東大寺(奈良市)の別当(住職)に5月1日就任する北河原公敬(こうけい)・上院院主(いんじゅ)(66)が2日、同寺で記者会見し、室町時代に焼失した東塔の復興に向け、数年内に発掘調査をすると発表した。東塔は奈良時代の創建当初、高さ約100メートルの七重塔だったとされる。完成時期は未定だが、650年以上の時を経て、往時の姿が古都によみがえることになる。

 東大寺によると、東塔は天平宝字8(764)年に創建され、大仏殿を挟んで西塔と並び立っていた。治承4(1180)年の南都焼き打ちで焼失し、安貞元(1227)年に再建されたが、康安2(1362)年に落雷で再び焼失。以来再建されないまま、現在は基壇跡だけが残る。

 同寺は今後、文化庁などと協議し、初めての本格的な発掘調査に着手する。規模や構造はその結果を踏まえて決めるが、七重塔にする方針。北河原さんは「先人の宝物に寄りかかるばかりでなく、我々の時代に伽藍(がらん)の一部でも復興できたらいいと思っていた。私の代だけではできないが、後の世代にも引き継ぎたい」と話した。【花澤茂人】

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