2005-05-20 23:49:26

SUVは歩行者を2倍殺す

テーマ:心理学 (運転・飛行機)

dummy 車の種類によって、事故になった場合の歩行者の致死率が大幅に違う。SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)は普通車に比べて2倍の致死力がある、という記事。

アメリカでは年間4000人もの歩行者が交通事故に巻き込まれて死んでいる。そこでこの研究者は車の種類によって歩行者が死ぬ確率が違うかを調べた。条件を揃えるために一台の車が一人の歩行者に衝突した場合の1000件中の致死率で比べた。すると、普通車では1000件中45件で歩行者は死に至った。ミニバンでも45件。それがSUVになるとぐんと跳ね上がる。小型SUVで77件。大型SUVでは115件。大型のバンでは132件が致死の事故だった。

アメリカ人てSUVやトラックが好きなんだよな。というかああいうどっしりした車が本当によく載られている。で友達にそういう車を買う理由を尋ねると、事故にあってもあたり負けしないんで自分は助かるから、と答える友達が多い。これってすごく個人主義的で僕は嫌いだ。相手より重量で勝ることによって、相手を殺してでも自分は生きようというのはとてもアメリカ人的だと思うよ。日本ではどうなんだろう。

人間の心理としては自分が生きられる確率が高いのを選ぶのは当然のことなんだけれど、そんな事をし続けていたら社会がどんどん変な方向に言ってしまうんではないかと心配だ。国の間で言えば相手より強い武器を開発していくのも同じ流れだと思う。でも平和な社会というのは別の方法で作られるのだと僕は信じている。例えば現在の社会階級はケンカの強さで決まるわけではない。成熟した社会は強さを追い求めるものではない。
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元の記事:New Scientist. 13 December 2003. p.23. Pedestrians at risk from sports utility vehicles

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2005-03-26 19:55:38

アメリカ人右利きは右の道を選ぶ

テーマ:心理学 (運転・飛行機)
人は利き手の方向に曲がるのをより好むという結果が心理学の研究で発表された。この結果は応用範囲が広く、小売店の設計、美術館の設計、運動競技者の戦略などに使える。

この研究は古く遡り、70年前のある研究に事を発する:博物館の客は入り口に入ると75%が右に曲がったという。それを確かめるべく、今回の研究者はやはり建物などでT字路にあたり、右か左を選ばなくてはならない場合どちらに曲がるかを計測した。

これによると右利きの人は右の道を選びやすく、左利きの人は左の道を選びやすかった。効き目(右目優位か左眼優位か)も調べたが関係はなかった。しかし普段車で走る側の道は関係があり、アメリカ人(右側通行)の右利きはより右の道を選んだ(7割程度)ものの、イギリス人(左側通行)の右利きでは右の道を選ぶ確率は5割を下回った。アメリカでもイギリスでも左利きが右の道を選ぶ傾向は大きく離れてたったの3割程度だった。

この研究者によると利き手の側に進もう(回る、曲がる)とする傾向はボクシングや野球などのスポーツでも見られると言う。

冒頭の博物館の話に戻ると、75%が右に進むというのは今回の結果に似ている。世の中には右利きの方が多いので(少なくともアメリカでは)人はより右に曲がっていくのだろう。更に博物館などでは大多数が進む方向に押し流されて進みたいとする社会心理も働く。

ところで僕の友達が日本から僕を訪ねに来た時があった。そしてレンタカーを借りて運転してたんだけど、いざ細い道で対向車が来た時にその友達はとっさに左側にハンドルを切った、と同時に対向車も同じ方向に除けようとした。助手席にいた僕は臨死体験すれすれだったよ。この実験の結果と照らし合わせると、その時のお互いの行動は心理学的に見て理に適っているんだけど、僕にはすごい理不尽な体験だったな。その前に旅行者にアメリカで運転させてないで慣れている僕が運転しろよ、とも言えるけど。

写真はジェニー・フィンチ(Jennie Finch)。この研究が行われたアリゾナ州で最も有名な右利きと言えばこのコでしょう!2004年のオリンピック金メダリスト。

元の論文:
Scharine & McBeath (Arizona State University) (2002). Right handers and American s favor turning to the right. Human Factors v44(1). Spring 2002. 248-256.

