■「知らない世代」 夢・感動に憧れ

 「万博ファンなんておじさんばかりと思うでしょう。実は20代、30代が多いんです」。大阪市中央区にある「EXPO CAFE」のオーナー、白井達郎さん(55)はいう。万博の写真やグッズがあふれる店の常連客の6割以上は万博を知らない世代だ。

 このカフェで働く藤原未奈子さん(24)=大阪市都島区=もその一人。昨秋、万博記念公園(大阪府吹田市)の結婚式場で“万博式”を挙げた。「一生に一度の結婚式。大好きな場所で、大好きな物に囲まれた式にしたかったんです」

 招待状は、大阪万博の入場券をまねてデザイン。披露宴会場の入り口には太陽の塔のオブジェを置いた。

 藤原さんが万博と出合ったのは高校生のとき。図書館で万博の写真集を開き衝撃を受けた。

 「かっこいい。40年も前にこんな日本があったんやと思いました。斬新で、今にはないって」

 カフェには同じ思いを持つ若者が集まる。河村裕子さん(32)=同市港区=は写真や人の話でしか知らない万博を「万博で初めて外国人をみた。そんな話を聞くとうらやましい。今はテレビもインターネットもあって、驚きや感動の体験がないから…」と熱く語る。彼らの言葉に共通するのは、夢や勢いがある時代への憧(あこが)れだ。

 若者の価値観や消費行動を分析した『下流社会』の著者、三浦展(あつし)氏(51)は、こうした若者を「今は給料は上がらずボーナスもカットでは未来どころじゃない。一方で、アイフォーン一つで世界とつながる『夢の時代』は現実になった。夢の暮らしをしている今の若者に夢は描きにくい。高度経済成長期を知らない若者が夢や希望、達成感、国民が一丸となる何かを味わいたいと思うのは自然なことではないでしょうか」と分析する。

 「一度でいいから大阪万博に行ってみたかった」と藤原さんはいう。「だって、写真をみていると、みんなニコニコしていて楽しそうなんです」

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 昭和45年3月、「人類の進歩と調和」をテーマに開催された大阪万博が開幕した。期間中に約6400万人が訪れた大イベント開会式から14日で40年が経過する。万博の熱狂は、当時、未来だった21世紀の今に、何を残したのかを探る。

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