他人のキャッシュカードで現金を引き出したとして窃盗罪に問われた金沢市の無職の男性被告(61)の公判で、金沢地裁は防犯カメラに映った男と被告は別人とする検察側の鑑定結果を証拠採用した。他に有力な物証はなく、無罪が言い渡される公算が大きい。防犯カメラの男は、検察官の取り調べで画像を示された被告が「自分だと思う」と話すほどそっくりだったが、逮捕容疑や起訴内容は一貫して否認していた。

 被告は09年10月28日に逮捕。同年8月15日、石川県白山市のコンビニエンスストアのATM(現金自動受払機)で他人のキャッシュカードを使い、5回にわたり計100万円を盗んだ、として11月17日に起訴された。

 被告の弁護人によると、防犯カメラは魚眼レンズで撮影し、銀縁眼鏡をかけた男の顔がはっきり映っていた。被告は逮捕当初から「そのコンビニには行ったこともない」と否認。公判で「耳の内側の形が違う。別人だ」と主張していた。

 これを受け、検察側は立体化した画像解析ができる愛知県警科学捜査研究所へ鑑定を依頼。目や鼻、口などは似ているが、耳や耳たぶの形から別人との鑑定結果が出た。

 検察側は5月21日の第5回公判で鑑定書を提出し、証拠採用された。被告は、検察側の請求で4月12日に拘置が取り消されている。【宮本翔平】

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