検索キーワード: 心理 心理学 認知心理 建築 運動心理 右側通行 左側通行 eye dominance ヒューマン・ファクター 社会心理学
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2005-02-10 22:56:49

車運転中の携帯電話は事故が4倍 その1

テーマ:心理学 (運転・飛行機)

車を運転中に携帯電話を使うと事故が4倍に増える。これは心理学がどのように世の中に役立っているのかを見る良い事例なので、ゆっくり紹介していこうと思う。

原因として、携帯を持つ手の格好、右耳左耳と右脳左脳の違い、むずかしい話の理解、同乗者と話すのとの違い、そんなことが研究されている。ただし、これは現在進行中の研究で、なぜ携帯電話を使うと事故が増えるのかの根本的な理由はまだ不明なことが多いと言うことも先に言っておこう。もし、これだ、と思う理由を考えた方はぜひコメントください。あなたの案が研究に使われるかも。

原因究明というのはすごく大事なことだ。僕のブログでは因果関係の起こる理由をデータから見ていく、というのが一つの主旨だ。原因がわからないと事故の統計を応用する境界があいまいになる。車の運転中の携帯の使用を完全に禁止するべきなのか、拡大解釈して歩行中の携帯の使用も同じく禁止すべきなのか。ポピュラー心理学ではこの拡大解釈が頻繁に行われていて、一般人を欺いてる時が多いのがすごく気になるよ。

原因究明は教育心理学や精神療法などでも同じだ。ある事例で効いた方法をどこまで応用できるのかは、その効いた原因による。そんな事を車と携帯の関係から今後語っていくよ。

キーワード:心理 心理学 認知 二重課題 多重課題 


関連する記事:
しんりの手FC2「ハンズ・フリーでも運転中の携帯は事故率4倍」

しんりの手「運転中に携帯を使うと事故率4倍は反応速度や不注意性盲目のせい」


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2005-02-07 00:05:28

コウモリの反射音で地形を「聴く」

テーマ:心理学 (運転・飛行機)
コウモリはエコー(音の反射)を聞いて障害物や獲物を探る。言わば音を頭の中で映像化するとも言える。それを人間に応用して目を使わなくても地形を把握できる、という研究。

飛行機のパイロットは目を酷使する。凄まじい速度で外界を見ながら何十もある表示板の一つ一つに注意を払う。目に比べて耳は余裕がある。パイロットにとって音から得る情報は少ないからだ。なので幾つかの視覚的情報を耳に移そう、というのが研究の目的なんだろう。

そこでこの研究者が目をつけたのが暗闇でのパイロットであるコウモリだ。コウモリのエコーを人間が聞こえる音程に下げて聞かせたところ、人間も障害物を驚くほどうまく察知できたと言う。この研究者はパイロットにこれを応用できると信じている。

この発想は良いと思うよ。ただパイロットにとって外を見るのは一番大事な情報源だ。事実、暗闇で機器にだけ頼っての操縦は事故率がぐんと上がる。なので視覚の補助として使うのなら需要があるかもしれない。それだと目の仕事を減らすことにはならないんで、表示板の幾つかを音にする方が手っ取り早い気もするな。

僕はデータにできる研究が好きだ。日本で心理学と言うと兎角、心理療法や性格診断などと思われがちだ。でもそういうのは数値化しにくいし、科学的な研究も難しい。一件一件対応する場合も多い。つまりある件ではある療法が効きましたよ、でも科学的な裏づけは解りませんとなる場合もある。そんな研究ももちろん社会に役立つだろう。

でも僕はその根本の理由が知りたい。なぜその件ではそれがうまくいったのか。そんなことを科学的に裏付けるには実験で結果を数値化していかなくては他人を納得させるのは難しい。

例えばこのコウモリの反射音の研究の裏には二重課題がそれぞれ目を使う課題ともう一つの目を使う課題だと人間はすごく不憫な状況に陥る。そんな背景が科学的に裏付けられているからこの反射音の研究ができている。僕のブログを読んで、こういう心理学もあるということを一人でも多くの人が知ってくれると嬉しい。そして心理学を学ぶきっかけになってくれたら素晴らしいよ。

Bat echoes used as virtual reality guide
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn4165
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