■京・紫野に悠久のとき

 大徳寺本坊の方丈に、僧侶の誦経(ずきょう)とともに宇宙を思わせる音楽が鳴り渡る。世界的なパーカッション奏者、ツトム・ヤマシタさんが奏でるサヌカイト。讃岐石とも称される香川・坂出産のガラス質の安山岩は、たたくと懐の深い鐘の音がした。

 三好芫山(げんざん)さんの尺八、赤尾三千子さんの横笛、そして特別ゲスト、シリアの歌姫ノーム・オムランさんの伸びやかな聖歌の歌声。それらがサヌカイトと渾然(こんぜん)として、異空間が生まれた。 これが禅なのか。禅というと「静」や「寂」や「閑」を連想しがちな凡人は悩む。「禅は本来、自由で伸びやかなもの。静寂と考えればそれで思いは固定されてしまう」。音禅法要の事務局長、大徳寺塔頭(たっちゅう)真珠庵の山田宗正住職はこう語る。「100人いれば100の禅がある」

 大徳寺音禅は、ヤマシタさんと山田さんの語らいから生まれた。大徳寺門前に生まれ育ったヤマシタさんは17歳で渡米、海外を活動の場としてきた。しかし、評価の高まりと相反するように「絶対と信じた西洋的なものに限界を覚えて」いく。やがて、「追い求めていた音楽芸術の神髄は禅の世界にこそあることに気づかされた」。

 音禅一如。2年前、真珠庵から始まった「音禅」法要は3回目の今年、高田明浦大徳寺管長自らが導師をつとめ、ハイチ、チリの地震被災者にも祈りがささげられた。300人の参列者のなかに曽野綾子、田久保忠衛、工藤美代子、内館牧子、鎌田實、吉村作治さんらの顔がのぞいた。「宗教と音楽とは昔から、ほんとうに関係が深い」というジャズサックス奏者の坂田明さんは、自身も寺社にジャズを奉納している。

 音禅を支援する日本財団の笹川陽平会長は「たまには俗を忘れる機会の大切さ」を話す。京・紫野に悠久のときが流れた。(佐野慎輔)

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