三重県御浜町沖で昨年11月に座礁し撤去作業中のフェリー「ありあけ」の船体が高波の影響でばらばらになり無惨な姿をさらしている。船首部分などは海中に落ち、撤去作業完了は当初予定より2カ月遅れの6月末になる見通しとなった。沖ではクレーン船で残骸(ざんがい)をつりあげる作業が懸命に進められている。

 船体を4分割する作業中だったフェリーは9日の悪天候で、切り込みが入った部分が繰り返して波を受け金属疲労を発生。船首のほか操舵(そうだ)室部分など船体の約4割が崩れ落ちた。

 このため、鉄板などの残骸や積み荷のコンテナが大量に流出。付近の海岸には、船体の一部とみられる木片などが漂着している。

 また、粒状プラスチックなどが約15キロ離れた和歌山県境沖まで漂流。同県那智勝浦町の漁港には粒状プラスチックが入った土嚢(どのう)などが漂着し、ありあけの積み荷の一部とみて確認を急いでいる。大規模な油の流出はみられないという。

 一方、作業の遅れは撤去を担当する深田サルベージ建設(大阪市)が紀宝町で25日に開かれた関係自治体や地元漁協による連絡会議で報告。船体を4分割して撤去する手順に変更はないが、残骸の回収のほか、海中に沈んだ船首部分をつり上げるためにチェーンをつなぎ直す作業が増えたという。

 現在、ばらばらになった船体のつり上げ作業を進めており4月中に撤去。残骸も同時に回収を進め、6月末までの撤去完了を目指すとしている。

 紀南漁協(紀宝町)の佐田美知夫組合長(65)は「6月は台風もくる。できるだけ早く撤去してほしい」としている。

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