宮崎県の口蹄疫(こうていえき)被害と闘う川南町の酪農家、弥永睦雄さん(48)が、現状を知ってもらおうと書き込みを始めたブログが、1日平均約3万件のアクセスを集める人気を呼んでいる。「下手な文章だけど、今私たちに何が起こっているのかを伝えたい」と日々の奮闘を写真付きで紹介する弥永さん。ブログには「頑張れ」と多くのコメントが寄せられている。【川上珠実】

 乳牛など39頭を飼育している弥永さんは、06年3月にブログを始めた。ブログ名は自分の名前「睦雄」から取って「川南町のムッチー牧場だよ~ん」。これまで町の情報などを発信していたが、4月29日に口蹄疫について初めて書き込んだ。「これ以上、被害を増やしたくない。車の消毒を徹底して下さい」。やがてアクセス数が急増。4年間の総アクセス数約220万件のうち約90万件が、この1カ月に集中した。

 畜舎が移動制限圏内(発生地から10キロ内)にあり、弥永さんは殺処分前提のワクチン接種を受け入れざるを得なかった。5月25日、接種を受けた日のブログにこう書いた。

 <私がいるから安心して注射を受け入れてた感じがしました。でも、私は、心の中で、ごめんね…ごめんね…って39回叫びました…>

 20歳の時に畜産業を継いだ弥永さんは「牛を見て育った。牛が好きだから自分も養っていこうと決めた」という。国への怒りも率直につづる。「ワクチン接種って簡単に言わないで下さい」

 反響は大きかった。搾乳した牛乳を産廃業者のバキュームカーが回収した時のつらさを「たまらなく切ないです。どうか夢であってほしい」(5月27日)と書いた時には「宮崎、頑張れ!」「家畜のためにもくじけないで」など257件のコメントが寄せられた。

 賞金を寄付するなど宮崎への支援を続けている女子プロゴルファーの横峯さくらさんからは激励の電話が来た。「牛さんと豚さん色のしゅりけんを作りました。これで口蹄疫をたおしてください」。県外に住む9歳の女の子から、こんな微笑ましい手紙も届いた。

 5月31日、2頭に感染疑いが出た。39頭は10日にも処分される。「酪農が再開できる日までブログを続けたい。何年かかるかわからないけど、応援してくれた人たちにうちの牛乳を飲んでほしい」と弥永さん。

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