死刑台のエレベーター | Untitled


死刑台のエレベーター(’57)フランス国旗


原作:ノエル・カレフの小説

監督:ルイ・マル


「私をひとり残して どこへ消えたの・・・」

「口づけも 抱擁もせずに・・・」

再鑑賞の今回は、目にだけでなく、耳にも焼きつけようと思い・・・

映画は観るものだけど、これは聴く映画でもあります。

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不倫関係にある社長の右腕ジュリアン(モーリス・ロネ)と

社長夫人のフロランス(ジャンヌ・モロー)は邪魔者の社長殺害を計画

完全犯罪のトリックは成功したかに見えた。

フロランスとの待ち合わせに急ぐジュリアンだったが重大なミスに気づいて引き返し

無人となったビルのエレベーターに閉じ込められてしまう。

一方、ジュリアンの車を盗んだ若いカップルは、衝動的に罪を犯す……。

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ストーリー的には、結構おマヌケな展開なんですよね。

なのに “サスペンス映画の金字塔” とまで評されたのはなぜ?

トリュフォーの遺作サスペンス 「日曜日が待ち遠しい!」 の台詞で

「フランス人は愛の犯罪が好きだから」

結局のところ、そういうことなんですよね。 どいうこと?(笑)

冒頭、ジャンヌ・モローの目元のアップからはじまり

「ジュテーム」 「キスして」 と甘くささやき、目がキラッと光る。

そして、モーリス・ロネは愛する女のために愛の犯罪を犯す。

理屈じゃない、そういうことなんですっ(汗)

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あてもなくパリの街をさまようジャンヌ・モロー。

撮影のアンリ・ドカエによるモノクロームの映像。

淡く光る街灯が彼女を照らし、けだるく退廃的な世界が広がる。

そして、聴く映画でもあるマイルス・デイヴィスの即興演奏。

マイルス・デイヴィスのトランペットが泣きはじめる。



正直言うとジャンヌ・モローは好みの女優さんではなくって

オバさん顔に抵抗感じちゃったりして・・・(ファンの方ごめんなさい)

ただ、この映画のジャンヌ・モローは、ほんとお美しいっ。

女優さんの魅力、映像、そして音楽が上手く融合した先には

この上ないものを生み出すんですね。


→ ルイ・マル監督作品


モノクロームのパリを彷徨う、物憂げな女がひとり――
ジャンヌ・モローの美貌とマイルス・デイヴィスの音が見事に調和したルイ・マル奇跡の監督デビュー作。
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