[粒子線治療][陽子線治療][菱川良夫] 名誉センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~

一般社団法人 メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター 名誉センター長
菱川良夫による講演からの小話。

がんは陽子線で治す/PHP研究所

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今、かかっている医者から「打つ手なし」と言われた人でも、治療への手段はある。
喉頭がんでも声を失わない。前立腺がんでも男性生殖機能を失わない。乳がんでも乳房を残せる。
痛みも副作用もない、切らない最先端医療・陽子線治療。
その原理、システムから治療にかかる費用までを専門医が詳しく、わかりやすく解説する。



「がんは治る!」時代が来た/PHP研究所

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がんとの向き合い方、日本のがん治療の実態を紹介した上で、粒子線治療を詳らかに解説し、がん患者やその家族をはじめ多くの人たちに生きる勇気を与えます。
がん治療の最前線を粒子線治療の第一人者・菱川良夫が説く。


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先日、2名の全身転移の患者さんのセカンドオピニオンを受けました。

 

相談の電話があった時に、「お役に立てそうにない」とどちらもお断りしたのですが、「どうしても先生に逢いたい」という強い希望をお持ちでしたので、面会することにしました。

 

1人目の患者さんは、ご本人と2人のお子さんでいらっしゃいました。

 

それぞれに病気や現状の理解を聞き取り、陽子線治療を知った理由なども聞きました。
その上で陽子線治療と他の治療の特徴、向き不向きなどをお話ししました。

 

今回の場合、ある臓器の移植を経験されていた為、免疫療法は適応となりません。
他の治療法も模索しましたが、本人のことを考えると「何もしないこと」が最も良いと感じました。

 

そして、3人に対して
「何もしないことが最も良いと思います。
 ただ、『何もできることがない』とふさぎ込むのではなく、一日一日を楽しむように心がけてください」とアドバイスしました。

 

手の施しようがない がん患者であっても、そのように生きる方法があることを知ったのでしょうか。
 

3人とも吹っ切れたような晴れやかな表情になられたので、私の思いが伝わったと嬉しく思いました。

 

 

翌日、2人目の患者さんと面会しました。

 

奥様の相談にご主人だけで来られ、状況をお話しされました。
患者さん本人はあまり病状を知らないようですが、元気に自宅で日常生活を送っているようです。

 

ただ、ご主人が「何か良い治療はないものか」と一生懸命でした。

よくよく話を聞いてから、全身の転移を治す医療はないこと、現状は上手くコントロールされているので、それを継続することをアドバイスしました。

 

「治すのではなく、悪くしない治療だ」と話すと、暗かった表情も少しずつ柔らかくなり、何とか私の意見を理解していただけたようです。

 

今回の患者さんはどちらも、現在の医療で根治を期待することは難しい全身転移です。

 

スマホで検索したら、あらゆる情報が手に入る時代ですので、本人やご家族も治療が難しいことは分かっていることでしょう。
それでも、現実として受け入れる心の準備が出来ておらず、漠然とした不安から逃れる為にもがいているのです。

 

もがき苦しむのではなく、それらを理解し、整理した上で受け入れる。
そうして残された時間を家族や親しい友人たちと囲まれた幸せな時間に使って欲しいと思っています。

 

残された時間は、感謝を伝えあったり、昔話を懐かしんだり、笑顔で過ごしていきたいですね。

 

引き続き、「幸せな医療の提供」の一環として、がん治療に際しての正しい考え方を多くの人に伝えていきたいと思っています。

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ある病院で腫瘍の手術を勧められた患者さんがいらっしゃいました。

 

他の治療方法を模索して数カ所の病院でセカンドオピニオンを受けたところ、いずれでも手術を勧められたそうですが、最終的に「手術をしないで陽子線治療を受ける」という決断をされ、現在は順調に回復し、元気に生活をされています。

 

治療後の経過観察は、手術を勧められた病院で診ていただいているので、診察のたびにギスギスとした雰囲気を感じているそうです。

 

 

以前は、医師主導のパターナリズムが強かったがん治療も、今日ではインフォームド・コンセントが必須となり、大きく様変わりしています。

 

しかし、中には未だに古いタイプの医師も存在し、患者利益を無視した治療が行われていることもあります。
これらの医師の中には、よく勉強している患者さんが詳細な検査を希望したとしても、それに頑として応じないことがあります。本当に困った問題です。 

 

医療の本質は、提供する側(医師など)と受ける側(患者さんと家族)の協働作業です。
全ての医療機関で、互いに嫌な思いをしない時代が来ることを願っています。

 

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先日、センターの受付スタッフから、「セカンドオピニオンをして欲しいという患者さんが見えています」と連絡がありました。

 

当センターでのセカンドオピニオンは予約制で、突然というのは前例がありません。
資料も何もない高齢者の女性でしたが、私に時間があったこと、悪意がなかったこともあり、お話を聞くことにしました。

 

面会が始まると、彼女はゆっくりと話し始めました。
年齢は80代半ばで、なんと中国地方から新幹線と在来線を乗り継ぎ、一人でセンターに来たそうです。

 

ものすごくしっかりしているのですが、少し耳が遠いようでしたので、いつもより大きな声で話しました。

 

