最高裁大法廷が20日、違憲と判断した「空知太(そらちぶと)神社訴訟」。原告側は「全国で2千カ所以上」、砂川市側は「おびただしい数に上り、おそらく数千件」と述べたように、公有地上に神社が存在する例は相当数に上るとみられ、今回の判決は、今後、同種の訴訟が起こされた場合、影響を及ぼすとみられる。

 ただ、大法廷は「宗教的性格を持つ施設でも、歴史的、文化財的な建造物として保護対象となるものや、観光資源や地域親睦(しんぼく)の場など、文化、社会的な価値から公有地に設置されている場合もある」と指摘。公有地に神社があるだけで即座に違憲になるわけではないことを示唆したといえる。

 さらに、最高裁は今回、違憲か合憲かを判断する“ものさし”として、新たに「一般人の評価」などを重視し、総合判断する必要があるとの基準を提示した。

 政教分離をめぐる訴訟では、これまで「行為の目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助や圧迫になるかどうか」という「目的効果基準」に照らして、違憲か合憲かが判断されていた。

 新基準が打ち出されたのは、地鎮祭や慰霊祭、公費からの玉ぐし料支出など、「誰の、いつの行為か」を特定して判断されるケースが多かった従来の訴訟と、今回の訴訟が異なっていたからだとみられる。

 空知太神社訴訟では、神社敷地に市有地を無償提供するという状態が長期にわたって“放置”されてきた。問題となる行為の主体や時期の特定が困難で、目的や効果もあいまいなため、目的効果基準を採ることが困難だったといえる。

 今回は空知太神社の実情に即した新基準とはいえ、今後の政教分離をめぐる訴訟でどのように扱われるか注目される。(酒井潤)

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