商工ローン大手「SFCG」(破産手続き中)の民事再生法違反事件で、巨額の資産の流出先となった関係会社のうち、債権管理会社「白虎」(大阪府箕面市)は、経営実体のないペーパーカンパニーである疑いが強いことがSFCG関係者への取材で分かった。白虎はSFCGが破綻(はたん)(09年2月)した約2カ月前に設立されており、関係者は「大島元社長らが流出させた資産の受け皿にする目的で作った会社ではないか」と指摘する。元社長の大島健伸容疑者(62)らがなりふり構わず資産隠しに走った実態が浮かんだ。

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 登記簿などによると、白虎は08年12月、東京都台東区に設立され、大島容疑者の義弟が実質的に経営する。09年10月に大阪市北区のオフィスビルに移転。さらに、同12月には大阪府箕面市にある義弟宅に移転登記された。

 白虎はSFCGの破産管財人との訴訟の中で、英国に拠点を置く投資会社傘下の不動産会社「IRE」(箕面市)の子会社で、不動産業などを営んでいると主張した。IREの代表取締役は義弟だ。

 白虎の登記簿によると、設立目的は信用調査、労働者派遣、経営コンサルティングなど23項目にわたるが、資本金はわずか10万円。だが投資会社関係者らによると、IREは台東区の6階建て雑居ビルなどでサウナやダンスホールを経営しているが、不動産業の実績はない。白虎の支店登記がされている同ビル6階の郵便受けには「白虎」の名前があるだけで、事務所はサウナ店などと共同だった。関係者によると「不動産業などの経営実体がないペーパーカンパニーだ」という。

 箕面市の義弟宅は2階建て住宅で、白虎の看板はなく、取材に応答はなかった。近くに住む男性は「社員らしき人が出入りしているのを見たことはない」と話している。【酒井祥宏、川崎桂吾、伊澤拓也】

 ◆SFCG破綻の経緯◆

78年12月 商工ファンド設立

99年7月 東証1部上場

02年11月 SFCGに社名変更

08年秋  債務者約4万人に残金一括返済を求める文書を送付

09年2月 大島健伸社長兼会長が代表権のない会長に退く人事を発表。東京地裁に民事再生法適用申請

  3月 債権の二重譲渡問題などが発覚。地裁は民事再生手続きを廃止

  4月 地裁が破産手続き開始決定

  6月 地裁が大島元社長による資産流出額を約717億円と査定

  10月 第1回債権者集会。破産管財人が届け出債権は約3兆1000億円と報告

10年3月 第2回債権者集会。破産管財人は届け出債権を約2900億円に大幅に減額したと報告

*肩書は当時

 ◇「遠くの親戚より近くのSFCG]…元社長語録

 SFCGを一代で業界トップクラスの東証1部上場企業に育て上げた大島元社長。著書からは、合理主義に徹する強烈な個性と金銭への執着心、成功を追い求めるバイタリティーが読み取れる。

            ◇

 「上司など自分が使うものだ、使われるなんてあり得ないと思っているタイプですから、結局どう転んでも社長にしかなれなかったと思います」(億万長者の教科書=共著)

 「私は国会の証人喚問の時、商工ファンドは裁判所を取り立て機関としてつかっているのではないか。不埒(ふらち)と言われました。『目ん玉売れ!』とか何とか、ヘンな言葉や乱暴な言葉を使って回収するより、裁判所に判断してもらうほうがスマートだと思うのです。なぜ非難されるのか。その点私は非常に不本意でした」(同)

 「今までは少々わけのわからないところがあった業界でも、SFCGへ行けばちゃんと一定の品質を守ったお金が借りられる、というふうにしたかったのです。事業者がお金を借りるときは『遠くの親戚(しんせき)より、近くのSFCG』というのが我々のモットーです」(同)

 「私は外国人の投資家たちにいつもこう言っています。『雨であっても雪であっても、また嵐であろうが、槍(やり)が降ろうが、とにかく私はもうけます』と」(同)

 「『自分に敵対する相手は必ず滅ぼす』くらいの気迫を持って仕事に取り組んでもらいたいものである」(眼の輝いた若者よ、機関車となれ。)

 「基本的には『会社は公器である』と私は考えている。だから自分の子供に会社を継がせようなどという気持ちはまったくない」(同)

 「回収にまつわる武勇伝はたくさんあります。ヤクザまででてきたことがあります。しかし、私はそんなことではたじろぎません。『元金を半分に負けろ』とおどされても、元金はもちろんのこと、金利もビタ一文まけませんでした」(2010ザ・パワービジネス)

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