東京タワー

テーマ:
江國 香織
東京タワー

う~ん、なんだかなぁ。って感じでした。

主人公は、二人の男の子・・・って言っても19歳(途中で20歳になるけど)


透は、母親の友達と付き合っていて、かなり一途。

読んでいて、切なくなるほど。


こんなに人を一途に愛せるなんて、幸せかも・・・と思いもするけど

他に喜びを見いだせない、年上の彼女を中心に回る世界は狭くて、不幸かも・・・とも。

どちらにしても、切なくて、息苦しくて、悲しい。


一方の耕二は、仕事も、恋愛も、自分の思うがままみたいな、行動力も自信もあるタイプ。

付き合うなら、自分から振ると決めていたり、年上の女性は好きだけど、子持ちは不可とか、

・・・けっこう、キライなタイプ。


耕二が、すべて自分の思うままに、自由奔放に青春を愉しんでいたのが、

どんどん自分の思うようにならなくなって、ドツボにはまっていく感じはおもしろかった。






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著者: 江國 香織タイトル: 思いわずらうことなく愉しく生きよ

江國 香織さんは、好きだけど、ストーリー的には、この後、どうなってしまうのだろう??と、やきもきしながら読むことが少ない作家さんでもある。
この本は、違った。結局、どうオチがつくのか、ハラハラしながら読んだ。 『思いわずらうことなく愉しく生きよ』という家訓で育った3姉妹の話。
三人は、それぞれに家訓に従い、それぞれに自分らしく、自分の幸せを求めて生きている。

それぞれの恋愛や結婚、家族の結びつき、読みどころは満載だけど、一番、重みを持ち、心を揺るがされたのが、唯一結婚している長女の麻子の抱えるDV問題。
最初は、旦那の暴力をかばい、隠し、耐えていたのが、自ら行動を起こし、最後には立ち向かうまでになるんだけど、どうなってしまうんだろう?って、ハラハラ・・・。

この姉妹は強い。全然、違う生き方をする3人だけど、根っこは同じ。強く、まっすぐに、自らの生き方を貫く。

次女の治子も強いんだけど、この人は、強さを間違えてるんだなぁ。本当はそうしたいわけじゃないのに、生き方を変えられないばかりに、大切なものを失ってしまったような?

末っ子の育子は、変わり者。この子、すごく好きだな。

これから先も、彼女達は、彼女らなりの精一杯の生き方で、傷ついたりしながらも、強く生きていくんだろうなぁ~。

とっても素敵なお話でした。
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著者: 江國 香織
タイトル: 号泣する準備はできていた





短編集でした。
色んなお話が詰まっていました。
だけど、どれも、行き詰っていたり、なんだかちょっと切なさを孕んでいました。

江國 香織さんの文章を読むたびにいつも感じる、文章が心にしみこむ感じはいつもどおりで、そこに描かれる物語が悲しかろうが、いわれもない不安を抱えていようが、ストーリーとは別に、私の心を満たしてくれるのでした。

しかしながら、今の私の気分は、明るく、元気な、あっけらかんとした話を求めていたらしく・・・いつもなら、もっともっと江國さんワールドを味わいたくて、読み終わってすぐに再読したくなるのに、そんな気分にならなかった。。

この本は図書館で借りてきたので、私の今の気分とは関係なく、時間のあるときに読まなくてはいけないのが、ちょっと辛い。

号泣する準備ができたら、またじっくりと味わいたい。
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著者: 江國 香織
タイトル: いつか記憶からこぼれおちるとしても

とある私立女子高の同じクラスの女の子達が主人公の短編集。
それぞれ独立してるけど、脇役に他の話の主人公がさりげなく登場していたりして、全体でひとつの話。女子高生と言う、一種独特の世界が描き出されている。

それは、冒頭の一文で、表されている。
『学校では毎日いろんなことがおこる。教室のあちこちで。
 ワールドニュースみたいだ。どこかの国では戦争をしていて、どこかの国には寒波がきている。ほとんど裸みたいな格好で暮らして、たれさがったおっぱいにビーズの首飾りをじゃらじゃらつけている人たちもいる。
 教室ってそういうところだ。』

ある意味、とてもリアル。
登場人物は、それぞれに魅力的で、あー、いるいる、こんな子って、親近感が沸く。

語られる日常は、さして事件性があるわけでもなく、きっと彼女達の日常の一部を切り取ったら、こんな感じでした・・・というような。
あ~、だから、タイトル『いつか記憶からこぼれおちるとしても』なのか・・・と、納得。
なんでもない日常の一部だけど、とても大切な日々。
それを青春と言ってしまうには、あまりにも繊細な。

かつて、私にも、こんな日々があったのか・・・と、読んだ後、ちょっと感傷的な気分になってしまいました。


著者: 江國 香織
タイトル: スイートリトルライズ


図書館で借りてきた『スイートリトルライズ』を読みました。
江國 香織さんは大好きな作家の一人です。
何よりも、文章が好きで、一文ずつ味わうように楽しみます。

この作品は、仲が悪いわけではないけど、冷えた夫婦が主人公で、妻と夫の視点からの出来事が交互につづられ、物語が進行していきます。

結婚して、結婚する前の恋の情熱が消え、嫌いなわけではないけれど、二人でいても気詰まりな、二人でいても満たされない、やりきれない閉塞感が、静かな文体で丁寧に描かれます。

二人は、お互いに他に恋人を作り、お互いに秘密を持ち合うことによって、二人は危うい均衡の上でつながっているという。

文章は静かに、淡々と進んでいくのだけど、読んでいて、とても苦しく、切なくなってくる。

どうして、こうなっちゃうのかな?夫婦って悲しいな・・・っていうのが、感想。

私は、聡のように、夕食後すぐに自室にこもり、鍵をかけて一人ゲームに夢中になるような人は、絶対に嫌だ。
私は、『聡はただのバカだ、結婚する資格無し』と思ったので、そんな聡を絶望しながらも愛している瑠璃子が、ただひたすら、気の毒で、愛おしいと思った。

スイートな幻想を見るには、テディベアのような男が必要なのかもしれないけど、成り立たなくなっていくのは仕方がないことなんだろうな。