月初めに多い医療ミス。薬剤師のエラーか | しんりの手 :psych NOTe

月初めに多い医療ミス。薬剤師のエラーか

月の第一週には薬に関する致死性級のエラーが25%も多い。それは薬剤師が忙しいせいだろう、という記事。この研究方法が面白い。

1979年から2000年にかけての13万件の薬にまつわる致死性級エラーを調べた。すると月の第一週の死者数が圧倒的に多かった(写真)。http://ucsdnews.ucsd.edu/newsrel/soc/PhillipsMedErrors.asp

薬剤師側のエラーか患者側のエラーかを調べるため、次のようなデータを調べた。金持ちはいつでも薬が買えるので、薬を買う時期は月間通して一定だ。それに対して老人や貧乏人は国の援助が出る月初めに薬を多く買う。なので患者のエラーならその違いが致死性級薬エラーに反映されるはずだ。しかし、月初めに突出する致死性級薬エラーの傾向は全ての群に見られた。月間に一定して薬を買う金持ちにも月初めの薬による死が多いということは、薬剤師のエラーによるという証拠だ、としている。

ふーん、こういう研究方法があるんだな。研究に必要な知識って、その専門分野はもちろん、周辺の知識が必要だと思わされるよ。つまりこの研究では、死者数の統計の他に、国の医療制度や社会的違いによる薬を買う時期などの知識が必要だ。この人は社会学が専門らしいから驚きはしないけど。

周辺の知識を集めるという点では、このブログは自分のために役立ってると思う。自分で知識を集めているし、読者の方からの貴重なコメントが新しい見方に気づかせてくれる。みんな、ありがとう!

エラーに関する半自動性(オートマティシティー)の判断や慣れに付いて書こうかと思ったけど、纏め上げるほどの時間が今は無い。こうご期待。