ついでに黒点の位置の計算もやってみようということで左上の大きな黒点(1745)の位置も調べておきます。
次のような結果が得られました。
中心y座標 | 中心z座標 | 半径 | 黒点y座標 | 黒点z座標 | |
左:L | 978.1 | -1380.9 | 834.4 | -0.5059 | 0.7513 |
右:R | 2108.7 | -1794.1 | 834.1 | -0.5020 | 0.7530 |
(z軸が上向きになるように太陽の中心のzの値には“-”をつけました。黒点の位置(中心に対する相対座標)は太陽の半径で割り半径を1としたときの値にしてあります。黒点のz座標も上側がプラスです)
残差も小さかったし、左右の太陽の半径もほぼ一致していますので先に進みます。ただ太陽(光球)の端を読み取るのは月とは違って意外にむずかしいです。これについてはもう少し考える必要がありそうです。今回は左右とも同じ方法(基準)で読み取っているので半径もよく一致していますが、これが正しいかは要検討です。
太陽の中心の差から回転角を求めます。下記の上の式を使います。
結果としてθ = -0.3504rad.(-20.08度)が得られました。
したがって座標軸を-20.08度回転することによって太陽の中心を結ぶ線(等赤緯線)を水平にすることができます。
座標軸を-20.08度回転する、とは、座標軸を時計回りに20.08度回転する、あるいは画像を反時計回りに20.8度回転することを言います。
回転したあとの黒点の座標を求めると
y=-0.7331, z=0.5319
y=-0.7300, z=0.5349
となりました。
上の画像をじっさいに反時計回りに20.08度回転させるとこのようになります。
次に太陽の自転軸が鉛直になるように考えます。
太陽の自転軸の傾きとその方向及び黄道傾角と時刻から太陽の自転軸が天の北極に対しどれだけ傾いているかを計算してその角度だけ画像(あるいは黒点の座標)を回転すればいいです。
これには「黒点の移動速度の求め方(暫定)」に書いた方法を応用すればいいのですが、この記事では地球の軌道が(楕円だと考えるととたんに難しくなるので)円であるという仮定をしているのとある時刻での自転軸の傾きの方向がよくわからない(=これについて書いたものが見つからない)ことがあるのでここではズルします。
太陽の自転の状態を表すパラメータとしてP,B0,L0というものが使われます。
(国立天文台 - 太陽の自転軸)
この中でPが地球から見た自転軸の見かけの傾きを表しておりこれを使うことにします。
そしてPの値は
「国立天文台 - 暦計算室 - 暦象年表 - 太陽の自転軸」
で知ることができます。
5月12日14時26分のPは
-21.67度
となっています。
再度画像と(上式を使い)座標軸を-21.67度回転させます(これは太陽の自転軸が西(右)に-21.67度傾いていることを意味します。つまり画像を反時計回りに21.67度回転しなければいけないのですが、これは座標軸を-21.67度(つまり時計回りに21.67度)回転させることに相当します)
画像を回転したものはこのようになります。
また黒点の座標は
y= -0.8777, z=0.2236
y= -0.8759, z=0.2275
となります。
上の画像の左側の太陽の部分を拡大したものがこれです。
この画像をNASAが公開している画像
sunspots_512_20130511.jpg 2013-05-11 17:54 33K
と比較すると画像を自転軸が鉛直になるように回転する方法は上に書いた方法で概ね問題はなさそうです。
注1
z=0.2236(あるいはz=0.2275)となっていますがこれからarcsin 0.2236として黒点の緯度を求めることはできません。自転軸は鉛直方向になっていますが向こう側に倒れているためです。この角度はB0で表されます。
国立天文台 - 太陽の自転軸によれはこの時刻のB0は-2.98度ですが、この値はもちろん計算で求めることもできます。
B0の補正の計算方法については
「5月15日の太陽と黒点 (3/3)」
にあります。
注2
NASAの画像の撮影時刻はどうやらUTC-6(CST,CT)でのもののようです。
5月12日の撮影データを5月11日のNASAの画像と比較しているのはそのためです。
午前9時に撮ればNASAの画像と直接比較できそうです。
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撮影
PENTAX Q
TAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD
画像処理
GIMP 2.8.2
ツール => 変形 => 回転
画像 => 縮小(横幅580pxに)
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(2013-05-15 04:18:18)
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