今回のご相談は妻に先立たれた男性の苦しみについて。
作家の出久根達郎さんの回答は…
『故人が嫌がるようなことは話さない。
喜ぶことだけ話す。
そのためには、自分が故人に喜ばれる言行を心掛ける。
あなたは奥様の心を乱すような生活を送ってはいけないということです。』
これに似た回答は私も常々ご相談者様にお伝えしています。
わかっているけど…人は実体を求めてしまう…
ぬくもりを求めてしまう…
生きてた時のような会話を求めてしまう…
どんなに時間が経っても…この気持ちは変わらない。
でも時間と共に少しずつ
愛しい人がいない日々をやり過ごしていける。
心の中の諦めきれない願望は消える事なく…
でもね…ひとつだけ安心な事がある…
それは友人の言葉…
『怖がりな私だけど、死んだ後が怖くなくなった。
向こうで待ってるとわかっているから。』
大切な人を亡くされ深い悲しみを抱えている方は
弱っている人に対してとても優しい…。
最近、自分が手術・入院したり
有名人の癌のニュースが立て続けに入ってきたりで
老後や別れについて考える事が多いです。
樹齢が何百年なんてざらにあるのに
人の一生はなんて短いのだろう。
私は父にひとつだけ聞きたかった事がある。
母が亡くなって7年後の父が88歳頃、
身近な人がほとんどあの世に行って寂しいと言ってたのに
実際の父は生へのこだわりが強かったように思う。
入退院の繰り返しで楽しい事などなかったはずなのに…。
それはどうして？
生へのこだわりではなく、ただ…
『あるがままに生きてたのさ…』と言う
亡き父の声が聞こえた気がする。
一生懸命でもなく？
毎日楽しいわけでもなく？
ただ生かされてるから…？
それって…究極の悟りやんか…。
そう言えば…父は
『もう死にたい』という言葉は一度も言わなかった。
充実感のない日常でも父が生きてた意味…
…わかるよ。
私が…孫が…そこに…ただ…
そこに…居たからだよ。
今なら…
もっと…
大事に…
してあげれたかもしれないのに…
懺悔の言葉を私が言う前に出てくる父は
頬っぺたほんのり紅色にして笑ってる。
まるで七福神のような良い顔だ。
幸せそうで安心したよ。
ごめんね。より
ありがとう。だよね。
向こうで暮らせるようになったら
私がこの世でのおみやげ話をたくさん！
おもしろおかしく聞かせてあげるからね。
私の自慢話や頑張った事とか話すからね。
そっちでは絶対聞けないような話を持っていくよ。
そっちの仏の世界は品行方正で
喜怒哀楽がなくって退屈だろうから…。
こっちの世界で頑張る意味はネタ作りの為
たくさんのおみやげ話を用意する為。
新しい出会い、新たな生活パターンで得た話で
仏の微笑のワンパターンな亡き人の平面顔を崩してあげよう。
父の周囲の亡き人もまとめて笑わせてあげる。
大宇宙に響き渡る笑い声で
笑笑笑…って音符を書こう。
それは虹になって地上に居る人にも見えるよ。
残された人を元気にするよ。
大宇宙の7音階の響きは…ドレミの歌となる。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』
この事もきっと大宇宙からのメッセージなのですね。
映画サウンド・オブ・ミュージックに散りばめられたキーワードは
戦争・表現の自由・家族愛・平和な世界へ・絆・
妻に先立たれた男性の新たな出会いと信頼…
母を亡くした子供達に家庭教師の先生が
ドレミを教える時に歌った『ドレミの歌』
そして子供達の父親と家庭教師の恋
新聞投稿の妻に先立たれた男性にお伝えしたい…
これからも人との関わりの中でたくさんの経験を積んで
奥様と再会した時にいっぱい話せるようにして下さい。
それは残されたよくできた息子さん達への
人生の応援エールにもなると思います。
今話せる人がいなくなったと嘆かないで下さい。
ファイルに保存して持っていく為にため込んでいる時だから。
だからまだまだ経験が必要なので
時間を止めたままにしないで頑張って下さい。
今を生きてる意味は、あなた自身の為じゃなくて
あなたの最愛の奥様の為に生きているのではないでしょうか？