 

診療情報提供書(紹介状)なしで来られた理由を聞くと、面白いことがわかりました。

 

彼女は、半年前に腹部臓器のがんで手術と放射線治療を受け、その治療が適切に行われ、完治していたようです。
 

しかし、本人はそのように理解しておらず、主治医に「陽子線治療を受けたいので紹介状を書いて欲しい」とお願いしたそうです。

完治しているわけですから、主治医の先生は「それは書けない」と彼女に言いました。

 

そこで、大切に保存していた去年の秋に私が載った週刊誌の記事を頼りにセンターに来たというわけです。
ちなみに、記事を見た秋の時期は、丁度がん治療が始まったばかりで、指宿行きを断念したそうです。

 

話を聞きながら、「主治医の先生が紹介しなかったのは、治っているからですよ」と伝えました。
何度もゆっくり伝えているうちに理解できたようで、ニッコリと微笑みました。

 

最後に、「どうしても陽子線治療が必要になったら、先生が診療情報提供書を書くから、また来て下さい」と伝え、セカンドオピニオンを終了しました。

 

 

こちらかすると突然のセカンドオピニオンですが、患者さんからすると半年も前から考え、たったひとりでセンターを目指し、この日に至ったわけです。

 

センターのルールにのっとれば、門前払いをすることも出来たわけですが、ここに至るまでの気持ちを汲み取ると、予定を調整してもお話しを聞くのが「優しさ」です。

 

また一人、安心と喜びを胸にセンターから帰る人がいる。
そう考えると、とても嬉しい気分になります。

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今回は、高齢の女性のお話です。

 

彼女は20年ほど前に腹部臓器の手術を受け、続いて術後に放射線の照射と抗がん剤の治療を受けました。

その後、小さな肺転移も見つかり、3回の手術を受けます。

 

それから順調に10年が経過し、お腹の中の別のがんを手術。
2年後の肺転移も手術。
最初のがんの治療から12年後には、切除部分に再発が見つかり大手術を受けました。

 

その大手術後、肺転移が認められ抗がん剤治療を受けましたが、2個の腫瘍だけは消えませんでした。
最初の治療から、20年目のことです。

 

 

ある地方で講演した際、地方新聞に私の講演の記事が出ました。
彼女はその記事を発見し、「陽子線治療で治療ができないだろうか」と主治医に相談したそうです。

 

親切な主治医から、「一度相談してみては?」と後押しされ、私とテレビ電話システムでの相談となりました。
事前にキャンサーボードで資料を検討しており、「治療可能です」と返答したところ、ご本人は「嬉しい!嬉しい!!」と2人の友人と大喜びでした。


 

私の経験で、これ程長い病状の患者さんを診るのは初めてです。
彼女はとても穏やかで、日常生活を楽しんでいる様子です。

 

治療期間中は、隣接するホテルで友人2人との生活を楽しんでおられ、時々すれ違うと、ニッコリと笑顔で挨拶をして下さいます。
20年間がんと共に歩んで来られた苦労を全く感じさせない様子は、本当に素敵です。

 

この女性は、まさに「幸せに生きるがん患者さん」です。
「幸せな医療の提供」を掲げ続けきましたが、目の前にそれを体現している女性がいることを、嬉しく思いました。 

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昨年の4月から、小児がんに対しての陽子線治療が保険診療の適応となりました。

 

40年前に大学病院で放射線治療を行っていた時です。
その大学に著名な小児外科の教授がおり、たくさんの小児がん患者さんの治療をされていました。  

 

小児がん治療は、総合芸術のような治療です。
手術、抗がん剤の治療が主ですが、それらに放射線治療が加わることがあります。

 

当時、この大学病院の放射線治療医は私一人で、たくさんの症例に携わらせていただいたことを思い出します。

 

その中の一人に、放射線治療を併用した小さな男の子がいました。
彼は、私の息子の同級生のお兄ちゃんであったこともあり、今でも鮮明に覚えています。
今は東京で元気に働いているということを、先日息子から聞き、嬉しくなりました。

 

これからは、より身体に優しい陽子線治療を小児がんに応用する時代が訪れます。
小児がん専門の外科医や小児科医とのチーム医療になります。
幸い、鹿児島大学のチームとは良い関係が作れそうです。

また、当センターでは海外からの小児がん患者さんの治療も積極的に行っております。
今年に入って、13歳男児の治療を行いました。
彼の滞在中の様子については、以前のこばなしをご覧ください。

 

第290回 60羽の折鶴
http://ameblo.jp/ptrc/entry-12245061295.html

 

 

 

小児がん治療に対して陽子線治療を行う場合、一緒にチームを組む他科の先生の要望を聞き、治療にあたらなければなりません。
身体が小さく、弱く小児に対しての治療は本当に繊細です。

 

当センターでは、様々な難治性のがん治療を行っているため、膨大な治療ノウハウが蓄積されています。
これらのノウハウが、小児がん治療にも活用され、優しい治療を提供できていると感じています。

 

引き続き、小児がん治療の分野でも「幸せな医療の提供」を行い、一人でも多くの笑顔を作り出していきたいと思っています。

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