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平成23年東北地方太平洋沖地震(通称3.11)が核兵器(あるいは純粋水爆)による人工地震と主張する陰謀論者の根拠となっているP波が無い様に見える地震波形の嘘を解明したので以下に詳しく説明する。

■この説の拠り所
謀論者が根拠とする波形データの元ネタは下記のURLの情報と思われる。

URL http://educate-yourself.org/cn/japanquakemanufactured12mar11.shtml

このEducate-Yourselfの中では、この波形データから突然最大震度になっているので人工地震と結論付けている。(実はこのサイトではP波が無いとは言っていない)

この元ネタはIRIS(Incorporated Research of Institutions for Seismology, URL http://www.iris.edu)の公開する地震データ公開サービスの一つであるWILBER II(URL http://www.iris.edu/dms/wilber.htm)の3.11の襟裳の観測データである。

IRISはアメリカ国立科学財団が管轄する米国内の大学を結ぶコンソーシアムで世界各地の地震データを収集し、広く一般に配布している。陰謀論者が米国政府関連組織のデータを根拠に陰謀論を展開するのも笑えるが、その組織が提供する地震波形データの読み方を間違えて陰謀論を展開しているところに失笑を禁じ得ない。

■襟裳の検証
それはさておき、下記が根拠とされる襟裳のデータのオリジナルのURLである。

襟裳岬のデータ http://www.iris.edu/cgi-bin/wilberII/wilberII_showplot.pl?ev=20110311_054623.7.spyder&st=ERM.II&c=irNtV9g8Ju2uI

陰謀論者の根拠となっているEducate Yourselfと称するサイトのページには波形データの説明として「Erimo, Hokkaido Island, Japan, "BHN" Monitor」とあり以下にも意味深な雰囲気を醸し出しているが、実際BHNとは広帯域地震計が出力する20Hzの周波帯の南北成分の波形データである事を示す。IRISのオリジナル波形データには20Hzの東西(BHE)・南北(BHN)・上下(BHZ)、1Hzの東西(LHE)・南北(LHN)・上下(LHZ)の6成分が表示されている。

先ずはこの波形データのタイムスケールを見ていただきたい。グラフの開始は5:46:08(GMT)つまり日本時間で14:46:08(GMT+9)ここから6:38:32まで約10分29秒間隔で目盛りが刻まれている。目測でこのグラフの開始から終了の時点までは60分と見て良いだろう。ここで勘の良い方は既に何かおかしいと思われたであろう。

このグラフでは地震発生から1時間にわたって地震波が続いている。実際の地震は大きな揺れは5分程度なのに何故このようなグラフになったのか?その答えはこのグラフ上のデータが1つの地震に対するデータでは無いという事にある。3.11はM9の巨大地震である。巨大地震の直後は余震が激しく頻発する。つまりこの地震波形は本震に続く複数の余震を含む60分間の地震波形という事になる。

素人が良く目にする「xx地震の地震波形」の様な典型的な地震波形グラフは専門家が特定の地震の継続時間の部分を抜き出した物で、たいていは開始から終了までが数十秒から数分程度である。ところが地震学者の様な専門家は地震計からの生のデータを用いて分析をするため長期間のグラフの中から余震を含む様々な情報を読み取る。IRISが提供するこの地震波形はこの様な専門家向けのデータを単にビジュアル化したものであるため襟裳岬のデータの様な形になる。

では何故このグラフに置いてP波が無い様に見えるのだろうか?

その答えは簡単。この波形グラフが典型的な地震波形グラフに比べて長い時間のデータを圧縮して表示している為である。襟裳岬は震央からおよそ430km程の距離に在るがこの距離で60分という時間スケールのグラフを書くと初期微動(初動P波)の継続時間が圧縮されて見えにくくなる。

初期微動が長目に出るように態とP波を速めに、S波を遅めに採って、P波の速度を7km/秒、S波の速度を3km/秒とすると単純計算で震央から約430kmの襟裳岬ではP波が約61秒後、S波が約142秒後に到達し、初期微動(初動P波)の継続時間は81秒程となる。81秒をグラフの継続時間60分に対する比率にすると約2%。この2%を典型的な地震波形グラフと比べると初動P波がほとんどない様に見えてしまう。しかもこれは初期微動期間が態と長目に出る様に設定している。短目の設定なら尚更である。

これがよくよく科学的疑問を持たない陰謀論者に「何かおかしい。自然地震ではあり得ない地震波形である」と結論付けさせたトリックである。

■他地点の検証
ここで別の観点からP波の存在を検証しよう。

方法は簡単。同じIRISの60分スケールの3.11の地震波データで初期微動(初動P波)の継続時間が長くなる条件の観測地点のデータを見て、明らかな初期微動が現れれば良い。

国内の地点として、襟裳岬より遠い(震央より1200km程)父島の3.11のデーターを見てみよう。

父島のデータのURL http://www.iris.edu/cgi-bin/wilberII/wilberII_showplot.pl?ev=20110311_054623.7.spyder&st=CBIJ.JP&c=irNtV9g8Ju2uI

ここでは長くはないが初期微動が読み取れる。

更に父島より遠い海外の地点(震央より2700km程)としてリゾート地として有名なグアムにあるのココス島のデータを見てみよう。

ココス島のデータのURL http://www.iris.edu/cgi-bin/wilberII/wilberII_showplot.pl?ev=20110311_054623.7.spyder&st=COCO.II&c=irNtV9g8Ju2uI

ここまでくると顕著な初期微動が読み取れる。

これらの比較から遠くなればそれだけ初期微動(初動P波)の継続時間が長くなることが読み取れる。

これらのデータは全て同じIRISのWILBER IIというサービスから取得した物。ちょっとした科学的疑問を持つだけで簡単に得ることができる情報である。

何故、陰謀論者はこんなにも簡単なことに気付かないのか?
それは自分の考えを見方を変えて検証するという科学的思考に慣れていないから、立った一つの事実の様に見えることを目の当たりにすると短絡的に信じてしまうのだろう。別の可能性も考えずに。

■防災研の地震データにからの検証
さらに別の角度から検証する。以下の3.11について東大地震研究所がまとめたページの「地震動分布から直接見る震源断層の破壊過程」の項をご覧いただきたい。

3.11情報URL http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/#gmsource

ここでは防災研の地震データを元に3.11の震源における断層破壊過程を示す地震波形グラフがある。これは各観測地点におけるP波の到達時刻を用いて3.11が3回の破壊過程を経て発生した事の証拠が示されている。ここには理屈通りの自然地震におけるP波が示されている。

■結び

最後にもう一言。純粋水素爆弾(そもそもそんな物は実在しないと推定出来るがここでは論点を離れるので説明しない)による人工地震の場合P波が卓越する。むしろS波の発生の方が少ない。その理由は爆発現象は急激な膨張現象で膨張しきった時点で収縮に転じる。なので疎密波(波の進行方向に振動する波)であるP波が発生しする。歪波(歪が伝搬する波)である横波は地層の構造によっては発生するが、基本的に発生し難い。P波が無いことを純粋水素爆弾による人工地震の根拠にするのは全くナンセンスである。

因みに純粋水爆が他の核兵器に置き替わっても、この理屈は変わらないので核兵器なら可能なんて言わないようにお願いする。

以上。
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