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2009年11月05日(木)

第66回 O.W.L.

テーマ:無人島サイケ
Of Wondrous Legends
Owl
Of Wondrous Legends

愛聴盤になるアルバムというのは、最初の印象はそれほどでもなくても、何度か聴いてるうちにジワジワと沁みて来るというパターンが結構ありますが、これはもうオープニングの数曲が流れただけで「無人島アイテム」となることを確信してしまったという作品。

Owl(Of Wondrous Legends)は、以前ヘヴィサイケ特集で取り上げたMountain Busの初期メンバー(アルバムには不在)だったStephen Titraをリーダーとするシカゴのグループです。本作は1971年にUniversalのスタジオで約半年をかけて制作されたものの、けっきょく少数のテストプレスのみで、人知れず埋もれたままになっていた未発表アルバム。それが2004年になって、偶然シカゴの古道具屋の片隅で「発見」されたのでした。

極上のメロウサイケとバロックフォークが絶妙のバランスで融合したような、「ルネッサンスアシッドフォークロック」とでも呼びたいような独自の音世界。メランコリックなメロディを鬱々と歌い上げるナイーブ&イノセントなボーカルに、クラシカルな室内楽器やヴァイブやダルシマーやフルートが奏でる幽妙なバッキング(特にヴァイブはElevatorsのジャグやCold Sunのオートハープに匹敵するくらい印象的)。全編を通して統一感のある同質の高いクオリティを保ちながら、古典趣味や東洋風味やサイケな味付けで決して単調に陥らない楽曲群も素晴らしい。

しかも、コアなサイケファンにも普通のロックファンにも訴えるような、マイナー/アンダーグラウンド感とメジャーな「名作」感を同時にそなえているところもスゴい。これを「発掘」した人が最初に聴いた時の狂喜する様子が目に浮かぶようです。サイケファンが知らずにいる、このような「お宝」が、まだまだどこかに埋もれているのではないか・・・そんなロマンをも感じさせてくれます。Gandalfなんかと並べて、CDラックの特別の一角にしまっておきたいような一枚。


$サイケデリック漂流記

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2009年07月31日(金)

第65回 New Dawn

テーマ:無人島サイケ
There's a New Dawn
New Dawn
There's a New Dawn

New Dawnはオレゴン州セーラムの5人組。"There's a New Dawn"は1970年の唯一作で、(ややマニアック趣味ながら)私好みのダウナー・メロウサイケの名作です。上のCDは米Jackpot Recordsからの再発で、現在廃盤状態になっているAkarma盤に4曲のボーナスが追加されたもの(amazonで9月22日の発売予定)。

サイケコンピ"Love, Peace and Poetry"のアメリカ編にキラーファズチューンの"Dark Thoughts"が収録されていた、あのNew Dawnです。ただし、ガレージコンピの"The 60's Choice Collection of Scarces Garage Records Vol's 1&2" に収録されている"Slave of Desire"のNew Dawnとは別のバンド。

ジャケは一見、黒人のファンクグループみたいな感じですが、中身はFoodとかPlastic Cloudの系統のズブズブのファズギター(+オルガン)が入ったソフト~メロウサイケアルバム。さらに素晴らしいのは、全編が大ダウナー大会なところ。「メロウサイケ版"Dark Shadows"」といった趣きで、Cold Sunを思わせるようなダウナーサイケ感覚をそなえています。

特に後半、同じような曲調の「まったくグルーヴしない」楽曲が催眠的にタラタラと続くあたりに、マニアックな歓びを感じる私のようなファンも多いことでしょう。とりあえず、前半の激渋ファズギターサウンドだけでも「買い」です。ちなみに、ボーナストラックは未発表の1971年のデモ3曲+2008年の再結成ライヴ音源の1曲。オフィシャルサイトから全曲(全長)試聴できます。
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2009年06月11日(木)

