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シネマヴェーラ渋谷

シネマヴェーラ渋谷と愉快な仲間たち より

 

今回の特集は、シネマヴェーラ渋谷開館10周年記念特集の第二弾で、“シネマヴェーラ渋谷と愉快な仲間たち”と称して、斎藤工、柄本佑、小西康靖、松江哲明の4名の著名人が選んだ映画を特集しています。

 

ちなみに4名の選んだ映画は以下の通り

 

斎藤工セレクション

現代人  江戸川乱歩の陰獣  血槍富士  十一人の侍  東京流れ者  股旅

 

柄本佑セレクション

フレンチ・カンカン  NAGISA なぎさ  ベレジーナ Beresina

この窓は君のもの  ションベン・ライダー  私の優しくない先輩

 

小西康陽セレクション

七人の刑事 終着駅の女  四畳半物語 娼婦しの  囁きのジョー

砂の香り  ブラック・コメディ ああ!馬鹿  哀しみのベラドンナ

 

松江哲明セレクション

ライブテープ  ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌  死んでもいい  RAMPO

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を  中学生日記  あんにょんキムチ

 

私の注目は、小西康陽セレクション。

テーマは【若くて美しい顔の娘と、ふしあわせそうな男の物語】。 

 

囁きのジョー

 

 

製作:斎藤プロダクション

配給:松竹

監督・脚本・撮影:斎藤耕一

美術:安田耕宣

音楽:世良譲 斎藤耕一

出演:中山仁 麻生れい子 富士真奈美 信欣三 金内吉男 西村晃

1967年12月1日公開

 

ジョー(中山仁)の口癖は「ブラジルへ行きたい」でした。彼はその目的のため、ファッションモデルで恋人の可奈子(麻生れい子)を、財閥の御曹子の三輪(金内吉男)と寝させて、就職にありつこうとしています。ジョーはキークラブのマックス・ホールで可奈子と三輪を引き合わせ、二人が連れだって深夜の街に消えていくのを黙って見送ります。翌朝、ジョーは三輪との情事に疲れ切って戻ってきた可奈子を詰りますが、本心は忸怩たる思いがありました。可奈子が惨めな気持ちで去って行ったあと、マックス・ホールで酒を飲むジョーの目には知らず知らずのうちに涙が浮びます。

 

そんな傷心のジョーの前に、人妻(富士真奈美)が現われます。女は殺し屋と名乗るジョーの話を信じていませんが、成り行きで夫殺しを依頼します。ジョーは女から拳銃を預かり、元やくざである女の夫(西村晃)を射殺します。ジョーの話を本気にしていなかった女は狼狽え、悲鳴をあけて逃げて行き、警察に通報します。女を見送ったジョーは、浮浪者の老人(信欣三)が現場を目撃したことに気づき、彼を連れて逃亡します。

 

二人は海岸沿いにあるコンクリートの廃墟に身を潜め、老人は後生大事にしている娘の晴着をジョーに預け、食料を調達しに行きます。老人が食料を持って戻ってくると、自分には娘などいないことをジョーに打ち明けます。ジョーは老人が晴着を大切にしている気持ちを理解できたような気がして、自分も夢を実現させようと古木や丸太で筏を作り始めます。そして、老人が止めるのも聞かず、可奈子に連絡を取るのでした。可奈子が現れたのを目にして、ジョーは彼女に近寄ろうとしますが、刑事が可奈子の後をつけているのに気づき、愕然とします。

 

斎藤耕一監督のデビュー作であり、若干松竹ヌーヴェル・ヴァーグの流れを汲んでいます。特に音楽が素晴らしく、劇中では笠井紀美子の歌が聴け、渡辺貞夫がフルートを吹いているショットもあります。サントラ盤があれば即購入したいところです。監督、脚本、撮影、音楽と斎藤監督が多くの役割を担当している分、処女作でありながらかなり自分の色を出せています。

 

その反面、シナリオには曖昧な部分が多く、ジョーがブラジルに憧れる具体的な理由も示してはいません。また、彼自体に生活感がないため、彼が何者かもはっきりとはしません。いちおう本人は殺し屋と自称していますが、それすらも怪しいです。夫殺しの拳銃は、自分が調達したものではなく、女が元やくざの夫のものと思われる拳銃をジョーに渡しているからです。

 

また、自分が可奈子に三輪と寝ろと言っておきながら、実際に彼の命令通りにしてきた彼女を責めるなど、随分と矛盾があり身勝手な男に映ります。しかも、本当に俺を愛しているか試したかっただけだと自己弁護し、後になって自分が恋人にさせたことに涙を浮かべて後悔するという、ちょっと掴みづらいキャラクターです。

 

ただし、話が進むにつれ、ジョーの人間不信の根深さが徐々に浮き彫りになり、老人の晴れ着のエピソードと、自分のために嘘をつくという一言によって、ジョーの悩みも雲散霧消する話の流れは妙に説得力があります。最後の最後で、ジョーが恋人を信じられずに悲劇を迎えるくだりは、人間の弱さが露わになり、それでも彼を救うために自ら犠牲となる老人の行為が、再びジョーに希望の明かりを灯します。

