2008-09-13 18:00:00

「最新」の素粒子事情

テーマ:ブログ
こんばんは☆
kaiです☆


アメーバニュースによりますと、
ロイターからこんなニュースが出ていたようです

インドの少女、欧州での「ビッグバン実験」を恐れ自殺
 [ボーパール(インド) 10日 ロイター] インド中部マディヤプラディシュ州で16歳の少女が10日..........≪続きを読む≫
なんとも、悲劇的なことだと思います

物理実験と言うと、恐らく原水爆などを連想する人も多いのでしょう
この少女は、そういう人物たちが討論する番組を見てしまったのかもしれません


LHC(大型ハドロン衝突型加速器)は、スイスはジュネーブ郊外にある、
CERN(欧州原子核研究機構)が建設した世界最大の衝突型円型加速器です

加速器とは、高エネルギー物理学の実験で用いられる、非常に巨大な実験装置です
その規模は建築物級を超え、都市開発級です
ちなみに、LHCは円周約27kmです


この加速器は今月10日に稼動したばかりで、しかも世界最高のスペックを持っています
(日本のカミオカンデをしのぐ性能です)
高エネルギー状態でしか観測できない現象を起こす実験により、大統一場論(超対象性理論)の検証が期待されています

しかし、その実験が「ビッグバン実験」と呼ばれているとは知りませんでした

確かに、超対象性理論を検証するためには、
「ビッグバン直後の宇宙」と限りなく近い状態を作り出す必要があります
その状態とは、簡単に言うと「高エネルギー状態」、
もっと簡単に言うなら、「非常に早く飛ぶ素粒子同士を衝突させた直後」です
(素粒子:万物を構成する非常に小さな要素で、有限数の種類で分類される)

但し、ニュースに書かれているような、
「ブラックホールが生まれる」ような事は決してありません

ブラックホールとは、簡単に言うならば、
「非常に高密度な物体」の事です
例えば、地球をリンゴほどの大きさに圧縮すると、
小型ブラックホールが生まれると言われています

この加速衝突実験というものは、
むしろ逆に粒子をバラバラにしてしまう実験なのです
なので、決してブラックホール発生する事はありません


この都市伝説のような噂で、ひとりの少女が世を去ってしまったこと、
非常に嘆かわしく思います
「この世の終わりを恐れる事」は、人間の潜在的恐怖なのですから

インドの報道界は、深く反省をすべきではないでしょうか


さて、超対象性理論の検証というのは、
同時に超対象性粒子の観測発見と同じ意味になります

超対象性粒子というのは、簡単に言うと、「最近で最も新しい素粒子の概念」です

物質は、原子で構成されている
原子は、電子と原子核で構成されている
原子核は、核子(主に中性子と陽子)で構成されている
核子は、三つのクオークを構成されている……

といったように、素粒子物理学ではどんどん小さな粒子を定義しています
電子やクオークは、暫定で「これ以上小さく分析はできない」ということで、
「素粒子」と呼ばれています
(正確には、「粒子」というより「量子」と呼ばれる存在です)

その素粒子ですが、代表的なものを以下にリストアップしておきました


■従来の代表的な素粒子一覧

●ボーズ粒子(ボソン:Boson)と呼ばれる素粒子群

 ・ゲージ粒子(Gauge Boson)と呼ばれる素粒子群
   フォトン(光子):Photon
   ウィークボソン(Wボソン、Zボソン):W Boson, Z Boson
   グルーオン:Gluon
   グラビトン(重力子):Graviton

 ・ヒッグス粒子(ヒッグスボソン:Higgs Boson)と呼ばれる素粒子群
   中性ヒッグス粒子:Neutral Higgs Boson
   荷電ヒッグス粒子:Charged Higgs Boson

●フェルミ粒子(フェルミオン:Fermion)と呼ばれる素粒子群

 ・クオーク(Quark)と呼ばれる素粒子群
   第一フレーバー
    アップクオーク:Up Quark
    ダウンクオーク:Down Quark
   第二フレーバー
    チャームクオーク:Charm Quark
    ストレンジクオーク:Strange Quark
   第三フレーバー
    トップクオーク:Top Quark
    ボトムクオーク:Bottom Quark

 ・レプトン(Lepton)と呼ばれる素粒子群
   第一フレーバー
    エレクトロン(電子):Electron
    電子ニュートリノ:E-neutrino
   第二フレーバー
    ミューオン(ミュー粒子):Muon
    ミューニュートリノ:μ-neutrino
   第三フレーバー
    タウオン(タウ粒子):Tauon
    タウニュートリノ:τ-neutrino


これらの中には、未だ検証されていない素粒子もあります
LHCでは、その素粒子の観測発見も期待されています

これら素粒子は、それぞれ固有の性質を持っています
性質の種類としては、質量、電荷、スピンなどがあります
クオークとグルーオンは、「色荷(カラー:赤青緑の原色と、反赤反青反緑の補色)」
という性質も持っていますが、
これは種類ごとの性質ではありません

電荷にはプラスとマイナスがありますので、
電荷を持つ素粒子には逆符号の反素粒子が存在すると言われています
これは、実際にも観測されているものが多くあります

そして超対象性粒子理論では、
「ボーズ粒子にはフェルミ粒子、フェルミ粒子にはボーズ粒子の『相方』が居るはず」
と説きます
この「相方」を、超対象性粒子もしくはパートナーと呼びます
これは、性質の一つ「スピン」に着目した概念で、
「スピンを1/2ずらしたもの」がパートナーであると言われています

以下に、パートナー一覧を記します
これらは、未知の素粒子としてLHCによる発見を期待されています


■従来素粒子のパートナー一覧

●ボシーノ(Bosino)と呼ばれる素粒子群(従来のフェルミ粒子に属す)

 ・ゲージーノ(Gaugino)と呼ばれる素粒子群
   フォティーノ:Photino
   ウィーノ、ズィーノ:Wino, Zino
   グルイーノ:Gluino
   グラビティーノ:Gravitino

 ヒグシーノ(Higgsino)と呼ばれる素粒子群
   中性ヒグシーノ:Neutral Higgsino
   荷電ヒグシーノ:Charged Higgsino

●スフェルミオン(Sfelmion)と呼ばれる素粒子群(従来のボーズ粒子に属す)

 ・スクオーク(Squark)と呼ばれる素粒子群
   第一フレーバー
    サップクオーク:Sup Quark
    スダウンクオーク:Sdown Quark
   第二フレーバー
    スチャームクオーク:Scharm Quark
    スストレンジクオーク:Sstrange Quark
   第三フレーバー
    ストップクオーク:Stop Quark
    スボトムクオーク:Sbottom Quark

 ・スレプトン(Slepton)と呼ばれる素粒子群
   第一フレーバー
    セレクトロン:Selectron
    電子スニュートリノ:E-sneutrino
   第二フレーバー
    スミューオン:Smuon
    ミュースニュートリノ:μ-sneutrino
   第三フレーバー
    スタウオン:Stauon
    タウスニュートリノ:τ-sneutrino


このような表を見ると、
「ボーズ粒子やボシーノにもフレーバーや色荷があるかもしれない」
……とか思ってしまいます
果たして、どうなのでしょうか
さらに未知なる素粒子が発見される余地も、
無いとは言えないわけです

LHCに期待しましょう!


kaiでした☆

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