第64回 Folklords

テーマ:無人島サイケ
Release the Sunshine
The Folklords
Release the Sunshine

Folklordsは男性二人女性一人のカナダ産フォークロックトリオ(+演奏メンバーのドラマー)。"Release the Sunshine"は1969年の唯一のアルバムです。基本的にUSサイケ専門のレココレ・サイケ号に載ってなかったのは仕方がないんですが、モノ自体は「基本アイテム」級の名盤だと思います。(ただし、どちらかというとコアなサイケファン向きかもしれません。)

Love Generationの"Montage"を連想させるようなジャケットから、ありがちなサンシャインポップ系の男女混声フォークロックかと甘く見ていたら、これが大まちがい。AMGのレビューではシグネ時代のJefferson Airplaneなんかに例えられていましたが、私にはまったく異質に聴こえます。どっちかというと、自主制作のダウナー・アシッドフォークのノリに近い感じ。

いわゆる「天然もの」で、エフェクトやアレンジや演奏がサイケサイケしてるわけではないのに、サイケ指数はとても高い。ほぼ全編で女性メンバーが奏でるオートハープが連想させたのか、まっ先に思い浮かんだのがCold Sunでした。ぜんぜんタイプは違うけど、同じ「におい」を感じます。

全編大ダウナー&メランコリック大会なんですが、みなさん「あちら」にイってしまっていて、なんだかとても幸福そうです。そのへんの至福感はいわゆる「宗教サイケもの」と通じるものがあります。ツーコードでタラタラと続くような、単調で同じような曲調の繰り返し。このまったくグルーヴしない「だらだら感」が、逆に強烈なサイケグルーヴを醸し出しています。

どこまでいっても着地点が見つからないような「宙ぶらりん」さ。ジャランジャランと絶え間なく鳴り続ける催眠的なオートハープ。ときおり音程が不安定になる男女のボーカルハーモニー・・・。なんだか、Elevatorsの"Bull of the Woods"を聴いたあとのような、乗り物酔いにも似た酩酊感に襲われます。"Dark Shadows" はたまた"Bull of the Woods"の男女混声フォークロック版、といったら買いかぶりすぎでしょうか?
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2009年03月25日(水)

第63回 Whistler, Chaucer, Detroit & Greenhill

テーマ:無人島サイケ
The Unwritten Works of Geoffrey, Etc.
Whistler, Chaucer, Detroit & Greenhill
The Unwritten Works of Geoffrey, Etc.

ひさびさのこのテーマ。最初は「サイケデリック」テーマの「レココレ・サイケ号に載ってなかったシリーズ」の記事にするつもりが、いや、やはりこれは「無人島サイケ」にふさわしい、と思い直した次第です。先日話題になったMojo Magazineによる"The Greatest Albums of All Time"にも選ばれていたという、隠れた名盤。

タイプとしては、Moby Grape~Buffalo Springfieldあたりに連なるような、カントリーフレイバーのサイケフォークロックでしょうか。いわゆる「どサイケ」ではなくて、ダウナー系のユルいサイケグルーヴが、聴いているうちにジワジワと効いてくるタイプ。Charlatansみたいなルーツ系サイケがお好きな方は、きっとハマると思います。(私は初めて聴いた時、思わず3回くらい繰り返してリプレイしてしまいました。)

1968年にUNIからリリースされたの唯一のアルバムである"The Unwritten Works of Geoffrey, etc."は、バンドというよりスタジオプロジェクト的な作品で、グループ名はメンバーの本名ではなくて偽名です。出身はテキサスで、メンバーのScott FraserとEddie LivelyはThe Modsというバンドで1966年にシングルを一枚出しています(その"It's for You"と"Days Mind the Time"は、"Cicadelic 60s"など複数のガレージコンピに収録されている)。

プロデュースは、のちにグラミーを受賞する名プロデューサー(&アーティスト)のT-Bone Burnettで、全11曲中4曲のソングライティングも手がけています。ルーツ系というだけでは語れないようなバロックポップ風の曲もあって、才能と可能性を感じさせてくれます。これ一枚で終わってしまったのが残念!
(試聴はこちら。)