 

スタイリッシュな作風の中にも、早朝マラソンをするランナーの一団にジョーがくっついて行く場面や、殺しを依頼した女と元やくざの夫とのやり取りなどは、そこはかとないおかしみがあり、処女作ならではの新鮮さに溢れています。

 

 

砂の香り

 

 

製作:東宝

監督:岩内克己

脚本:馬淵薫 岩内克己

原作:川口松太郎

撮影:中井朝一

美術:竹中和雄

音楽:渡辺宙明

出演:浜美枝 中山仁 松本めぐみ 賀原夏子 中村伸郎 吉村実子 観世栄夫

1968年10月23日公開

 

徳良敦(中山仁)は水泳選手として活躍しましたが、肋膜を患い選手生活を断念し、現在は鵠沼海岸近くの自宅で静養しています。彼は身体が回復したものの、生きる目的を失い無為の毎日を送っています。ある日、敦は夜明けの海岸で若い女と出会います。彼女は暗い翳を宿しており、敦は女に惹かれるものを感じます。

 

それから問もなく、水泳部の仲間たちと海岸に遊びに行った際、橋本(長沢大)から、先日会った女を紹介されます。彼女は水沢亜紀子(浜美枝)と言い、かつて同じ大学の水泳部にいた短距離界のホープだったことを知らされます。現在は金持ちの外国人と結婚しているものの、敦には亜紀子が人妻であることは気にはなりませんでした。

 

その夜、水泳部の仲間たちが亜紀子の家に招待され、敦も同席します。その席で仲間の一人が、能の「鉄輪」を一同に披露します。自分を捨てて新しく妻を迎えた夫に、恨みを晴らしたいとする女の嫉妬の物語は、何故か亜紀子を動揺させます。自宅の庭に出た亜紀子は、追いかけてきた敦が家の中に能面がたくさん飾られていることを指摘すると、「人は皆、仮面を被っているもの。仮面をとった本性は醜い」と謎の言葉を残します。

 

後日、二人は海岸に来て、遠泳を始めます。沖に向かっていく亜紀子は、追いついたらキスしてあげると敦を挑発しますが、彼は浜辺に戻ってしまいます。海から上がった亜紀子は敦に「意気地なし」とからかいます。敦は亜紀子に家に来ないかと誘いますが、亜紀子は「明日東京に行くから」とやんわりと断ります。

 

しかし、敦は上京し、そこで夫らしき人物と建物から出てくる姿を見かけます。その後、二人は鎌倉で薪能を見学します。「恋重荷」という演目を見た敦は「女って残酷だな」とつぶやきます。その後、二人は夜の浜辺を歩き、亜紀子は服を脱ぎ全裸のまま海に入っていきます。敦も何も身に着けず、彼女の後を追います。亜紀子はもっと沖へ出ようと言い、二人は水中で絡み合います。それから数日して、橋本と彼の妹の惠子(松本めぐみ)が敦の自宅を訪ねてきます。惠子が席を外すと、橋本は亜紀子に起きた過去の事件と、彼女が保釈中の身であることを打ち明けます。

 

「鉄輪」と「恋重荷」という能の演目を使って、亜紀子の秘密や、亜紀子と敦の関係を、仄めかす一方で、海岸に流れる音楽がザ・タイガースの「シー・シー・シー」や、全身にペインティングした男女が夏の終わる浜辺で踊るなど、古典と現代の風俗が入り混じる描写でもって、人妻と青年のひと夏の情事を描いています。

 

浜美枝も中山仁も、元水泳選手という設定に相応しい体躯をしており、水着姿や海中での全裸に映えます。特に浜美枝は夜の海岸において、ビーチクの見えるサービスショットもあり、野郎どもへ思わぬ贈り物をしてくれます。また、ボディペインティングではあるものの、加山雄三夫人の松本めぐみがスッポンポンなのもちょっぴり嬉しいです。

 

能を採り入れ、読経の声が挿入させるなど観念的な演出をしていますが、話自体は難解というほどのものではなく、踏切の警告音がそのまま亜紀子と敦の関係に危険を知らせる道具になる点は非常に分かりやすいです。風変わりなメロドラマを観たい方にはお薦めかも。

 

映画の本筋とは関係ありませんが、私は2年ほど前から秘かに映画に出演している俳優の中から左利きの人物を探しています。きっかけは、2年半前に観た「箱入り息子の恋」の中で、夏帆が左で箸を持つのは、演出なのか、元々左利きだったのか、疑問を抱いたことにあります。「海街diary」でその疑問は解消できましたが、他の役者に左利きはいないかと、興味を持ちだしました。判断材料としては、箸の持ち方、物を書く動作、物を投げる動作などがありますが、昔の人は箸と筆だけは右腕を使うケースもあるため、注意が必要。認定第1号は、きっかけを与えてくれた夏帆。そして、本作で中山仁を認定第2号とします。また、だいぶ前から鶴田浩二も左利きではないかと睨んでいるのですが、決め手に欠け、引き続き監視を続行中です。

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