さすらいの二人 | Untitled



さすらいの二人(’74)イタリア国旗スペインフランス国旗


監督:ミケランジェロ・アントニオーニ



超難解な映画を撮り続ける興行主泣かせのイタリアの巨匠が

金は出すけど口も出すハリウッド資本を得て

ジャック・ニコルソンという怪獣を主演に迎え(笑) 

さて、どう撮ります? アントニオーニ・・・・・・



仕事や結婚生活に嫌気がさしていたデビッド(ジャック・ニコルソン)は

滞在先のアフリカのホテルで自分に似た男の死に遭遇し

あろうことか彼になりすまし、別の人生を生きようとする。

ところが、その男が危険な仕事に手を染めていたことから

逃亡生活を強いられてしまうのだった。行き詰まったデビッドは、

偶然出会った少女(マリア・シュナイダー)に安息を求め

ともに、さすらいの旅を始めるのだったが・・・・。



「アントニオーニにとって、俳優は最も重要な存在ではない。」

「動く空間のようなものだ・・・・・。」

ジャック・ニコルソンがオーディオ・コメンタリーでこう語る。

彼にとってもアントニオーニ作品に出ることは大きな賭けだったかもしれない。

アフリカ、イギリス、ドイツ、スペインと、さすらいの旅を続ける

ジャック・ニコルソンは、謙虚に動く空間に徹していたのかもしれない。

そして 『ラストタンゴ・イン・パリ』 があまりに衝撃的すぎて

その後の女優人生にも影響を及ぼしたマリア・シュナイダー。

こんなにも可憐な女の子だったのですね。 イメージって怖い。。。。



物語としては、別の人間に入れ替わって、悪党に追われるなんていう

ハリウッドが好みそうな題材だけれど(笑)

やはり、アントニオーニは手の込んだ演出をしてくれます。

"Girl" としかクレジットされていない謎の少女マリア・シュナイダーの正体。

そして、ラストの約7分間にもおよぶ長回し。

このラストシーンを撮るために、この映画撮りましたっていうぐらい。

なんだったら、その前までの110分強を撮影助手に撮らせて

ラストシーンだけ 「先生、お願いしますっ」 みたいな(笑)

そんなことを想像してしまうぐらい、圧巻のラストシーンでした。




→ ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品



永遠の愛を求めてさすらう男と女ーー
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