ちなみに、Scott Fraserを含む3人のメンバーは、その後Space Operaというバンドを結成し、1972年にカナダのEpicからセルフタイトルのアルバムをリリースしています(Collectors' ChoiceからCD化)。こちらは、ちょっと初期のSteely Danを思わせるようなところもある「プログレッシブ」な感じのフォークロックなんですが、60s直系の、まんまByrdsな12弦ギター(&ファズギター)のサイケチューンがあったりして、これも素晴らしい内容です。

Space Opera
Space Opera
Space Opera

2008年12月15日(月)

第62回 Telegraph Avenue

テーマ:無人島サイケ
Telegraph Avenue
Telegraph Avenue
Telegraph Avenue

以前、南米サイケ特集をしたときには知らなくて、その後ハマったバンドが少なからずあります。その中でも一番よく回しているのがコレでしょう。初めて聴いたときのインパクトの強さのみならず、しばらくするとまた聴きたくなるという中毒度の高さでもチャンピオン級。私にとっては、南米サイケへ求める理想に近いような音でした。

Telegraph Avenueは日系人のBo Ichikawaらによって1970年に結成されたペルーのバンド。セルフタイトルのデビューアルバムは1971年にリリースされています。Boは60年代後半の一時期、サンフランシスコに滞在していたということで、米国のヒッピー/サイケロックの影響のもと、歌詞もほぼ全編が英語で歌われています。

おそらくそのへんの、「本場のヒッピーカルチャーに触れた日系ラテンアメリカ人」がリーダーだったということが、このバンド(アルバム)の魅力の大きな鍵になっているのではないかと思われます。ヒッピーロック的・大陸的なユルさと、いかにも南米サイケらしい天然にイっちゃってる感、そしてわれわれ日本人の心の琴線に触れるような情緒感覚・ソフトロック感覚が、なんだかよくわからない不思議な混ざり方で渾然一体となっている・・・そんな感じです。

まず、最初に聴いて腰を抜かしそうになるのが先頭の一曲目。なんと、Alzo & Udineの名盤"C'mon and Join Us"(*1)の冒頭を飾る"Something Going"のエロエロカバー! なにごともなかったかのように自然に?コテコテの南米サイケチューンと化しているのが聴きものです。そのあとも、メロウなソフトサイケナンバーあり、強烈なファズギターチューンあり、「スンガリガリガリ スンガリガーリ」が耳について離れないまるでTraffic Soundの"Meshkalina"みたいな曲、パンフルート?や意味不明な掛け声や、ラテンパーカッション+わけもなくジタバタするドラムといった南米サイケらしいノリがあったりで、最後まで一気に聴かせてくれます。

それにしても、この独特の「やるせないような幸福感」は南米サイケならではのものですね。おそらく、古くからのキノコとかサボテンとかのインディオの文化によるところもあるのかもしれません。ちなみに、その後メンバーのうち二人(Alex NathansonとWalo Carrillo)は南米サイケ特集でも取り上げたヘヴィロックバンドのTarkusに加わっています。また、Telegraph Avenueのセカンド "Vol.2"(1975) もCD化されています(amazonにはアップされていない模様)。

*1
本国アメリカよりもむしろ日本での方が有名なソフトロック・デュオ。"C'mon and Join Us"(1968)はソフトロックファンから絶大な人気を誇る。もともとラテンビートを取り入れたアルバムだけに、"Something Going"の南米サイケ化は自然な流れだったのかも? また、"Telegraph Avenue"にボーナストラックとして収録されている"It's OK"も、Alzo & Udineの"Hey Hey Hey, She's OK"が元になっている。

C'mon and Join Us!
Alzo & Udine
C'mon and Join Us!


