クラウディオ・アバドの現在地
テーマ:クラシック小話英紙The Guardianの音楽欄より。
イタリアの名指揮者クラウディオ・アバドのインタビューが掲載されています。
≪A life in music: Claudio Abbado≫
http://www.guardian.co.uk/books/2009/aug/08/life-in-music-claudio-abbado
アバドのロング・インタビューじたいかなり珍しく、それだけでもとても貴重なんですが、内容も非常に素晴らしいものがあります。アバドのこれまでのキャリアを振り返りつつ、かねてからアバドが積極的に進めている「若い音楽家の集めてオーケストラを組織する」活動の意義、交響的な音楽作りの理想郷としてのルツェルン祝祭管、スカラ座復帰についてのエピソード、そして【エル・システマ】をこの秋からイタリア全土でスタートさせること(!)など、日本にはあまり伝わってこないアバドの“現在地”が明らかにされています。
クラシック好きの方は上記URLからぜひ読んでみてください。
英語ですが、そんなに難しくはありません。
っていうか、≪エル・システマ≫のイタリア版って、、、それすごいことだなあ!
インタビューによれば、政府からの援助は一切ないとのこと。
にもかかわらず、イタリア全土で展開しようとするアバド。
彼は最大限の尊敬と賛辞に値する、本当に素晴らしいアーティストです。
そして、日本でも誰か組織してやればいいのに。。。
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インタビューの中から2ヵ所、気に入ったフレーズ。
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中心となる哲学は、≪聴くこと≫-それこそが彼が音楽家たちに、聴衆に、そして家族に捧げようとする贈り物だ。「私の祖父はよく私を山歩きに連れて行ってくれたんだ」、アバドは覚えている。「彼はよく喋る人間ではなかった。私は彼から沈黙を聴くことを学んだ。私にとっては、聴くことは最も重要なことなんだ。お互いを聴きあうこと、人々が話すことを聴くこと、音楽を聴くこと。」
The central philosophy is of listening - the gift he tries to give his musicians, his audiences and his family. "My grandfather used to take me for walks in the mountains," Abbado remembers, "and he didn't say very much. I learned from him to listen to silence. And for me, listening is the most important thing: to listen to each other, to listen to what people say, to listen to music."
私がかつてシカゴ響と録音したマーラーの第1交響曲を聴くと、ああ、これはあまり良くないと思う。(その後録音した)ベルリン・フィルとの演奏のほうが良いんだ。そしてルツェルンでのレコーディングを聴くと、こちらのほうが何かしら良いものがあると感じる。でもすべてではないんだよ!でもそれこそが人生の秘訣なんじゃないだろうか、いつも何かしらもっと良いものを、新しいインスピレーションを、新しい強烈な願望を探し出すことが。完全なものなど何もなく、いつだって何かしら新しいものを発見することができるんだ。
I heard my old recording of Mahler's First Symphony with Chicago, and thought, my God, it's not good - my Berlin version is better. And I hear the Lucerne recordings and think, yes, some things are better - but not everything! But that's the secret of life, I think, to find always something better, to find new inspirations, new enthusiasms. Nothing is ever perfect, and there is always something new to discover.



