夜 | Untitled



夜(’61)イタリア国旗フランス国旗


監督は、ミケランジェロ・アントニオーニ


アントニオーニ作品は『欲望』で撃沈してしまったので

それ以来、遠ざかっていたのですが・・・・・


いいですね~

よく分からないと言えば、分からないのだが

この気だるく虚無な感じが、とても好きです。

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

富も名声も手に入れた流行作家、マルチェロ・マストロヤンニ

その妻、ジャンヌ・モロー

傍から見れば幸福の絶頂にあるような2人だが

結婚して10年、愛を拒否して心は遠く離れている。

ジャンヌ・モローは、こういう “マダム” が似合いますね。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

ジャンヌ・モローがミラノの街を、あてもなく歩く。

死刑台のエレベーター』 を思わせます。

画面いっぱいに、白いビルが映し出されているのですが

左下隅に小さくジャンヌ・モローが映っているんです。

このショット好きですね。

そして、郊外のがらんとした空き地をさまよい歩く。

これは、彼女の心の景色なんですね。

マストロヤンニとナイトクラブに行っても、パーティーに行っても空っぽなんです。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

パーティーで、社長令嬢のモニカ・ヴィッティとマストロヤンニが急接近する。

このモニカ・ヴィッティ、いいですね。

自由の幻想』 に出ていた時は、めまぐるしく出演者が入れ替わっていたので

気にかけることはなかったが。

当時、アントニオーニ監督と公私にわたるパートナー

マストロヤンニとジャンヌ・モローが去って、部屋に1人残って

ライトをバチッを消すシーン。ちょっと格好良かったです。

ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティが2人とも肩ひもの細いドレスを着ていたのですが

しょっちゅう、肩ひもが落ちるんです。

その度に、こっちは勝手にドキドキしてしまって(笑)

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

今作は、 “愛の不毛” 4作のうちの1作だそうで

アントニオーニ監督の前夫人が 「わたし、もうあなたを愛していないの」

と一言を残して去ったとき 「では、どうすればいいんだ?」

と疑問を抱き、“愛の不毛” 4作が生まれるきっかけになったそう。

劇中、ジャンヌ・モローもこう言います。

「わたしは、もう愛していない。愛してなんかいないわ。愛してないと言って。」

どうする? マストロヤンニ・・・


ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作

→ ベルリン国際映画祭受賞作



はたからは幸福そうに見える流行作家夫婦の気持ちは遠くかけ離れている。重病の友人を見舞ったことから夫婦の危機は現実のものになった。
夜 [DVD]/ミケランジェロ・アントニオーニ,マルチェロ・マストロヤンニ,ジャンヌ・モロー

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