下の動画、映像は最近のギグのようですが、音声はオリジナルアルバム(1971)からのもの。

サイケデリック漂流記

2008年09月07日(日)

第61回 Golden Dawn

テーマ:無人島サイケ
Power Plant
Golden Dawn
Power Plant

Golden Dawnはテキサスはオースティン出身の5人組。唯一のアルバム"Power Plant"(1968)はレココレのサイケ特集号でも最初の方に取り上げられていた基本アイテムで、メジャーなサイケレビューでもこぞって絶賛されている逸品です。(上のamazonのリンクは10月20日発売予定の再発盤。)

13th Floor Elevatorsと同じInternational Artistsからリリースされたアルバムは、特にボーカルスタイルなど、Elevatorsとの類似性が多く見られます。それもそのはずで、リードボーカル/ギター/全曲のソングライティングを担当しているフロントマンのGeorge KinneyはRoky Ericksonとは幼なじみ。同じ学校の聖歌隊に所属していたとき、RokyがGeorgeに歌い方を教えたり、Fugitivesという地元のガレージバンドで一緒にプレイしたりしていました。

また、"Power Plant"はサマーオブラブ真っ只中の67年夏には完成されていたにもかかわらず、13th Floor Elevatorsを重要視するレーベルの意向で、彼らの "Easter Everywhere"を先にリリースするため、翌年までアルバムの発売を先送りされたという因縁もあります。"Power Plant"の方が先に制作されていたのに、発売当時は「"Easter Everywhere"の二番煎じだ」と評されたりもしたそうです。

しかし、Golden Dawnが単なるElevatorsのフォロワーではないのは、近年の評価や人気の高さでも証明済みのこと。ガレージパンク的なピュアさとストレートさに、独特の繊細さとメロウ&メランコリックさを兼ね備えたサウンドは、ひとことでいうなら「シビれる」音です。ガレージサイケ的なファズギターと、フォークロック的なリンリンと鳴るギターサウンド、メロディックな楽曲の魅力などもクセになります。このあと登場するテキサスサイケモンスター、Cold Sun(World in Soundから再発されたCDはどこのショップでも即完売で入荷待ち状態らしい)にもつながる重要盤!



2008年08月20日(水)

第60回 Rodriguez

テーマ:無人島サイケ
Cold Fact
Rodriguez
Cold Fact

これ、最初に聴いたときは、ほとんど期待してなかったので、余計に第一印象のインパクトは鮮烈でした。

Rodriguezはデトロイト生まれの黒人ということで、ソウルミュージックとして言及されていたり、某ネットショップでは「ダンス&ソウル」に分類されていたり・・・。それも無理なくて、レーベルはBill Withersなどを出していたソウル系のSussex(サイケファンにはデトロイト・ファンクサイケのMutzieでお馴染みかも)、バッキングにはモータウンのセッションマンのDennis Coffey, Bob Babbitt, Andrew Smithらの"Funk Brothers"が参加しています。

ということで、ブラスとかが活躍するソウル~ファンクサイケ系のSSWかと思いきや、これがぜんぜん違った。まったりと味わい深くて陰影に富んだ、アシッドフォークロックの傑作でした。いきなり、サイケなエフェクトが爆発するアシッドチューンのオープニングナンバー"Sugar Man"。続く2曲目の"Only Good for Conversation"なんて、一瞬英国のHigh Tideかと思うくらい、歪みまくった強烈なファズギターのリフが鳴り響く「どヘヴィサイケ」ナンバー! だいたいアルバムの印象って、最初の数曲で決まってしまうこともあるのに、なぜこの作品がプロパーなサイケアルバムの名作として、これまであまり紹介されてこなかったんだろうかと不思議に思います。

その「隠れた名盤」である"Cold Fact"(1970)が、8月19日にようやく本国アメリカでCD再発されました(日本盤仕様はこちら)。本国ではオリジナル発売から約40年間、不当に無視され続けてきたのですが、その間、海を越えたオーストラリアやニュージーランド、特に南アフリカでカルト的な人気を博し、これまで何度かCD再発されています。(南アでは1998年のツアーがTVドキュメンタリー化されるほど。インターネット黎明期に南アフリカの熱心なファンが"The Great Rodriguez Hunt"というサイトを立ち上げ、一時「行方不明」になっていた彼がデトロイトで元気に暮らしていることを探り出したというエピソードがあります。)

