2017年03月 啓蟄

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今回は季節の便りとして、PTPLのともいき便り<啓蟄号>のスタートにも記載の如く、<休眠中の虫が冬籠りから地上に姿を現す時季>という事に合せて、トピックス、思い出などをお知らせします。

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月25日、少々遅い新年会を立川グランドホテルで日本鳴く虫保存会が開催しました。 そのレジメのトップに報告されました短歌は・・・
邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に
   集ひし夜をなつかしみ思ふ (天皇陛下の御歌)
これは新聞にも紹介されました、皇居主催の「歌会始め」の天皇陛下の御歌でした。
この御歌を日本鳴く虫保存会の創立者で名誉会長の小野公男さんが詩吟調に詠み、続いてご本人の短歌を詠みました。
邯鄲野とりこになりて我が人生
   人工孵化でその音絶やせぬ (小野公男・名誉会長



日本鳴く虫保存会・新年会会場

この話を家に持ち帰りお話ししたところ早速我が家の歌人ふじ子の感想や思い出を含むと思われる短歌が聞こえてきました。この原点は我が家でカンタンの鳴き声を聴くことと、加えて、名誉会長・小野さんの虫の飼育所・小野園に一緒に訪問した想い出もあるのだと思われますが・・
<歌人・ふじ子の感想短歌では・・・小野さんの気持ちを詠って・・・>
  その声に深く魅せられ邯鄲の とりことなりて孵化にいそしむ
  邯鄲の人工孵化にかかはりて 半世紀過ぐ 我人生は
  邯鄲の人工孵化にいそしみて 半世紀過ぐ 我人生は
  その声に深く魅せられ邯鄲の とりことなりて孵化にいそしむ
  邯鄲の人工孵化にかかはりて 半世紀すぐ小野大人は

私もこれらを聴きながら一首詠みました、
カンタンや 赤城の山と大利根を
   想い浮かべて 聴く虫の音を  (池田春寿の故郷を詠む)

 

 
カンタンの雄と雌(池田撮影の記録の中から)

 

追記:オスは背中の羽の付け根近くに蜜線があり、雌は交尾しながらこの蜜線から蜜を吸います。雌の尻には針状の産卵管が出ています。

そして、更に思い出したのが、グリーンロードに関係していた頃の森さんが現在所属する短歌の会に投稿した短歌です。
  邯鄲の虫かご見る度想ひ出づ 「リロ」と名付けて過しゐし夏
  蓬生(ヨモギフ)に小さき虫を放ちたり 命繋げと願ひを込めて
  (輪歌二十二号 二〇十五年八月一日 詠み人 森 琳子)

追記: 森さんとの思い出について記憶の範囲では、小平グリーンロードの「灯り祭り」を始めた頃、ご一緒して小野園を訪ねた時に、森さんが小野さんからカンタンを頂いて、季節の終わりに詠まれた短歌で・・・「リロ」と名前をつけて一緒に過ごした家族の一員が、自宅で寿命を迎えるのを耐えかねて、山裾まで行き、放虫したとお聞きしております。



小野園の一角、2017年03月16日撮影

更に上記ふじ子の平成10年4月5日発行の短歌集「三春」(208~209頁)に出てくる虫の短歌にも・・・
  年々なれど(最終章のタイトル)
  石を擦る音とも聞えひといろに あかときかけて虫鳴き続く
  ラジオを止め虫の音聞けと言ひし父 虫鳴く頃となれば思ほゆ
  年毎にこの草むらに鳴きたりし 松虫の声今年は聞かず
  通り雨過ぎし籬の根方にて 昼を鳴きつぐ鉦叩きひとつ
  かくばかり寂しく鳴くは邯鄲か 辻に古びし堂の下より
  古き代の寺の跡なる草原に ただ一つ聞く地虫のこゑを
  立ち入りて足の踏み場もなきまでに 野をこめて鳴くこほろぎの声
  鳴き初めて何時鳴き絶ゆる虫の音か 年々なれど終わりを知らず
(上記4番目は小平市中央公民館前、5番目は小平市内自宅、6番目は秩父の山路沿い、7,8番目は新潟の山沿いで。平成10年発行の歌集で、私が鳴く虫の飼育開始前でした)
後日談・・・今回上記の虫の音に関連するふじ子の短歌の4首目の場所は小平中央公民館前の3角形の芝生で、この短歌の詠まれた当時、小野さんが松虫を放虫したことがあり、その時期の短歌と思われる・・松虫の生育環境に良いチガヤがあったとのことをお聞きしました。



ふじ子の短歌集(三春・妙高・空に撒く)(小平図書館所蔵)

このカンタンという名前の虫に関する私の想い出は20年ほど前に遡ります。
南青山でMMRF(宮川記念財団)に出向して勤務をしていたころ、100坪ほどの広い庭の手入れをする傍ら、「かたつむり」と言う会報に、主題のウイルス性肝炎の研究レポートとは
別に毎月植物関係の随筆を連載しておりました。ニッコウキスゲ、ツキミソウなどいろいろな花を植栽して、東京新聞、朝日新聞、NHK等の取材を受けたことがきっかけで、庭の見学に来る人がおり、カンタンが鳴いていることを教えて頂きました。夕方暗くなってから懐中電灯を頼りに草むらの中で鳴いているカンタンを見つけてビデオ撮影をしたことを思い出します。
このことがきっかけで、当時の鳴く虫保存会・会長の小野公男さんとお会いして会員になり、その後はじまった、鳴く虫コンクールにも毎回出展、マツムシ、スズムシ、カンタンのうち、カンタン以外には複数回入賞しておりますが、未だにカンタンだけは賞にありついておりません。


 
鳴く虫のコンクール関連



その他資料など:
 上記の鳴く虫のコンクールは読売新聞の2014年8月5日他、4回シリーズで
 <鳴く虫の飼育の流儀1・小さな声の美競う会>として掲載。<寺澤康行会長筆>
又小平図書館には、小野公男・名誉会長の著書:
「鳴く虫の王様カンタンを育てる」「鳴く虫の飼い方 増補」



読売新聞切抜きコピー


カンタンの本2冊  (小平図書館所蔵)

今年で日本鳴く虫保存会は設立50周年を迎えますが、お聞きするところによると、カンタンの人工飼育のきっかけは、1964年の東京オリンピックの年に日本の虫の声を楽しむ文化を世界の人に味わってもらいたいという事でしたが、その成功・完成に2年ほどかかり、1964年の東京オリンピックには間に合わなかった由。その後会をスタートして今年で50周年という事です。
次の2020年の東京オリンピックは真夏の予定なので、虫の音の楽しめる季節には難しいかな???

 

次回の交流会は下記参照ください。参加をお待ちしております。

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次回NPO PTPL小平支局交流会は、
日時: 未定
場所: サン珈琲(小平市小川町2-1233-3 当日連絡は電話:042-347-3058) 参加は自由、どなたでも参加できます・・・ (会費はなく、飲食代金は自己負担です)
(問合せ・連絡先 NPO PTPL小平支局長 池田春寿T/F042-346-7268、
メールsahaikeda@nifty.com
ブログ:http://ameblo.jp/ptpl-haru/

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