Rodriguezは本名をSixto Rodriguezといって、黒人といってもアフリカン・アメリカンではなくて、メキシコ移民のいわゆるチカーノ系です(ルックスはフィリピン人みたいに見える)。ジェイムス・テイラーをラテン系にしたような、深味のある歌声が魅力的で、DonovanやRichie Havensなんかを思わせるようなフラワーな楽曲群も素晴らしい(録音は1969年)。ちなみに、1971年にもう一枚"Coming from Reality"というアルバムを出していて、南アフリカのみでCD化されています。サイケ度はやや後退して、よりシンガーソングライター作品っぽくなっている印象ですが、適度なドリーミーさとアシッド感が漂う、これも捨てがたい佳作です(録音はロンドンで、Chris Speddingらが参加している)。





2008年08月06日(水)

第59回 5th Dimension

テーマ:無人島サイケ
The Magic Garden
The 5th Dimension
The Magic Garden

フィフス・ディメンションは、このテーマですでに取り上げたアソシエイションやママス&パパスに負けず劣らず好きなサンシャインポップ系グループ。男性三人・女性二人の全員が黒人ですが、彼らが黒人であるということを意識することはほとんどありません。それくらい洗練された、サンシャイン&フラワーなソフトロックサウンドを聴かせてくれます。

もともと前身グループではR&Bをやっていたそうですが、ジョニー・リヴァースが設立したSoul Cityレーベルの第一弾アーティストとしてデビューするにあたって、「黒いママス&パパス」として売り出そうと企画されたのが始まりです。ジョニー・リヴァースを見出した恩人であるダンヒルレコードのルー・アドラーは、当時ママス&パパスなどのフォークロックを制作していて、いわば「のれん分け」的な意味合いもあったのではないかと思われます。

特にデビューアルバムの"Up, Up and Away"(1967)はそのへんの色合いが強く、ママス&パパスのカバーの"Go Where You Wanna Go"や、もともとはバリ/スローンがママス&パパス用に書いたという"Another Day, Another Heartache"などの楽曲がそれを物語っています。プロダクションも、Bones Howeによるエンジニアリング(のちにプロデュース)や、Hal Blaine, Larry Knechtel, Joe Osborneらによるバッキングと、ママス&パパスの制作に携わった人たちが参加しています。

しかしながら、5th Dimensionが単なる「黒いママス&パパス」で終わらなかったのは、ソングライター/アレンジャーのジミー・ウェッブの存在です。当時まだ二十歳そこそこで無名だった彼が、グループ初の全米トップテンヒットとなった "Up, Up and Away"などを書いて、60年代を代表する名ソングライターとしての道を、5th Dimensionの成功とともに歩み始めたのでした。

上に挙げた"Magic Garden"は1967年のセカンドアルバムで、ソフトロックファンに最も人気の高い名作。Rev-Olaから8月25日に再発されます。ビートルズカバーの"Ticket To Ride"以外は全曲ジミー・ウェッブ作のコンセプトアルバムとなっていて、前作からさらに進化した独特のアッパーな浮遊感/アシッド感や、ロックのグルーヴとストリング/ホーンアレンジの融合の気持ち良さ、シタールなどのサイケな味付けなど、メロウ/ソフトサイケファンにも聴いてほしい逸品です。特に冒頭の"Prologue"に続いてアルバムタイトル曲の"Magic Garden"が始まるところなんかは何度聴いてもハイになります。(下はCollectors' Choiceから出た、1stと2ndおよび3rdと4thをカップリングした2on1。)

The Magic Garden/Up, Up and Away
The 5th Dimension
The Magic Garden/Up, Up and Away

Stoned Soul Picnic/The Age of Aquarius
The 5th Dimension
Stoned Soul Picnic/The Age of Aquarius







2008年07月04日(金)

第58回 Keith

テーマ:無人島サイケ
Ain't Gonna Lie
Keith
Ain't Gonna Lie

これはたぶんサイケではないんでしょう。Fuzz, Acid & FlowersにもAcid Archivesにもエントリーされてないし・・・。でも、60sポップス好きにとっては、聴いているとウキウキとした気分になる、純粋に気持ちいいお宝アイテムです。

Keithは66~67年にかけて、"Ain't Gonna Lie"(39位)、"98.6"(7位)、"Tell Me to My Face"(Holliesのカバー、37位)など4曲をヒットチャートに送り込んだポップシンガー。シングルアーティストとしては短命に終わりましたが、天才プロデューサーのジェリー・ロスの手による、素晴らしい二枚のアルバムをMercuryからリリースしています。十年くらい前、その二作にボーナストラックを加えたコンピが世界で初めて日本でCD化され、ソフトロックファンから絶大な支持を受けたのでした。

甘くドリーミーなボーカル、魅力的なメロディに心弾むリズム、どこを切っても「つぶつぶのぷりぷり」でクセになる美味しさ。ときおり混じる、エレキシタールやファズギターや似非東洋風メロディなど、サイケな隠し味も嬉しい。このあとブームになるバブルガムポップなんかは、このKeithから少なからぬ影響を受けているのではないでしょうか。

上のCDは、1stの"98.6/Ain't Gonna Lie"(1967)と2ndの傑作"Out of Crank"(1968)をカップリングして、アルバム未収録のシングル4曲を追加した、全27曲収録の決定盤(日本盤はこちら)。約70分、頭がクラクラするくらい濃密に「マジカル60sポップワールド」を堪能させてくれます。


さて、そのKeithがMercuryを離れ、1969年にRCAからリリースしたサードアルバム"The Adventures of Keith"がCD再発されます(7月28日発売予定)。私は未聴ですが、ソフトロックAtoZでは、「ジェリー・ロス組のメンツは全員離脱しているため、箸にも棒にもかからない下らない作品になり下がってしまっている。こんなの金貰っても聴きたくない。」とボロクソに書かれていました。そういわれると、かえって聴いてみたくなる?

The Adventures of Keith
Keith
The Adventures of Keith





2008年06月16日(月)

第57回 Margo Guryan

テーマ:無人島サイケ
テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)
マーゴ・ガーヤン
テイク・ア・ピクチャー(紙ジャケット仕様)

"Hippie Goddesses"コンピ収録アーティストといえば、このMargo Guryanもそうでした。偶然ですが、先日取り上げたSpanky & Our Gangのヒット曲、"Sunday Morning"(1967年、30位)の作者として知られている人です。

NY出身の彼女は大学でクラシックとジャズ(ピアノ)を学びますが、ビーチボーイズの「ペットサウンズ」を聴いて衝撃を受け、ポップミュージックの作詞作曲に目覚めます。そして、1968年にリリースした唯一のアルバム"Take a Picture" は、ソフトロック~ソフトサイケの名盤として、近年とみに人気の高まっている素晴らしい作品です。

まず、クロディーヌ・ロンジェとかヴァシュティ・バニヤンを思わせるような、ちょっとハスキーなウィスパーボイスが魅力的。それに、オリジナルの楽曲群のハマり度がまた尋常ではありません。オープニングの"Sunday Morning"から、シタールとファズギターの味付けが印象的なソフトサイケチューン"Sun"へと続く導入部で、完全にやられてしまいます。バッハの「主よ人の望みの喜びよ」の旋律を巧みに取り入れた"Someone I Know"なんかも鳥肌モノ! ラストナンバーで、前述コンピ収録の「どサイケ」チューン"Love"まで、天国気分で聴き惚れてしまうことでしょう。

さらに、このアルバムを魅力的なものにしているのがバックのアレンジと演奏。ストリングスやホーンなんかも使われていて、メローな曲もわりと多いんですが、それぞれの楽器の音が生き生きと跳ねるようで、ベースとドラムのリズム隊にビート感がある、まさしく「ソフトロック」と呼ぶにふさわしいサウンドです。ちなみに、上のリンクは今春再発された紙ジャケで、下は数年前にリリースされたデモ曲集です。

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Margo Guryan
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